松本日帰り旅行の続き。
松本市美術館には草間彌生の常設展があります。
これを体験するのも今回の日帰り旅行の目的の一つ。
海外でメジャーな日本人アーティストの一人である草間さん。
印刷物では結構作品を知ってました。
今から20年くらい前かな?
フジTVがお台場に移転する以前、お膝元の
曙橋のギャラリーで一度体験しました。
その作品は<見る>より<体験する>感じ。
松本美術館のエントランスの巨大な花のオブジェ。
(5/1の日記のフォト参照)
巨大な触手生物のような花。
見る人を飲み込み・取り込もうとする意志を感じます。
でも、ここが大切なんですけど、どことなくユーモラスなんです。
異形のクリーチャーですが、威圧的ではない。
次に建物の入り口に行くと、赤白ドットに侵食された
コカ・コーラの自動販売機とゴミ箱、ベンチ。(写真1)
一番上の段だけ、草間彌生仕様のコカ・コーラ缶。(写真2)
すっごく欲しかったんですけど・・・非売品でした(´д`;)ガッカリ↓
中に入った正面の受付脇。
2×2.5mはあろうかというドット模様の巨大かぼちゃ。
・・・既に気分は草間彌生ワールド(写真3)
写真OKはここまで。
展示室に入るといきなりパーテーションで区切られた7-8mの細長い空間。
両側は蛍光ピンクの水玉が隙間なくびっしり描かれ正面には黄色×黒の水玉かぼちゃ。
『星の墓場で眠りたい』
来訪者は初っ端から草間ワールドへ引っ張り込まれます。
そこから先、3つの区切られた空間を支配するのは、
パラノイアックなモティーフである大小の水玉と、
巧みに配された鏡による永遠の反射作用で無限に増殖する<自分の姿>。
鏡の反射で迷路に入り込んだ気分で何気なく角を曲がると誰かが自分を見ている。
どきっとしてよく見ると、それが鏡に映った自分だったりする。
自己と他者との境が曖昧になった中で、誰のとも知れぬ<視線>だけが感じられる。
いつのまにか草間彌生の内面世界に取り込まれた自分。
4つの部屋を抜けると、次の部屋には彼女の絵画を集めた部屋に入りました。
全ては抽象化され単純化され、水玉と網目と色彩に還元された作品たち。
一番印象的だったのは、ここの常設展のタイトルにもなっている
『魂の置きどころ』という作品です。
果物カゴを思わせる囲いの中に、紙を切り抜いて作った変形楕円がいくつか置かれている。
近寄ってみるとドットや脳ミソのような皺もようが薄く描かれています。
ただの石にしか見えないそれらをじーっと眺めていると、
話し声が聞こえてくるみたいでした。
ドアの締まった部屋の中。
しーんと静かな白昼にどこか遠くから聞こえてくるささやき声。
耳を澄ませてみても、何を喋っているのかわからないような・・・
そんな作品でした。
草間彌生は幼少の頃から物体の周囲にオーラが見えたり、
人の顔に無数の水玉が見えたりしたそうです。
それらをモチーフに絵を描きはじめ、当時の日本では受け入れられなかったけれど、
アメリカで話題になり、一躍注目の的に。
屋外で全裸の男女にペインティングしたり、オージー・パーティを開いたり、
スキャンダラスなパフォーマンスが話題の中心になったこともあって、
誤解されやすい存在だったようです。
でも私が体験した彼女の作品は、自分の特異な感覚を
普遍的なものに昇華させようとする意思と、緻密な計算と、
もの凄い精神的エネルギーに満ち溢れていて、
むき出しの手で胸の奥をぐいっと掴まれたような感じがしました。
「もし芸術で表現しなければ、自分の強迫観念にとっくに飲み込まれていただろう」
ぎりぎりのところで踏みとどまって自己表現のために戦っている彼女が、
ものすごく素敵に思えました。
松本市美術館には草間彌生の常設展があります。
これを体験するのも今回の日帰り旅行の目的の一つ。
海外でメジャーな日本人アーティストの一人である草間さん。
印刷物では結構作品を知ってました。
今から20年くらい前かな?
フジTVがお台場に移転する以前、お膝元の
曙橋のギャラリーで一度体験しました。
その作品は<見る>より<体験する>感じ。
松本美術館のエントランスの巨大な花のオブジェ。
(5/1の日記のフォト参照)
巨大な触手生物のような花。
見る人を飲み込み・取り込もうとする意志を感じます。
でも、ここが大切なんですけど、どことなくユーモラスなんです。
異形のクリーチャーですが、威圧的ではない。
次に建物の入り口に行くと、赤白ドットに侵食された
コカ・コーラの自動販売機とゴミ箱、ベンチ。(写真1)
一番上の段だけ、草間彌生仕様のコカ・コーラ缶。(写真2)
すっごく欲しかったんですけど・・・非売品でした(´д`;)ガッカリ↓
中に入った正面の受付脇。
2×2.5mはあろうかというドット模様の巨大かぼちゃ。
・・・既に気分は草間彌生ワールド(写真3)
写真OKはここまで。
展示室に入るといきなりパーテーションで区切られた7-8mの細長い空間。
両側は蛍光ピンクの水玉が隙間なくびっしり描かれ正面には黄色×黒の水玉かぼちゃ。
『星の墓場で眠りたい』
来訪者は初っ端から草間ワールドへ引っ張り込まれます。
そこから先、3つの区切られた空間を支配するのは、
パラノイアックなモティーフである大小の水玉と、
巧みに配された鏡による永遠の反射作用で無限に増殖する<自分の姿>。
鏡の反射で迷路に入り込んだ気分で何気なく角を曲がると誰かが自分を見ている。
どきっとしてよく見ると、それが鏡に映った自分だったりする。
自己と他者との境が曖昧になった中で、誰のとも知れぬ<視線>だけが感じられる。
いつのまにか草間彌生の内面世界に取り込まれた自分。
4つの部屋を抜けると、次の部屋には彼女の絵画を集めた部屋に入りました。
全ては抽象化され単純化され、水玉と網目と色彩に還元された作品たち。
一番印象的だったのは、ここの常設展のタイトルにもなっている
『魂の置きどころ』という作品です。
果物カゴを思わせる囲いの中に、紙を切り抜いて作った変形楕円がいくつか置かれている。
近寄ってみるとドットや脳ミソのような皺もようが薄く描かれています。
ただの石にしか見えないそれらをじーっと眺めていると、
話し声が聞こえてくるみたいでした。
ドアの締まった部屋の中。
しーんと静かな白昼にどこか遠くから聞こえてくるささやき声。
耳を澄ませてみても、何を喋っているのかわからないような・・・
そんな作品でした。
草間彌生は幼少の頃から物体の周囲にオーラが見えたり、
人の顔に無数の水玉が見えたりしたそうです。
それらをモチーフに絵を描きはじめ、当時の日本では受け入れられなかったけれど、
アメリカで話題になり、一躍注目の的に。
屋外で全裸の男女にペインティングしたり、オージー・パーティを開いたり、
スキャンダラスなパフォーマンスが話題の中心になったこともあって、
誤解されやすい存在だったようです。
でも私が体験した彼女の作品は、自分の特異な感覚を
普遍的なものに昇華させようとする意思と、緻密な計算と、
もの凄い精神的エネルギーに満ち溢れていて、
むき出しの手で胸の奥をぐいっと掴まれたような感じがしました。
「もし芸術で表現しなければ、自分の強迫観念にとっくに飲み込まれていただろう」
ぎりぎりのところで踏みとどまって自己表現のために戦っている彼女が、
ものすごく素敵に思えました。
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