やっと見れた~!
数ヶ月前にレンタルしてきたDVDが我が家のAQUOSと相性悪くて断念。
2度目の挑戦でようやく見ました。

フェリーニ+オールザット・ジャズ。

時は1965年、イタリア。
映画が撮れないスランプの映画監督とその妻・愛人・ミューズ・娼婦。
そして全ての女の根源たる母(イタリア人なのでマンマですが)。
男と女の愛と嫉妬と憎しみが錯綜する豪華絢爛ミュージカル。
舞台はイタリア、でもハリウッド製(笑)

いや、今このクォリティのモノを作ろうとしたらハリウッド以外ないんでしょうねたぶん。
それを嫌というほど見せ付けられたのが、俳優・女優さんの層の厚さ。
ミュージカルなので群舞シーンが満載なのですが、歌って踊れて美人でプロポーション抜群、
運動神経、表現力抜群の人がこんなにいるのか・・・・・・・・・・・・。
セット・衣装のセンスのよさ、お金のかけ方、クォリティ。
全てにおいて

どうよ!?

と、まぁこちらはポカーーーーーンと口をあけて見とれるだけでした・・・。

でも個人的な好みでいうと、パーフェクト・ビューティーな文字通り<ミューズ>のニコール・キッドマンや、おバカで一途でエロくてカワイイ愛人役のペネロペ・クルスより、おフランスな匂いのするマリオン・コティアールや、やっぱり大女優は死ぬまで大女優なのね!!!と再確認させてくれたソフィア・ローレンが好みです。
で、一番惹かれたのが、9歳のグィドに「青い体験」をもたらした<呪われた女>こと海辺の娼婦役の女優さんでした。
ああいう挑発的ではすっぱで、蔑まれながらも堂々と生きる女のイメージって大好き。
どっかでみたなこの人・・・・と思ってたらBEPのファーギーでした(笑)

そして、マザコンで嘘吐きでいい加減で、誰にでも優しいけど誰一人心から愛せない
しょうもないダメダメ男=監督の、ダニエル・デイ・ルイスのセクシーなこと!!
素敵すぎる・・・・・・・・。
すっと通った鼻筋、知的な目、素敵な声。
いかにも繊細そうな美しい手指の造形、寝そべったときパンツの裾から見える黒い靴下に包まれた足首のパーフェクトな細さ。
特に後姿がとても美しかった。
夜。
柔かいオレンジがかった街灯に照らされたイタリアの石畳の路地を、毛皮を羽織った文字通り女神(ミューズ)のようなニコール・キッドマン演じる女優の後を追って
小走りに駆けていくときの足の動き、肩の揺れ具合、そのリズム感。
昔っから細くて手足の長いモデル体型の人でしたが、年齢を重ねた今、少し疲れた感じが程よい渋みとなって、こう、見ていてキュンとなってしまいました(笑)
や、今の彼のほうが全然素敵だと思います。←筋金入りのオサーン趣味。
ああいう雰囲気って、ん~・・・ヨーロッパの俳優さんならではじゃーないかなと。
(すいません、偏見ですw)
それと、彼は若いときより断然可愛げのある男になったなぁと思いました。
まぁこれは役柄にもよるのかもしれませんが・・・。
昔の彼はどっかトゲトゲしく危なっかしくって、うっかり触れるとスパッと切れそうな、
そんな雰囲気が漂ってました。
とても繊細そうだし、頭で考えるより直感的に<役の人>になってしまう感じだから、
時には心の中の暗い淵を覗き込むような体験があったのでは。
それを乗り越えて余計な気負いが取れ、年齢を重ねた分、柔かさが出てるよな~と。
まさに今の年齢の彼だからこそグィドを演じきれたのではないだろうか。

「NINE」ってタイトルはフェリーニの「81/2」からきてるんですね。
これはもう、「81/2」を見なければ!!!!

唯一つ物足りない点を上げるとすると、あまりにもカンペキにつくりこんだ映像美は、
隅々までくっきりはっきりピントが合いまくりすぎていて・・・。
なんといいますか、ヨーロッパ映画的な「退廃美」の匂いが薄い。
ほんと、語感の違いだけなんですけど、エロティックでなくセクシーな感じというか。
光と影の、どちらの色も強すぎて曖昧さに欠ける。
健康的ではありますけど・・・。
その意味においてもやはりこの作品はハリウッド的。

なんじゃないか、なーと。

コメント

MAYUKO
2011年2月28日23:49

HT様 こんばんは
日記にのっかってしまってごめんなさい

私DVD買おうと思っていたんですけど…まだ買っていなくて…
さっきからまたYOU TUBEで「BE ITALIAN」とか…見まくってます。

HT
2011年3月1日0:14

MAYUKOさまこんばんは!

なぁにをおっしゃいますやら。
私はMAYUKOさまの「NINE」感想を読んで、「こりゃー見なくちゃだわ!」と心に決め、このほどようやく念願かなった次第です。
ええと、私の見てるDVDや映画の履歴でなーんとなく好みをお察しかと思いますが、
あまりミュージカルとか見るほうじゃなかったのです。
名作といわれる数も膨大で(笑)どこから見ていいかわからなくて。
なので、MAYUKOさまの映画感想は参考にさせていただいております。
思うに、「NINE」のような作品て映画本来の魅力が満載だなーと。
贅沢でファンタジックで皆が美しくて、笑いと涙と幸せと悲しみと、人間の感情が2時間弱の尺に全部詰まっていて。
すごく大事なことですよね、それって。