梅と桜とあわせてみれば・・・(追記しました)
梅と桜とあわせてみれば・・・(追記しました)
梅と桜とあわせてみれば・・・(追記しました)
・・・というわらべうたがありました。
でも実際には開花時期が違うからあわせることはできませんが。

調布市にある神代植物園に行きました。
梅の花の盛り。
まだ肌寒いけど2月の底冷えする感じとは明らかに違う。
空は真っ青。雲ひとつなく、芝生の上に座って見上げると、
遥か上空に交差する白い飛行機。

梅園に近づくと風にのって仄かな香りが流れてきました。
すっきりとほんのり甘い、白と桃色と紅色の梅林。
たくさんの人が花を眺め、記念写真を撮ったりしています。

梅の樹は桜より小ぶりでも、樹皮はひび割れや瘤ができたり灰緑色の苔を生やしたり、
生きてきた年月の長さを想像させます。
写真上は「紅千鳥」という名前。
小さな花がたくさん咲いた様は、千鳥模様に似ているかも。
粋な名前ですね。

梅も桜もバラ科の花。
桜のような華やかさはありませんが、桜よりも香り立つ。
花の色や形によって匂いもそれぞれ個性がある辺り、バラに似ています。
梅の香りはどこかすっと背筋が伸びるような清々しさと優しい甘さがあって、
控えめで綺麗な女性のイメージ。

梅園には蝋梅が咲いた一角がありました。(写真下)
蝋梅は梅の名がついていますが、実は梅ではなくバラ科でもない、
ロウバイ科に属する花です。
僅かに緑がかったくすんだ黄色で、ぽつぽつと俯き加減に咲く。
花弁は名前の通り蝋細工のような質感で、日に透けるとすりガラスのようにも見え、
その繊細な美しさにはっとします。
一見地味な花ですが、香りのほうは梅よりも遥かに強く、人を惹き付ける気がします。
ジャスミンのような艶やかさと華やかさの奥に蜂蜜の甘さが潜んでいて、
見かけによらずとても色っぽい匂いがします。

昔大叔母が茶道の先生をしていたころ、今の季節にお座敷へ入ると、
よく蝋梅が飾られていました。
鉄瓶のしゅうしゅう湧きたつ音、炭が燃えてぱちぱちはぜる音。
濃厚な抹茶の匂い、香炉で炊かれる白檀の香り、暖かい感じのする炭を燃やす匂い。
それらが渾然一体となった中に、ふっと芳しい蝋梅の香り。

なので未だにこの色っぽい香りを嗅ぐと、懐かしい感じがするのです。

コメント