originality,revolutionary,timeless
2011年2月16日 TV コメント (2)石岡瑛子さんの名前を知ったのは沢田研二の『水の皮膚』という写真集だったと思う。
それからPARCOの一連の広告写真。
力強く、一種独特の性を越えた<人間>の強烈な存在感。
いくつかの映像は今でも頭の中にくっきり焼きついている。
『プロフェッショナル』で彼女の特集を見ました。
私の記憶にある80年代、石岡さんは主に広告のアートワークの世界で輝いていた。
しかしあらゆる意味で<型破りな女>であった彼女に日本は狭すぎたようだ。
日本を離れ、NYで黒沢映画に出会い、40代にして映画の世界に飛び込む。
ブロードウェイ史上最高の54億円をかけたミュージカル『スパイダーマン』。
物語の性質上、非常に重要な衣装デザインを任された彼女の仕事ぶりを、ピタリと張り付いたカメラが追っていく。
真っ白なアトリエ兼プライベートルーム。
真っ黒いシンプルな服、髪をすっぽり覆ったカラフルなシルクのスカーフ。
真っ白な紙に愛用の色鉛筆でデッサンし、色を乗せ、アイデアを形にする。
「(描いてるうちに)イマジネーションが固まっていくの。」
線が現れ、繋がり、形が浮き上がって色彩が見えてくる。
Originality=独創的
Revolutionary=革新的
Timeless=時代を超える
紙のデザイン画から衣装を制作する工程は、アウトラインを作っては手探りで微調整する
果てのない繰り返しだった。
「1ミリが世界を変える。」
時には舞台監督や、予算担当者と衝突しながら話し合い、説得する。
アーティストとしての直感と実体化するための交渉力。
どちらが欠けても実現できない。
物腰は柔らかだが、言葉は鋭い。
けれど傲慢さは全くない。
自分の中のイマジネーションは絶対的に美しい。
それを忠実に描き、組み立て、動かし空間を支配し、見る人たちに届けたい。
ただその衝動だけが71歳の彼女の背中を押し続ける。
小柄な体のどこから圧倒的なエネルギーが湧き上がってくるのだろう?
「本物を作っていけば、時代を超えて評価し続けられると思う。」
極シンプルで当たり前の言葉だった。
・・・当たり前と思ったのは私が、裏に累々と積み重ねられたものを、真の意味では
実感しえない場所に居るからだろう。
番組の中で紹介されていた『ドラキュラ』。
公開当時の映画のパンフレットだったか、雑誌のインタビューだったか。
彼女はゲイリー・オールドマンのセンス、俳優としてのプロフェッショナルぶりを絶賛しつつ、
共演のウィノナ・ライダーをかなり手厳しく批判していた。
プロとしての自覚がない、美しいものへの理解が浅すぎる、確かそういう内容だったと思う。
えらく手厳しいんだなとちょっと驚いたが、数年後その意味を理解する出来事(スキャンダル)があった。
アーティスト、有能な人、勇気ある女性。
どれもが石岡さんそのもので、どれかひとつには決められない。
その姿は、眩しくてとても美しかった。
それからPARCOの一連の広告写真。
力強く、一種独特の性を越えた<人間>の強烈な存在感。
いくつかの映像は今でも頭の中にくっきり焼きついている。
『プロフェッショナル』で彼女の特集を見ました。
私の記憶にある80年代、石岡さんは主に広告のアートワークの世界で輝いていた。
しかしあらゆる意味で<型破りな女>であった彼女に日本は狭すぎたようだ。
日本を離れ、NYで黒沢映画に出会い、40代にして映画の世界に飛び込む。
ブロードウェイ史上最高の54億円をかけたミュージカル『スパイダーマン』。
物語の性質上、非常に重要な衣装デザインを任された彼女の仕事ぶりを、ピタリと張り付いたカメラが追っていく。
真っ白なアトリエ兼プライベートルーム。
真っ黒いシンプルな服、髪をすっぽり覆ったカラフルなシルクのスカーフ。
真っ白な紙に愛用の色鉛筆でデッサンし、色を乗せ、アイデアを形にする。
「(描いてるうちに)イマジネーションが固まっていくの。」
線が現れ、繋がり、形が浮き上がって色彩が見えてくる。
Originality=独創的
Revolutionary=革新的
Timeless=時代を超える
紙のデザイン画から衣装を制作する工程は、アウトラインを作っては手探りで微調整する
果てのない繰り返しだった。
「1ミリが世界を変える。」
時には舞台監督や、予算担当者と衝突しながら話し合い、説得する。
アーティストとしての直感と実体化するための交渉力。
どちらが欠けても実現できない。
物腰は柔らかだが、言葉は鋭い。
けれど傲慢さは全くない。
自分の中のイマジネーションは絶対的に美しい。
それを忠実に描き、組み立て、動かし空間を支配し、見る人たちに届けたい。
ただその衝動だけが71歳の彼女の背中を押し続ける。
小柄な体のどこから圧倒的なエネルギーが湧き上がってくるのだろう?
「本物を作っていけば、時代を超えて評価し続けられると思う。」
極シンプルで当たり前の言葉だった。
・・・当たり前と思ったのは私が、裏に累々と積み重ねられたものを、真の意味では
実感しえない場所に居るからだろう。
番組の中で紹介されていた『ドラキュラ』。
公開当時の映画のパンフレットだったか、雑誌のインタビューだったか。
彼女はゲイリー・オールドマンのセンス、俳優としてのプロフェッショナルぶりを絶賛しつつ、
共演のウィノナ・ライダーをかなり手厳しく批判していた。
プロとしての自覚がない、美しいものへの理解が浅すぎる、確かそういう内容だったと思う。
えらく手厳しいんだなとちょっと驚いたが、数年後その意味を理解する出来事(スキャンダル)があった。
アーティスト、有能な人、勇気ある女性。
どれもが石岡さんそのもので、どれかひとつには決められない。
その姿は、眩しくてとても美しかった。
コメント
「プロフェッショナル」再放送で見ようと思っていたのに忘れた…ショック
BSは絶対見よう
「ザ・セル」彼女のデザインの衣裳を見るために行きました
彼女の色使いが好きです。
>>紙のデザイン画から衣装を制作する工程は、
アウトラインを作っては手探りで微調整する
果てのない繰り返しだった。
「1ミリが世界を変える。」
時には舞台監督や、予算担当者と衝突しながら話し合い、説得する。
香川さんに語ったという「木村メソッド」にも通じるなと思いました。
ちょっと木村脳すぎますか…。
『プロフェッショナル』はきっとMAYUKOさまお好きだとおもいます。
超オススメ!
>香川さんに語ったという「木村メソッド」にも通じるなと思いました。
そういえば・・・!
実は他にもちょこちょこ「似てるかも。」なとこがあったのです。
仕事への姿勢だとか、方法論だとか。
石岡さんも、語らないんです。
「理屈じゃないのよ。」って。
仕事を見てよ、それが全てだから。・・・なところも似ていると思いました。
自分の中に確固たるイメージが描ける人の表現には力がありますよね。