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すばらしく美しい映像。
’62年のファッション、音楽、車、建築、インテリア、そしてたぶん、空気。
ストーリーは恋人を8ヶ月前に事故で失い、その痛手からどうにも立ち直れず、
ついに自殺を決意した男・ジョージの一日を繊細に描いた作品。
冒頭、水中でもがく男性の裸体が映し出されるのですが、これがとてもとても美しい。
主演のコリン・ファース。
決して若くはない彼の、しかしその体の、均整が取れて綺麗なこと!
伸びやかで引き締まった四肢、ヒップ、背中。
男性の身体ってこんなに美しいんだなぁ・・・と改めて見入ってしまいます。
ホモセクシュアルの男性の愛を巡るお話なので、作品中何度か全裸シーンが出てきます。
主人公・ジョージと死んだ恋人ジムの親密な関係を描いた部分や、
ジョージを慕う教え子の美少年と、酔って全裸で夜の海に飛び込むシーンがあるのですが、
性的な生々しさは感じず、むしろルネサンス絵画のような、肉体の伸びやかさと
健やかな肉体に宿る精神の崇高さすら感じる表現になっています。
監督のトム・フォードはグッチのデザイナーでしたから、この視線はそのまま彼の美意識の
現れなのでしょうね・・・。
それとコリン・ファース演じるジョージの、完璧なスーツ・スタイル。
幅の狭いジャケットの襟、ネクタイの細さ、ピッタリと身体にそったカッターシャツ。
着崩したときの襟空きやヨレ具合まできっちり計算が行き届いているに違いない(笑)
そして、コリン・ファースの素晴しいこと!
悲しげな栗色の瞳の雄弁さ。
フラッシュバックやスローモーションを多用した撮り方なので、下手すると主人公の心の動きが
わかりにくくなりそうなのですが、
言葉でなく瞳と仕草で語る彼を見れば、理屈でなくその気持ちが一瞬で理解できてしまう。
また、時にカメラはジョージの目線そのものになり、相手の瞳の輝き、唇のいろっぽさ、
躍動する筋肉の動きを執拗に捉え、
自分がジョージの目線で相手を眺めているかのように錯覚するのも面白い経験でした。
準備万端、死への手はずを整えながら、なかなか死に切れないジョージの物悲しい滑稽さ。
ああいうラストを選んだのは、監督のロマンティシズムでしょうね。
そうそう。
ジョージが秘書の香水を当てたり(「アルページュ」)、
死んだ恋人の愛犬と同じ種類の犬の匂いを嗅いで
「バター・トーストの匂いだ」と表現するシーンは、
自ら「トム・フォード・プライベート・コレクション」という高級フレグランスラインを発表するほどの
匂いマニアらしい拘りだなぁ、と。
音楽もとても趣味が良かったのですが、一番印象に残ったのは
女友達・チャーリーのメイクシーンでかかっていたセルジュ・ゲンズブールの「Baudelaire」
・・・ゴローちゃんが1位に推すのも納得の作品ですよ。
http://singleman.gaga.ne.jp/
すばらしく美しい映像。
’62年のファッション、音楽、車、建築、インテリア、そしてたぶん、空気。
ストーリーは恋人を8ヶ月前に事故で失い、その痛手からどうにも立ち直れず、
ついに自殺を決意した男・ジョージの一日を繊細に描いた作品。
冒頭、水中でもがく男性の裸体が映し出されるのですが、これがとてもとても美しい。
主演のコリン・ファース。
決して若くはない彼の、しかしその体の、均整が取れて綺麗なこと!
伸びやかで引き締まった四肢、ヒップ、背中。
男性の身体ってこんなに美しいんだなぁ・・・と改めて見入ってしまいます。
ホモセクシュアルの男性の愛を巡るお話なので、作品中何度か全裸シーンが出てきます。
主人公・ジョージと死んだ恋人ジムの親密な関係を描いた部分や、
ジョージを慕う教え子の美少年と、酔って全裸で夜の海に飛び込むシーンがあるのですが、
性的な生々しさは感じず、むしろルネサンス絵画のような、肉体の伸びやかさと
健やかな肉体に宿る精神の崇高さすら感じる表現になっています。
監督のトム・フォードはグッチのデザイナーでしたから、この視線はそのまま彼の美意識の
現れなのでしょうね・・・。
それとコリン・ファース演じるジョージの、完璧なスーツ・スタイル。
幅の狭いジャケットの襟、ネクタイの細さ、ピッタリと身体にそったカッターシャツ。
着崩したときの襟空きやヨレ具合まできっちり計算が行き届いているに違いない(笑)
そして、コリン・ファースの素晴しいこと!
悲しげな栗色の瞳の雄弁さ。
フラッシュバックやスローモーションを多用した撮り方なので、下手すると主人公の心の動きが
わかりにくくなりそうなのですが、
言葉でなく瞳と仕草で語る彼を見れば、理屈でなくその気持ちが一瞬で理解できてしまう。
また、時にカメラはジョージの目線そのものになり、相手の瞳の輝き、唇のいろっぽさ、
躍動する筋肉の動きを執拗に捉え、
自分がジョージの目線で相手を眺めているかのように錯覚するのも面白い経験でした。
準備万端、死への手はずを整えながら、なかなか死に切れないジョージの物悲しい滑稽さ。
ああいうラストを選んだのは、監督のロマンティシズムでしょうね。
そうそう。
ジョージが秘書の香水を当てたり(「アルページュ」)、
死んだ恋人の愛犬と同じ種類の犬の匂いを嗅いで
「バター・トーストの匂いだ」と表現するシーンは、
自ら「トム・フォード・プライベート・コレクション」という高級フレグランスラインを発表するほどの
匂いマニアらしい拘りだなぁ、と。
音楽もとても趣味が良かったのですが、一番印象に残ったのは
女友達・チャーリーのメイクシーンでかかっていたセルジュ・ゲンズブールの「Baudelaire」
http://www.youtube.com/watch?v=5j-DljvlN4I
・・・ゴローちゃんが1位に推すのも納得の作品ですよ。
コメント
「シングルマン」ちょ~~~みたいんです…
だって、トム・フォードだよ…ってそこかいっていわれそうですが…(苦笑)
コリン・ファース好きだし…
見たらレビューします!
ちょ~オススメですよ。
そう、「やっぱトム・フォードだよね!」ですよ(笑)
もうねー、らしさ全開な映像なんですよね・・・。
小物ひとつにも拘りを感じました。
有名人だから恵まれてたでしょうが、必死にならないとああは撮れないと思う。
それと。
俳優さんがねー、もろ自分好みで選んだんだろうなー、って(笑)
顔も体もとーっても美しい☆
中でもコリン・ファースは・・・別格でした。
レビュー、楽しみにしてまーす!