両親を交通事故で失い自らも3分間の臨死体験をしたイーノック。
余命宣告を受けた少女アナベル。
惹かれあう二人を見守るいわば守護天使的な存在である特攻隊員の亡霊ヒロシ。
公式サイト→http://www.eien-bokutachi.jp/
監督は『ミルク』のガス・ヴァン・サント。
ファンタジックで少々感傷的ではありますが、見終わったあと心が温かくなるいい映画でした。
まず主役の二人がとっても可愛い。
両親を失い自らも死に直面した体験から、他人の葬式を覗き見するという悪趣味な行為を
やめられないイーノック。
未だ両親の事故死と取り残された自分の立場を許容できない彼は、他人の死に
無責任に介入することで、<死>の正体を見極めようとしているように見える。
一方のアナベルは<死>を客観的にみつめようとするイーノックと関ることで、
自らの死を冷静に受け入れようと努めて明るく振舞っているように見える。
【死】を真ん中に置いて、それから一定の距離を保ちながら、生きている人間として
触合いを求める二人の姿は、ちょっと滑稽でとても悲しい。
個人的にこのテの作品は映画やドラマや漫画や小説でさんざん味わってきたせいか、
たぶん主役二人の切ない恋模様を描いただけだったら、新鮮味は薄かったと思う。
この作品を素晴しく味わい深いものにしているのは、ヒロシの存在だ。
常に特攻隊員の飛行服と飛行帽を被って日の丸の腕章をつけた格好のまま、
すこし悲しげな空気を纏ったヒロシは、亡霊のくせにちっとも怖くない。
イーノックに古風な日本式のお辞儀を教えたり、二人で列車に石を投げつけて遊んだり、
生真面目ながらユーモアのセンスを兼ね備えた彼は、
死を弄ぶゲームにふけるイーノックをやんわり嗜めたり、要所要所で助言を与えたりする。
彼に恋人が出来るとデートにくっついてきて(もちろんアナベルには見えない)、
「彼女、男の子みたいじゃないか。」などとやきもちとも取れる辛口批評をしたりする。
(すごく好きな映画でヴェンダースの『ベルリン天使の詩』っていうのがあるんだけど、
アレに出てくる中年のオッサン天使とちょっと似た役回りだ。)
しかし彼だってイーノックにつきまとうのは現世に未練があって成仏できてないわけで、
ラスト近くでその理由が明らかになる。
...あまりにも悲しくて痛々しいその事実に、涙が止まらなかった。
こうして書いていても目がうるんでくる。
(上映中なので詳しくは書きませんが)
映像は色調が柔かく、若い二人はお父さんやお母さんのお古のような、60年代っぽい
ファッションでとっても可愛い。
イーノック役のヘンリー・ホッパーは故デニス・ホッパーの息子だ。(孫かと思ったw)
アナベル役の女優さんはなんとなくケイト・ブランシェットを連想する美少年っぽい美少女。
ヒロシは加瀬亮。
加瀬さんのお芝居、ほんっとにいいです。ハマり役だと思う。
英語も達者だし、声がいいって武器だよなー...とつくづく。
そしてガス・ヴァン・サント監督らしいノスタルジックな音楽も可愛らしい感じで
映像に合ってた。
一番素敵だったのはラストに流れるこの曲。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=QiX0--ABX2w
The Fairest Of The Seasons by nico from「Chelsea Girl」/1967
話題作ではないけど、オススメです。
余命宣告を受けた少女アナベル。
惹かれあう二人を見守るいわば守護天使的な存在である特攻隊員の亡霊ヒロシ。
公式サイト→http://www.eien-bokutachi.jp/
監督は『ミルク』のガス・ヴァン・サント。
ファンタジックで少々感傷的ではありますが、見終わったあと心が温かくなるいい映画でした。
まず主役の二人がとっても可愛い。
両親を失い自らも死に直面した体験から、他人の葬式を覗き見するという悪趣味な行為を
やめられないイーノック。
未だ両親の事故死と取り残された自分の立場を許容できない彼は、他人の死に
無責任に介入することで、<死>の正体を見極めようとしているように見える。
一方のアナベルは<死>を客観的にみつめようとするイーノックと関ることで、
自らの死を冷静に受け入れようと努めて明るく振舞っているように見える。
【死】を真ん中に置いて、それから一定の距離を保ちながら、生きている人間として
触合いを求める二人の姿は、ちょっと滑稽でとても悲しい。
個人的にこのテの作品は映画やドラマや漫画や小説でさんざん味わってきたせいか、
たぶん主役二人の切ない恋模様を描いただけだったら、新鮮味は薄かったと思う。
この作品を素晴しく味わい深いものにしているのは、ヒロシの存在だ。
常に特攻隊員の飛行服と飛行帽を被って日の丸の腕章をつけた格好のまま、
すこし悲しげな空気を纏ったヒロシは、亡霊のくせにちっとも怖くない。
イーノックに古風な日本式のお辞儀を教えたり、二人で列車に石を投げつけて遊んだり、
生真面目ながらユーモアのセンスを兼ね備えた彼は、
死を弄ぶゲームにふけるイーノックをやんわり嗜めたり、要所要所で助言を与えたりする。
彼に恋人が出来るとデートにくっついてきて(もちろんアナベルには見えない)、
「彼女、男の子みたいじゃないか。」などとやきもちとも取れる辛口批評をしたりする。
(すごく好きな映画でヴェンダースの『ベルリン天使の詩』っていうのがあるんだけど、
アレに出てくる中年のオッサン天使とちょっと似た役回りだ。)
しかし彼だってイーノックにつきまとうのは現世に未練があって成仏できてないわけで、
ラスト近くでその理由が明らかになる。
...あまりにも悲しくて痛々しいその事実に、涙が止まらなかった。
こうして書いていても目がうるんでくる。
(上映中なので詳しくは書きませんが)
映像は色調が柔かく、若い二人はお父さんやお母さんのお古のような、60年代っぽい
ファッションでとっても可愛い。
イーノック役のヘンリー・ホッパーは故デニス・ホッパーの息子だ。(孫かと思ったw)
アナベル役の女優さんはなんとなくケイト・ブランシェットを連想する美少年っぽい美少女。
ヒロシは加瀬亮。
加瀬さんのお芝居、ほんっとにいいです。ハマり役だと思う。
英語も達者だし、声がいいって武器だよなー...とつくづく。
そしてガス・ヴァン・サント監督らしいノスタルジックな音楽も可愛らしい感じで
映像に合ってた。
一番素敵だったのはラストに流れるこの曲。
↓
http://www.youtube.com/watch?v=QiX0--ABX2w
The Fairest Of The Seasons by nico from「Chelsea Girl」/1967
話題作ではないけど、オススメです。
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