雑誌にしては高い。1800円ですよ。
でも価格に見合うボリュームと視点の面白さ。

「フランス」とか「パリ」という文字に過剰に反応してしまうのは
自分の年代の特徴かも。
ファッション、映画、音楽、写真。自分のヲタク趣味の対象である香水。
大きな<アート>の括りでこの国は常に憧れの対象でありました
(←過去形かよw)

で、コレを読んで久々にその憧れが再燃しそうです。

所謂「オシャレなパリ/フレンチ案内」ではありません。
あそこに行けばこんなものが見れて、食べられて、買い物できて・・・という
マニュアル的な雑誌ではなく、
さまざまな顔をもつこの国を、個人的視点から掘り下げたレポートの集積といいますか。
もちろんフランス=恋愛大国という定番的視点もきっちり押さえつつ、
文化、風俗、歴史から斬り込んで、<フランス人>という人々の横顔のアウトラインを
浮かび上がらせる構成となっています。

・・・それにしてもフランス人てやっぱ大人やな~。←憧れ再燃。

写真もいいです。
上質紙なので微妙な色彩が生きていて、オマケにレイアウトもよい。
たくさん文字がありすぎて、蒸暑いのにいちいち読んでられんわ!!!!
と思って写真だけ見てても楽しいです。

「原発大国フランス」というもう一つの素顔にもきっちり言及していて、
フランス人と原発とのつきあい方の徹底ぶりのさわりを知るだけでも、
わが国の原発政策には何が足りないのか考えてみるきっかけになる。
先日風のように来日したジェーン・バーキンについてもちゃんと言及してくれてるし。

A Scent of Franceというタイトルの美しいフォトエッセイ。
かつてはフランス占領下にあったベトナム、サイゴン(現ホーチミン市)。
曽祖父が実はフランス人だったと知った21歳のベトナム人女性:リンの視線から描かれた、
<アジアに漂うフランスの残り香>の架空の物語。
今のサイゴン市のエキゾティックな写真とあいまってひと時暑さをわすれました。

コメント