香りのオルガン。

2010年12月30日 日常
香りのオルガン。
年末の大掃除をしました。
風呂や台所や流しの下なんかの日頃ほったらかしの場所も
このときとばかりに拭き掃除。
ずーっと使ってないものはこの際潔く捨てます。

共有スペースが終わったら次は自分のプライベートエリア(笑)
いつの間にか相当な本数になった香水の瓶の数々・・・。
サンプルとして取寄せたものやアトマイザーまで含めると百本近くになるかも(;´∀`)
埃をキレイにふき取って、とりあえず今現在使用頻度の多いものを残し、他は引き出しへ。
並べてみるとオリエンタル~スパイシー系の、インセンス(=お香)や甘い香りばかり。
寒い季節にふっと温めてくれるような香りたちです。
(といいつつ春夏でも好きな香りの基本は変わらないのですがw)
香りたちは調香師と呼ばれる人々の手によって無数の香料の組み合わせから選び抜かれ、
相応しい名前を付けられ、いろんな形のボトルに詰められて、縁あって私の元にやってきた。
それらを、その日の気分や服装や天候に合わせて私は選び取り、身に纏う。
(写真は調香師が使う『香りのオルガン』鍵盤のように並んでいるのが香料です)

様々な香りを引き出しに仕舞いながら、私は唐突にキムラの言葉を思いだした。

彼はよく『引き出し』という言葉を使う。
その『引き出し』は、この香水のエッセンスである香料を納めた棚のようなものかもしれない。
ふと気持ちが動いた出来事やその情景、言葉や美しい音、手触りや香りが、
まるで幾千万の香料のように彼の引き出しに仕舞いこまれている。
それらは折に触れ、必要に応じて、調香師たる彼の繊細な指先と感覚でもって
複雑かつ絶妙な配合で混ぜ合わされ、私たちに届けられる。
キムラタクヤという調香師の、麗しい、時には官能的な香りの一滴が、
忘れられない印象となって記憶のなかに残る。

彼の姿のみならず、仕草と声の魅力は「美しさの気配」を醸し出す。
そして、気配は香りに良く似ている。

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