TARO

2011年3月7日 TV
録画見ました。
いや~・・・面白い。

やっぱりね、自分も息子がいるので、半分くらいソッチの目で見てしまいました。

かの子の怖いくらいの純真さが必然的に残酷な激しさを産み、
魔王の如くわが子を支配していく様子。
「あなたの評価はあなたが決めるの!」と言い募りつつ、
言葉とイメージの魔力で自分を内側からコントロールする母を、愛しながら恐れる息子。

バタイユの「キミを支配しているものを殺せ。」という言葉は(精神的な)母殺しの示唆であり、
そのバタイユが主催した儀式で一度は母に自らの血を差し出した彼が、
「太郎を思い出すたびに頭が痛くなる」と呟く母を、遠隔操作で亡き者にした。
・・・ように見えました。
で、一度セーヌの流れに身を投げた彼が浮上した水面で見た朝日。
まさにこの瞬間彼は自らを<産みなおした>のかもしれませんね。

いかん。
また妄想と勝手な解釈ですんません。


1960年代の<若い>頃の日本の熱気。
丹下健三役のコヒさん、素敵(人´∀`).☆.。.:*・゚
大好きだわぁ。

可能性に気付かなくなったときは自分の可能性もなくなる。
芸術は建築の中にしかないと思っていた。

立場や主張は違えど、彼と岡本太郎は根底の部分を共有する人なんだな、と。

もうひとつ面白いな~と思ったのが、太郎が<食べる>という言葉をよく口にすること。
「今度はお母さんがお父さんを食べる番です。」
「やっぱり僕(岡本)はキミ(丹下)に食べられたんだよ。」
その表現の野蛮な直截さと素朴な的確さ。
本質を突いた表現だなと。

正直ところどころトゥーマッチな演出はあるものの(笑)まぁご愛嬌。
脚本がとにかく鋭くていいな~・・・と思ってたら大森さんだったのね。

しかしかの子が死んだのは返す返す残念であります・・・。

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