キムラVSおっさん。

このキーワードで真っ先に浮かんだのが堤さん(おっさんには少々若いかもですが)。
GLはもちろんですが、HERO特別編の津軽さんが印象的で。
なぜかというと・・・まぁそれは置いといて(え?)
次に思い出したのがGIFTです。

私の永遠のアイドル由紀夫。

GIFTは1話完結の形式をとってたので、毎回違うゲストと彼の共演が楽しめる。
まぁぜんぶがぜんぶ上出来だったとは言い難いのですが(笑)、
いくつかのエピソードは文句なしに面白い。
ここまで考えるともう我慢できなくなって、一気に3本見ました。
3話・6話・11話(最終回)。

個人的に最高の出来だと思うのが第3話で、ゲストは岸部一徳さん。
余命幾許もない平凡なサラリーマンが殺し屋に仕立て上げられ、
由紀夫は彼に家族の写真を届けるという話。
一番グッと来たのが、ラスト近くで、岸部さん演じる戎岡と由紀夫が、
薄暗い喫茶店の隅で抱き合うシーン。
「君に会えてよかった。」トカレフ(旧ソ連製の拳銃)を片手に持ち、
がしっと由紀夫の肩を抱く男。
戸惑いながらも男の背中に腕を回し、あやすようにとんとん背中を叩く由紀夫。
その、照れたような、どこか安心したような柔かい表情。

第6話
では、死んだ親友の金塊をその女に届けようとするチンピラ(宇崎竜童さん)に
隠し場所を記したテープを届ける話。
ボコボコに殴られぼろ雑巾のように投げ出された二人が、一本のコイーバ(葉巻)を
分け合って吸うシーン。
「昔のことは忘れろ。おまえはイイヤツだ。」
チンピラの言葉に、半ば素直に喜びながら<忘れるべき過去>を持たない虚しさに戸惑う、
泣き笑いのような顔。

第11話は、もちろん緒形拳さん演じる父親とのシーン。
自分を置き去りにした父にバタフライナイフをつきつける由紀夫。
そんな彼を父は大きな手でガシッと掴み、胸に抱き寄せる。
「一緒に南米に行こう。パスポートなんかどうにでもなる。」
海風に乱れた髪が半分顔にかかり、その影の由紀夫の目がみるみる柔らいで、
甘えるように頬をよせ、目を閉じる。
そうそう、緒形さんとは10話にもいいシーンがあったなぁ。
まだ彼を父とは知らぬ由紀夫の頬を両手に包みこみ、大らかな笑顔でピタピタと叩くところ。
あのときの、キョトンとした子犬のような表情もなんとも言えなかったな。
男っぽい大きな手の乾いた温もり。かすかな葉巻とヤニの匂いまで漂ってきそうだった。

オマケで6話の冒頭では野長瀬と由紀夫のベッドシーンwのサービスまであったわ(笑)
あのときの色っぽさは・・・なんか画面からふんわりと甘い匂いを感じてしまった←ヘンタイw

や~・・・。
マンガから抜け出してきたような容姿に絶妙なツンデレぶり。
キャリアも年齢も比較にならないような大人のおっさん達相手に一歩も引かない
見事な<受け>の演技。
・・・そりゃ~おっさん達も可愛がりますってw(違)

GIFTはキムラにあてがきされた脚本だけあって、最高に彼の魅力を引き出していると思う。
当時の彼の、中性的な外見と男っぽい内面とのギャップが見事生きている。
一癖も二癖もある登場人物たちの醸し出す乾いた空気感。
音楽もセットも衣装もひたすら彼を際立たせるために選び抜かれたもの。
それでいてキムラタクヤでなく早坂由紀夫という人物が確実に存在している。
作り手のセンスがいい、ってこういうことだなと実感。

そうそう。
彼は女優さんを魅力的に見せる俳優さんだと思いますが、男優さん相手でも同じですね。
みなさんとっても渋くてかっこよくて色気があって魅力的に見えますもん。
キムラの間のとり方の上手さのせいじゃないのかな、と思っているのですが、
どうでしょう?

さて、次はHEROのSPを再見しようっと。
・・・いつ見れるかしら(;´∀`)

コメント

nophoto
浜子
2011年1月28日20:09

拍手です、
いつも楽しませていただいています。
私も、木村さんの一番の俳優としての力は、受けの芝居の上手さにあると
思っています。そう、ずっと若い頃からですよね。
相手に思う存分演じてもらって、その役を生きている木村さんが役柄そのもの
になって反応していくの、
だから、上手い役者さん、ベテラン俳優さん、舞台俳優さんほど、彼の実力が
よくわかるのじゃないかな、
彼が決して、俺が俺がじゃなくて、常に全体を俯瞰で把握して、相手をみて、
シーンを作っていく人であることが。

HT
2011年1月28日23:50

初めまして浜子さま。
拍手、ありがとうございます。

>木村さんの一番の俳優としての力は、受けの芝居の上手さにあると思っています。
>そう、ずっと若い頃からですよね。

同意していただいて嬉しいです。
私が見た比較的古い映像は「おとうと」と「そのときハートは盗まれた」ですが、
既に今のスタイルの原型が確立されてるなぁ、とちょっとビックリしました。
会話なりリアクションの相手とのやり取りがとても自然なんですよね。
確かに<演技>として見ると今よりは随分幼い(笑)のですけど。
なので、もしかするとあの方法っていうのは元々彼に備わった資質のひとつなのかもしれないですね・・・。

>常に全体を俯瞰で把握して、相手をみて、シーンを作っていく人であることが。

ですよね。
相手の出方次第で柔軟に対応を微調整していくタイプじゃないかな。
彼は人と人とのコミュニケーションのあり方について言及することが多いですけど、
演技についても自然に敏感に、反応してるんじゃないでしょうか。
元々の資質と長年人の目に晒され続けた経験もプラスに作用しているのかもです。
南極ちゃんwでもはっとするような受けの技を目撃できるといいですね。