キネ旬の最新刊が出てました。

香川さんのページを探す。
前回、北海道での撮影中、氷の上で大きな揺れを体験した生々しい描写に加え、
俳優さんというお仕事とご自分の立場への無力感や焦燥感が強く感じられ、
なんとなく引っかかっていたのです。
今号の目次に「日本魅録」の文字はありませんでした。
ページをめくった編集後記のそのまた後ろのお知らせページ。
香川さんのメッセージがありました。
震災後の撮影の困難やそれに伴う諸々を原稿にしたけれども、熟慮の末、
テーマに相応しくないと今号はお休みになさったそうです。
来号にはまた復活されると。

先号の香川さんの文章は何か読んでいてとても痛々しい気がしました。
俳優ってなんだろう?世の中の何の役にたつんだろう?
素朴な、でもひとが働くことの意味そのものを問いかけるような。

映像や音楽、絵画など表現に関るお仕事にはすばらしい力があると思う。
ひとの心の中にあるもの、抽象的すぎたり大きすぎて・あるいは小さすぎて、
上手く捉えることのできない感覚や感情や思考を、目・耳・時には手触りで
感じることの出来る形にして、求めている誰かに届けることができるから。
反面、その作業は真剣に取組んでいる方々にしてみれば、自分の内面を深く覗き込み、
的確な表現を吐き出すためのある種の苦しみをも伴うのかもしれません。
その生々しい現場でシビアな出来事に遭遇したときの精神的衝撃。
恐らく同じ現場に居た方々は皆、同じような感覚・感情を味わったかもしれません。
心の不安や動揺を抱えながらの過酷な撮影。
尋常でなく消耗しても不思議ではない・・・。

困難の中UPしたロケ。
10月、自分はドラマをどんな気持ちで見るんだろう。

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