ラストデイズ

2010年5月7日 映画
とても静かで美しい映画。
静か過ぎて途中で一度寝てしまいました。
1994年に猟銃自殺したNIRVANAのヴォーカルKurt cobainの
最後の日々をモチーフに制作されたフィクションですが、
雰囲気といい服装といい音楽といい、モロに本人でございます。
リハビリ施設から抜け出したブレイクは
緑に囲まれた荒れた屋敷に戻ってくる。
そこにはバンドの仲間とその恋人が住み着いていて、午後遅くまで眠り夜は街へ繰り出して酔っ払って帰ってくるという自堕落な毎日。
ブレイクは彼らと接触を絶つように行動しているが、時々誰かが話かけてくる。
しかしブレイクは誰とも意味のある会話を交わそうとはしない。
死のイメージを何度も思い浮かべながら、ただ彷徨うブレイク。
魂は既に深い淵に沈んで、知人の言葉も水際から投げ込む小石程度でしかない。
ひたすら悲しくて見終わったあと虚無感の残る作品でした。
仰向けに倒れた彼の遺体から、全裸の本人の魂がまるで日常動作の如くすっと立ち上がり、
目に見えない天国への階段を何気なく上ってフレーム・アウトしていくシーンは
奇妙に詩的ですが、その動作は生きているときの彼となんら変わりがない。
ブレイクにとって既に、こっち側でもあっち側でもそんな違いはなかったのかも・・・
そんなふうな印象を受けました。

それにしてもガス・ヴァン・サント監督。
かならずワン・シーン男性同士のキスシーンがあるんだなw

ブレイク役の男の子(マイケル・ピット)のルックスはKurt Cobainによく似ていたけれど、
俯き加減の横顔がリバー・フェニックスにも似ている気がした。

映像の美しさと音楽のセンスはめちゃくちゃいいです。
同居人のスコットがThe Velvet UndergroundのVenus in Furの<レコード>をかけてLou Reedのボーカルに合わせて歌うシーンが何故かすごく好き。
Sonic YouthのThurston Mooreが音楽を提供しています。
Kim Gordonも出演してるし・・・相変わらずカッコイイお姐さまでした♪

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