長いので一気にリピ!
・・・とはいかないのですが、ぼつぼつリピしております。

見れば見るほど蓮介って複雑だなぁ。
うーん。あとせめて2話、あったらなぁ・・・ってナニを今更なんですけど、
彼に関してはどうにも理解できない部分が残ってしまったんです。

だってねぇ。
彼、あんなにいい女にモテモテだったのに最後の最後まで誰とも寝ないんだよね。
本当にラスト、真絵美とキスのあと、カメラがすーっと引いていって
外側からドアを捉えてフェードアウトしていくシーン。
本気で抱き合ってキスしてると思われる音声だけのシーン(笑)。
あの後ふたりは結ばれたと確信できるシーンまでは、キスはしても寝て・・・ないでしょ?
柚っちとかさぁ、あんな山奥の別荘でふたりっきりだよ?
<葉月 柚月 家具工房>なんつーカワユイ♪看板まで掲げてさ。
「うふっ。二人っきりっ☆さあっ!来るならこいっ!!」って柚っちなのにさ←決め付け。
真絵美んちでもさ、あんな狭いとこに二人っきりで寝泊りだよ?
柚っちが言ってたジャン。
「え・・・っ?それって、気持ち悪くない?」って。
(柚っち、ゆびさしすんのが悪い癖☆カワユシ)

性的なトラウマでも抱えているのか蓮介・・・・・・・・・・。

そういえば。
仕事のためにシュウメイを生贄に差し出そうとするシーン。
スケベな目線で嘗め回すオッサンを前にした蓮介の動揺っぷり。
折角手に入れた女を差し出す屈辱もそりゃあるだろうけど、
悔しさよりむしろ恐怖を感じてるような印象を受けたんですよね・・・・。

で、6話まではひたすら
<人の気持ちを全く察することのできない鈍感な男>のように描かれていた彼。
それが、社長を解任された途端コロっと。
ものすごく無防備で感じやすそうな表情へと変化した。
もしかして彼は<人の気持ちを察することができないフリをしていた>んだったりして。

それを半ば確信したのが、8話の前半で、真絵美の部屋を出て行くシーン。
「おれ・・・無意識のうちにお前を傷つけてたよな。すまない。」と謝る彼は、
やはり真絵美の気持ちに、実は気付いていたとしか思えない。

そこでこういう仮説を立ててみました。
(*あくまでも仮説しかも長いです;)

もともと何らかのトラウマを抱えた彼が、自分を支えるために始めた<家具会社>が、
思いがけず大きくなりすぎてしまった。
人を動かす立場、つまり時にはある種の精神的痛みを感じずには
いられない立場になってしまった彼。
初めからあまり健康ではなかった彼の精神は、<痛みを感じる>ことから逃れるために、
<人の気持ちを察することができないフリ>を、鎧として身に着けていった。
その代償に、ある種の無感覚へと陥ってしまったのかもしれない。
だから社長を解任された彼は、あんなにあっさりと・・・
むしろ内心「ホッとして」その場を去った。

と考えるとずいぶん辻褄が合うんだよね~(笑)

そして、7.8話は彼がその<無感覚>から脱却し、
トラウマからも少しずつ解放される物語であった、と。

冒頭、部屋のドアの前で、捨て猫状態で転がってた彼(中の人波動砲発射!!!)が、
それまでどこでなにをしていたのか。
彼自身の言葉によると
「昔からお世話になった木材会社の社長さんたちを訪ねていた」
要するに、心から愛する樹木たちに再会し、緑の中を彷徨し、
匂いを嗅ぎ、生きている木に触れ、
麻痺していた感覚を少しずつ取り戻すための行動を無意識のうちにとってたわけですね。

次に彼は、回復期にありがちな<幼児回帰>の期間に入る。

彼を見守る<母>である二人の女:真絵美と柚月
(実の母は生みの親であっても精神的な母ではない)の、
暖かい腕の中を行き来しながら、同時に<感覚の回復>の象徴である木の肌に直接触れ、
触覚・視覚・嗅覚が与えてくれる刺激に没頭しつつ、それらを形に切り出し、
家具へと組み立てることで、バラバラだった感情と感覚が一つに統合されていく。

その2段階の回復の手順を踏んで最後に、彼は本来の・・・
年相応のオトナの男としての自分を、
たぶん完全にではないけれど、かなりリアルに取り戻すことができた。
その結果があの市民ホールコンペのシーンにつながった、と。
「勝った気がしないんですよね。」と語る風見に
「お前は一人じゃない。」と語りかける彼は、
まぎれもなく<人の気持ちを察することのできる>一人の男性としての
自覚に溢れてましたから。

そしてようやく<母>として甘えていた二人の女に対して、
本来あるべき<男としての>姿を示すことができた。

柚月は<妹>へ。
真絵美は<妻>へ。

・・・あ。シュウメイを忘れてた(ヲイ)
彼女は、そうですね~・・・なんだろう。きっかけには、なったんだろうなぁ。
彼女は結局、蓮介を求めていたわけではなかったと思うんですよね。
彼女の夢は(本人が語っていた通り)<中国で成功すること>であり、
言葉も感情も上手く通じない日本人の男性と添い遂げようなんて思ってなかった気がする。
逆にいえば、本心から蓮介を求めてはいない彼女は、
蓮介にとって本心から向き合う必要の無い女、
要するに<ラクな女>だったのかもしれません。
だからこそ、彼は彼女に固執し、一方的に追いかけていた。
空港で「帰還します。キサマも帰れ。」と言われたとき彼は、
薄々感づいてはいたのだけれど、
彼女と自分には実は何の心理的交流もなかったこと、
自分が追い求めていた女はただの影にすぎなかったことに気付いて
愕然としたのではないでしょうか。

や。

こうやって考察したりなんかすると、めっちゃくちゃ深いストーリーに思えてきたわ(;´∀`)
でも実際にはそんな簡単に人間の心なんか変わるわきゃないとはわかってはいるんですが(笑)

それでも、7.8話のキムラさんが演じた蓮介の、言葉にならない部分の存在のしかた・・・
目線や体の動き、台詞にならない余白の語る言葉には、
なにか深読みさせる謎めいた空気が漂っていたのです。

そうそう。
肝心の<蓮介のトラウマ>なんですけど・・・・・・。
これね、推測するにおそらく<母子関係のつまづき>なんだろうなぁ・・・。
でもあの性的な潔癖さっつーか、恐怖症的反応は極端だよなぁ・・・・。

ってことで、描かれなかった謎は深まるばかりなのです。

追記)

私が「蓮介って何かものすごく子どもっぽいなー・・・。」と思ったきっかけは
真絵美の部屋のソファで眠っている彼の姿で。
足の間にクッションを挟んで寝てたでしょ~??
なんか、あの感じがね。
そんな気がしました。
しっかしキムラさん・・・眠っている演技までなんだか意味ありげなんだもんw
なんでしょーね、人に深読みをさせずにいられない、あのキャラ作りはw

コメント

nophoto
里奈
2010年7月9日22:45

う~む、寝かそうとしていた子が起き上がってしまいました。(笑)
ふと気がつくと色々考えてしまう自分を持て余し、もう少し時間をかけて熟成させようと思っていたのです。
HTさんの分析、面白いですね。
蓮介のトラウマの根本はやはり自分とその時々の男の間を行ったり来たりの母親でしょうね。
一緒にいれば面白くて魅力的な母親だけど、ある日突然母親の心が自分から離れているのを感じる。 (それも度々)
おまけに「誰にも頼らず生きてこそ男なんだよ」位の事を言われて育てられ。
淋しい気持ちや心細さを否定され、それを心の奥深く押し込めなければならなかった少年時代。
母親の中でもちっぽけな存在になる事が多かった少年が、戻ってきた学校のクラスメートの間でもまるで存在した事がなかったような反応を受けた時の絶望的な孤独は、成長するにつれ自己表現の激しい渇望になったのかもしれませんね。
その一つとして家具作りに才能を発揮した蓮介が柚ちゃんパパに見出された時、多分恵まれた環境にいながらも、どことなく淋しげな小学生の女の子に会い・・・
父親が家具屋の社長なのに身の丈に合わない机と椅子を使っていた女の子。
お父さんの愛情は沢山受けていたのでしょうが、多分お母さんはいなかったのかな。
甘えん坊で淋しがり屋の小さい柚ちゃんに蓮介は小さい自分を見たのかもしれませんね。
きっと蓮介は手を差し出す柚ちゃんを、ああやって何回も抱いて上げたんだろうな・・・

でも、出資を受けて会社を立ち上げたけれど、段々柚パパの支配下におかれそうになる → 又しても存在しなかった人のようになる自分には戻りたくない。

飲み込まれない為には鎧を纏って戦うしかなかったのかもしれません。
自分の弱さを、不安を、心細さを自分の心の奥深くに意識的に封印し。

シュウメイがあのスケベな外人さんに言い寄られた時、思わず折ってしまったタバコ。
ゴルフ練習場での苛立ち。
それは仕事の為にはと、無理に抑え込んでた人間としての当然の感情が湧きおこる事を制御できなかった自分への戸惑いと怒りだったのだと・・・

あぁ やはりまだ纏まりません・・
だらだらごめんなさい。
でも 送っちゃおうっと(笑)

HT
2010年7月10日0:21

里奈さまこんばんは。
力入りまくったコメ、サンクス☆

>蓮介のトラウマの根本はやはり自分とその時々の男の間を行ったり来たりの母親でしょうね。
>戻ってきた学校のクラスメートの間でもまるで存在した事がなかったような反応を受けた時の
>絶望的な孤独は、成長するにつれ自己表現の激しい渇望になったのかもしれませんね。

たぶんそういう流れじゃないかと思います。
自己表現への渇望かぁ。なるほどな。
根本的にはアーティスト体質なのでしょうね~。
自己表現にもいろんな手段・方法があるのですが、彼にとっていちばんぴったりくるのが
<モノヅクリ>・・・自分のイマジネーションを3次元の形にする、という。
あとはニワシドリのエピソードに暗示されているように、彼のモノヅクリの原点は
『人の気を惹きたい、パートナーと永続的な関係を築きたい』という
願望の、無意識の表現だったのかもしれません。

>きっと蓮介は手を差し出す柚ちゃんを、ああやって何回も抱いて上げたんだろうな・・・

そうだろうと思います。
あのシーンの二人の息の合い方、全てを委ねるような柚の仕草、あやす蓮介の体の動きの暖かさ。

・・・しかし今日のワッツで、あのシーンがアドリブだったと知り、正直びっくりです。
彼の<役を生きる>センスがあったから、咄嗟に出てきた仕草なのかも。
そして、きちんとその気持ちを読み取ってあんなふうに演じた北川さんも凄い。

>シュウメイがあのスケベな外人さんに言い寄られた時、思わず折ってしまったタバコ。
>仕事の為にはと、無理に抑え込んでた人間としての当然の感情が湧きおこる事を制御できなかった自分への戸惑いと怒りだったのだと・・・

なるほど。
そういう解釈もできるか。
同様に7話でも彼はシュウメイのことを思い出すたびにタバコを折ってたよね。
うーーーーん。
彼の胸に去来したものは一体何だったんでしょう・・・・。

あああ。
やっぱり書いても書いても疑問が次々に(笑)
当分頭を悩ませそーですね(;´∀`)