フィリップス・コレクション@国立新美術館
2011年11月2日 日常 コメント (2)
六本木にある国立新美術館に行きました。
写真1.はエントランスの構造物。
金属とコンクリートとガラスでできた超モダンな建築。
画面が暗くて解りにくいのですが、
左奥の逆円錐形のコンクリートの構造物は、
3Fまで吹き抜けで、右手にある展示室から
空中にかかる橋のような通路で繋がって、
上部は円形のカフェになってます。
写真2.は外観。
水面の漣のようです。
ガラスとブルーのプラスティックでできています。
表面が波打つようなカーブを描く凝ったデザイン。
「モダン・アート、アメリカン」
http://american2011.jp/
アメリカのアートというと、ウォーホルやリキテンシュタイン、ホックニーなど
1960年代以降のポップ・アートのイメージが強い。
それ以前の19世紀末~1960年初め頃までの、黎明期の写実主義から印象派、
抽象、そしてのちのポップ・アートへと繋がっていく変遷を、
時間軸に沿って鑑賞できました。
最初はヨーロッパの芸術運動の影響が色濃く出てるんですよ。
印象派時代の色使いや題材はとってもモネっぽかったし。
キュビズムの時代もピカソっぽかったりするんですが、時代が進むにつれ、
どんどんアメリカらしさが前面に出てくる。
マンハッタンのビル群の遠景や、コンクリートとガラスで構成された町並みを
モダンな色彩で抽象的に表現した作品なんて、ジャズのリズムが聞こえてきそうでした。
第一次大戦後、高度に都市化・工業化されていくアメリカの風景。
最初はヨーロッパ文化の後追いからはじまったアートが、産業の発展とともに
様々な人種・文化を取り込んで、多種多様な表現を獲得していく。
個人的にはアフリカ系やメキシコ系の画家の力強さとナイーブさに惹かれます。
迷いがないんですよね。
自分の好きなもの・描きたい情熱がストレートに感じられて。
その辺り、思考と模索の海に深く沈みこむようなヨーロッパのアートとは一味違う。
やはりオキーフの作品が好き。
『葉のかたち』
http://american2011.jp/highlight.html
裂け目のある赤いカエデの葉を描いた作品。
ギリギリまで対象に近づいて隅々まで目で味わい、質感を確かめ、自分の中に一度取込んで、そのエッセンスだけを抽出して、必要最小限の形で絵に描く。
そこに走る一本の裂け目。
ただ<在るもの>として描かれた一枚の葉に、見る人の様々な思考や感情を呼び覚ます力がある。
ここに画像はありませんが、『私の小屋』と題された、暗い茶色の小屋を描いた作品もすごくひきつけられました。
その前に立って眺めていると、自分がその風景に引き込まれるような気分になるんですよね。
どこぞのアメリカの山奥の、淋しい野原みたいな風景なんですが。
それから、ヘレン・フランケンサーラー『キャニオン』。
色と形の絶対的な美しさ。
気まぐれに色を塗っただけにも見えるのですが、この濃淡やにじみの美しさは格別。
実物を見ると、タイトル通りこれは雄大なグランド・キャニオンの眺めを
最も効果的だと画家が思うやり方でキャンバスに再現したんだなとわかります。
PCのブラウザとは全く印象の変わる作品。
その大きさと絶妙な質感に圧倒されました。
実物の説得力は全然違う。
写真1.はエントランスの構造物。
金属とコンクリートとガラスでできた超モダンな建築。
画面が暗くて解りにくいのですが、
左奥の逆円錐形のコンクリートの構造物は、
3Fまで吹き抜けで、右手にある展示室から
空中にかかる橋のような通路で繋がって、
上部は円形のカフェになってます。
写真2.は外観。
水面の漣のようです。
ガラスとブルーのプラスティックでできています。
表面が波打つようなカーブを描く凝ったデザイン。
「モダン・アート、アメリカン」
http://american2011.jp/
アメリカのアートというと、ウォーホルやリキテンシュタイン、ホックニーなど
1960年代以降のポップ・アートのイメージが強い。
それ以前の19世紀末~1960年初め頃までの、黎明期の写実主義から印象派、
抽象、そしてのちのポップ・アートへと繋がっていく変遷を、
時間軸に沿って鑑賞できました。
最初はヨーロッパの芸術運動の影響が色濃く出てるんですよ。
印象派時代の色使いや題材はとってもモネっぽかったし。
キュビズムの時代もピカソっぽかったりするんですが、時代が進むにつれ、
どんどんアメリカらしさが前面に出てくる。
マンハッタンのビル群の遠景や、コンクリートとガラスで構成された町並みを
モダンな色彩で抽象的に表現した作品なんて、ジャズのリズムが聞こえてきそうでした。
第一次大戦後、高度に都市化・工業化されていくアメリカの風景。
最初はヨーロッパ文化の後追いからはじまったアートが、産業の発展とともに
様々な人種・文化を取り込んで、多種多様な表現を獲得していく。
個人的にはアフリカ系やメキシコ系の画家の力強さとナイーブさに惹かれます。
迷いがないんですよね。
自分の好きなもの・描きたい情熱がストレートに感じられて。
その辺り、思考と模索の海に深く沈みこむようなヨーロッパのアートとは一味違う。
やはりオキーフの作品が好き。
『葉のかたち』
http://american2011.jp/highlight.html
裂け目のある赤いカエデの葉を描いた作品。
ギリギリまで対象に近づいて隅々まで目で味わい、質感を確かめ、自分の中に一度取込んで、そのエッセンスだけを抽出して、必要最小限の形で絵に描く。
そこに走る一本の裂け目。
ただ<在るもの>として描かれた一枚の葉に、見る人の様々な思考や感情を呼び覚ます力がある。
ここに画像はありませんが、『私の小屋』と題された、暗い茶色の小屋を描いた作品もすごくひきつけられました。
その前に立って眺めていると、自分がその風景に引き込まれるような気分になるんですよね。
どこぞのアメリカの山奥の、淋しい野原みたいな風景なんですが。
それから、ヘレン・フランケンサーラー『キャニオン』。
色と形の絶対的な美しさ。
気まぐれに色を塗っただけにも見えるのですが、この濃淡やにじみの美しさは格別。
実物を見ると、タイトル通りこれは雄大なグランド・キャニオンの眺めを
最も効果的だと画家が思うやり方でキャンバスに再現したんだなとわかります。
PCのブラウザとは全く印象の変わる作品。
その大きさと絶妙な質感に圧倒されました。
実物の説得力は全然違う。
コメント
私も美術館は好きで時々行きます。
先日は新宿の東郷青児美術館にモーリス・ドニ展を観に行ってきました。
横浜美術館にもヨコハマトリエンナーレ2011目的に行ってみましたが、チケット売り場が超長蛇の列で挫折。。
こういう場所はとても落ち着きますね。日常を忘れさせてくれます。
Yath
新国立美術館は建造物だけでも一見の価値ありですよ。
六本木駅から近いですし。
表通りはすっかり超モダンなビル群に埋め尽くされていますが、
新美術館から六本木駅までの裏道には、昔の六本木の路地裏の雰囲気が残っていて、
昭和の匂いの廃屋の向こうに巨大な森タワー(笑)が聳える眺めはなかなかにシュールです。
「モダン・アート、アメリカン」はこじんまりまとまってるので、全体像が掴み易くオススメです。
横浜美術館、駅から辿りつくまで大変ですよね・・・あの距離を移動して
入れなかったなんて・・・(つД`)・゜・
ひと月前よりさらに混雑してるのでしょうか。
展示会場も二つに分かれてるので、一日がかりですよー。
>こういう場所はとても落ち着きますね。日常を忘れさせてくれます。
わかります。
日常を離れて、いろんな角度からモノを見るきっかけになるのが、美術館のいいとこだと思います。
もうあと20日あまりですが、お時間の許す限り、東京のオイシイトコロをたくさん回れるといいですね・・・。