南極#7.ですごく考えさせられたのは白崎の終始一貫した姿勢だった。
刻々と悪化する状況。苛立つ隊員たち。
そして意図せずとはいえ犬を遺棄し、自分を責め続ける倉持への接し方。
本当は白崎もめちゃくちゃ不安で苛立って焦燥感に苛まれていただろうに、
彼は最後の瞬間まで希望を捨てず、たとえそれがほとんど不可能であっても
隊員たちを絶望させまいと凛と背筋を伸ばしていた。
その裏で、ほんの10年前までは敵国であったアメリカの砕氷船の船長に土下座する屈辱を
決して表には出さない。
天候悪化による上陸断念。
その辛い決断を下し、隊員たちの無念さや哀しみや後悔を一心に背負う姿は
素晴しかったと思う。
あの立ち姿があったからこそ、ずっと感情を押し殺していた倉持が、毒薬の小瓶を持ち、
思いつめた表情で泣き崩れるシーンがより見ごたえを増したといいますか...。
あのシーンから船首で泣き崩れるまでの倉持は、到底お芝居とは思えなかった。
や、お芝居は架空のシチュエーションでかりそめの感情を表現する行為ではあるけれど、
星野にガッシリ抱かれ子供のようにひたすら泣きじゃくる表情も、泣き崩れた体の動きも
作り物とは思えない。
犬塚はじめ他の隊員が犬の境遇を心配する言葉を口にするのと対照的に
倉持はほとんど喋らない。にも関らず、その目の暗さやちょっとした表情の変化で
見ている側は彼の心情を手に取るように察することができた。
人間、本当に辛いときにはわざわざ口にしないものではないだろうか?
通常、お芝居特にTVにおいてはそこを言葉や分り易い仕草や表情で伝える方法を
選び勝ちと思うが、それらを敢て手放した上でのキムラの表現は素晴しかったと思う。
...首輪を締めなおすシーンが何度も出てきたのは余計な演出だったけれど。
ただ今回も「はぁ?」となっちゃう部分があったのは本当に残念。
私が気になったのは氷室のシーン。
船首で語り合う内海と倉持の後ろで立ち聞きしてたり、第ニ次越冬隊長と隊員の会話を
タイミングよく立ち聞きして、説得にかかったりとあまりにもご都合主義。
白崎から「再上陸断念」が伝えられるシーンで、いきり立ってくってかかっていたが、
彼は政府のいわばお目付け役として動いていたのだから、白崎の心情をかなり深い処まで
察していたはず。
氷室らしくない。
また、それまでの彼からは、第二次越冬隊や政府への不信感や怒りは感じたけれど、
犬への思いいれはそれほど感じなかったのであまりにも唐突でやや白けた。
続く「じゃ、やっぱり犬たちは...」の台詞は蛇足。
キムラの昭和っぽくない台詞回し同様、今回の氷室のお芝居は完全に浮いてたと思う。
キャラ設定を無視した安易な演出に走る癖がこのドラマのネックじゃないだろうか。
リキの飼い主一家のシーンもあんなに長々やる必要はなかったし。
それと、倉持が名前を呼ぶたびに首輪がちぎれていくっていう流れは
ちょっとマンガっぽい...船首で泣き崩れる→ENDのほうが断然良かったと思う。
と、アレコレ言いたいことがあるのは、すごくいいシーンとそうでないシーンとの
落差が目に付くから。
倉持と白崎の、抑圧した心情が徐々に染み出していくような表現には心を打たれた。
たぶん役者さんのお芝居が素晴しかったからだと思う。
刻々と悪化する状況。苛立つ隊員たち。
そして意図せずとはいえ犬を遺棄し、自分を責め続ける倉持への接し方。
本当は白崎もめちゃくちゃ不安で苛立って焦燥感に苛まれていただろうに、
彼は最後の瞬間まで希望を捨てず、たとえそれがほとんど不可能であっても
隊員たちを絶望させまいと凛と背筋を伸ばしていた。
その裏で、ほんの10年前までは敵国であったアメリカの砕氷船の船長に土下座する屈辱を
決して表には出さない。
天候悪化による上陸断念。
その辛い決断を下し、隊員たちの無念さや哀しみや後悔を一心に背負う姿は
素晴しかったと思う。
あの立ち姿があったからこそ、ずっと感情を押し殺していた倉持が、毒薬の小瓶を持ち、
思いつめた表情で泣き崩れるシーンがより見ごたえを増したといいますか...。
あのシーンから船首で泣き崩れるまでの倉持は、到底お芝居とは思えなかった。
や、お芝居は架空のシチュエーションでかりそめの感情を表現する行為ではあるけれど、
星野にガッシリ抱かれ子供のようにひたすら泣きじゃくる表情も、泣き崩れた体の動きも
作り物とは思えない。
犬塚はじめ他の隊員が犬の境遇を心配する言葉を口にするのと対照的に
倉持はほとんど喋らない。にも関らず、その目の暗さやちょっとした表情の変化で
見ている側は彼の心情を手に取るように察することができた。
人間、本当に辛いときにはわざわざ口にしないものではないだろうか?
通常、お芝居特にTVにおいてはそこを言葉や分り易い仕草や表情で伝える方法を
選び勝ちと思うが、それらを敢て手放した上でのキムラの表現は素晴しかったと思う。
...首輪を締めなおすシーンが何度も出てきたのは余計な演出だったけれど。
ただ今回も「はぁ?」となっちゃう部分があったのは本当に残念。
私が気になったのは氷室のシーン。
船首で語り合う内海と倉持の後ろで立ち聞きしてたり、第ニ次越冬隊長と隊員の会話を
タイミングよく立ち聞きして、説得にかかったりとあまりにもご都合主義。
白崎から「再上陸断念」が伝えられるシーンで、いきり立ってくってかかっていたが、
彼は政府のいわばお目付け役として動いていたのだから、白崎の心情をかなり深い処まで
察していたはず。
氷室らしくない。
また、それまでの彼からは、第二次越冬隊や政府への不信感や怒りは感じたけれど、
犬への思いいれはそれほど感じなかったのであまりにも唐突でやや白けた。
続く「じゃ、やっぱり犬たちは...」の台詞は蛇足。
キムラの昭和っぽくない台詞回し同様、今回の氷室のお芝居は完全に浮いてたと思う。
キャラ設定を無視した安易な演出に走る癖がこのドラマのネックじゃないだろうか。
リキの飼い主一家のシーンもあんなに長々やる必要はなかったし。
それと、倉持が名前を呼ぶたびに首輪がちぎれていくっていう流れは
ちょっとマンガっぽい...船首で泣き崩れる→ENDのほうが断然良かったと思う。
と、アレコレ言いたいことがあるのは、すごくいいシーンとそうでないシーンとの
落差が目に付くから。
倉持と白崎の、抑圧した心情が徐々に染み出していくような表現には心を打たれた。
たぶん役者さんのお芝居が素晴しかったからだと思う。
コメント
ほぼHTさんの書かれていることに同意です。
倉持、白崎、星野・・・本当に素晴らしいのに・・・。
ただ、氷室の犬への不信→信頼→愛情は、
遭難時のエピソードで描かれていたので、
あの感情の爆発はわたし的にはあまり違和感は感じませんでした。
それより最後の、船尾で伸ばした倉持の腕にちょいと鼻白むような。
指差したり、腕を突き出す芝居、これまでもちょくちょくやりますよね。
なので、「俺のアイデア」とか木村さんが言い出しそうで(汗)
とはいえ、本当に本当に倉持の自責と苦しみが胸に迫ります。
大昔、演出家の和田勉が、
哀しいときに哀しい表情をする役者はダメ(意訳)と言っていましたけれど、
倉持の有り様は、全身から鬼気迫るように哀しみが伝わってきて。
はぁ~、辛いですぅぅ。
>船尾で伸ばした倉持の腕にちょいと鼻白むような。
>指差したり、腕を突き出す芝居、これまでもちょくちょくやりますよね。
そうですね~...パッと思いつくのはGLの太陽に向かって手を伸ばすアレ。
確かあの回もジャイさん演出だったような?
ポーズは余計だったと私も思います。
というかあの船尾のシーンそのものが演出過剰だったような(;´∀`)
>「俺のアイデア」とか木村さんが言い出しそうで(汗)
イチ視聴者としてはTV画面で見たものが全てだと思うので、
キムラのアイデアorアドリブ?てのは別にしまして。
出所よりむしろOKを出した監督のセンスがどうだろう?と。
「そのポーズ要らないな。」で済む話じゃないかなー。
>哀しいときに哀しい表情をする役者はダメ(意訳)
端的で核心を突いてますね!
<哀しい>をどう捉えて表現するか、役者の引き出しの中身が問われるってことかな。
やたらUPが多いのが勿体無くて。全身で表現してるのに。
役者さんによっては「顔芸か?」くらいに陳腐に見えてしまったり。
いい役者さん揃えたんだから、全身の表現を捉えていただきたい。
これから8.9話と相当シビアな展開になりそうですね。
辛いですよね...でもキムラヲタとしては楽しみでもあり(笑)←ドSw