1992年公開。
IRAの下部組織を名乗るテロ集団が
英国軍の黒人兵士・ジョディを人質にする。
ファーガスはジョディを見張るうち
図らずも心を通わせ、彼の遺言を託される。
「ロンドンのメトロってクラブで恋人にマルガリータを奢ってやってくれ。
そして俺が愛してたって伝えて欲しい。」
渡された写真一枚。褐色の肌に長い髪のセクシーな女。
人質処刑の朝、アジトは政府軍に奇襲され、混乱の中ジョディは事故死。
ファーガスは辛くも生き延びて、名前を変え、ロンドンで暮らし始める。
やがて彼は遺言にしたがって「メトロ」でジョディの恋人と出会う。
ディルという名の彼女はスリムで色っぽく、不思議な雰囲気を漂わせていた。
ぴったりしたドレスと幻想的な身振りで【Crying Game】を歌う彼女に
ファーガスは強く惹かれる。
派手な外見とは裏腹に、一度好きになった男に全てを捧げてしまう一途な女、ディル。
しかし初めての夜、ファーガスの前でバスローブを脱ぎ一糸纏わぬ姿になった彼女は
実は男だった。
衝撃のあまりディルを拒絶するファーガス。
一方、かつてのテロリスト仲間の生き残りがファーガスを探し出し、彼にテロ行為を強要する。
自分が逃げればディルの命はない。
ファーガスは、身を捨ててディルを守ろうとするが...。
過去のある男と、実は男性の美女とのラブ・ロマンス。
テロリスト絡みのサスペンス。
二つの側面を絶妙に絡み合わせ、意外な方向へと展開していく脚本がお見事。
20年も前の作品だし、見るからに低予算なんだけど、
とにかく面白くて最後まで一気に見てしまいます。
ファーガス役の俳優さん、特にかっこよくもハンサムでもない、
どっちかというと地味でごく普通の男性。
男であると分った途端、キスも甘い言葉も全てなかったことにして
自分を拒絶するファーガスに
「私のこと嫌いじゃないでしょ?」
「優しくしてよ」
と何度も問いかけ、尽くし、愛されようとするディル。
ことあるごとに『それが女ってものよ』『女はそれに耐えられないの』と口にし、
その度にファーガスに「君は女じゃないだろ。」と否定されるけれど、全然めげない(笑)
男の体を持つディルをどうしても受け入れられないけれど、優しく真摯に接するファーガスに
心底惚れこんで仔猫のように纏わりつくディルがひたすらいじらしく可愛い。
最初はただ義務感と罪悪感からディルの身を案じていたファーガスが、少しずつ
ディルのひたむきさに心を開き、人として惹かれていくさまがスリリングでロマンティック。
面白いなぁと思ったのが、ファーガスを追ってくる元仲間のテロリストの女が、
ディルとは対照的に計算ずくの色仕掛けで彼を操ろうとするところ。
女の体に生まれ、当然のようにそれを武器として利用しようとする女。
男の体に生まれ、心と体のギャップに何度も傷つきながら、
女としてひたすら男を愛し尽くそうとする女。
二人の女に惑わされ翻弄される男。
その生い立ちや体がどうあれ、女の心はしなやかで逞しい。
ラストの意外などんでん返しも気持ちのいい終わり方。
タイトルであり、ディルが妖しく歌う【Crying Game】の歌詞。
♪ふと気づくと去っていくあなたの後ろ姿
涙のゲームはもういやだわ
涙のゲームはいらないの・・・♪
うたかたの恋のゲームで何度も涙を流した彼女。
ただ一人、ありのままの自分を愛してくれたジョディを失った嘆きと諦めとが
象徴的に歌われています。
http://www.youtube.com/watch?v=xF59nPVCUsw
IRAの下部組織を名乗るテロ集団が
英国軍の黒人兵士・ジョディを人質にする。
ファーガスはジョディを見張るうち
図らずも心を通わせ、彼の遺言を託される。
「ロンドンのメトロってクラブで恋人にマルガリータを奢ってやってくれ。
そして俺が愛してたって伝えて欲しい。」
渡された写真一枚。褐色の肌に長い髪のセクシーな女。
人質処刑の朝、アジトは政府軍に奇襲され、混乱の中ジョディは事故死。
ファーガスは辛くも生き延びて、名前を変え、ロンドンで暮らし始める。
やがて彼は遺言にしたがって「メトロ」でジョディの恋人と出会う。
ディルという名の彼女はスリムで色っぽく、不思議な雰囲気を漂わせていた。
ぴったりしたドレスと幻想的な身振りで【Crying Game】を歌う彼女に
ファーガスは強く惹かれる。
派手な外見とは裏腹に、一度好きになった男に全てを捧げてしまう一途な女、ディル。
しかし初めての夜、ファーガスの前でバスローブを脱ぎ一糸纏わぬ姿になった彼女は
実は男だった。
衝撃のあまりディルを拒絶するファーガス。
一方、かつてのテロリスト仲間の生き残りがファーガスを探し出し、彼にテロ行為を強要する。
自分が逃げればディルの命はない。
ファーガスは、身を捨ててディルを守ろうとするが...。
過去のある男と、実は男性の美女とのラブ・ロマンス。
テロリスト絡みのサスペンス。
二つの側面を絶妙に絡み合わせ、意外な方向へと展開していく脚本がお見事。
20年も前の作品だし、見るからに低予算なんだけど、
とにかく面白くて最後まで一気に見てしまいます。
ファーガス役の俳優さん、特にかっこよくもハンサムでもない、
どっちかというと地味でごく普通の男性。
男であると分った途端、キスも甘い言葉も全てなかったことにして
自分を拒絶するファーガスに
「私のこと嫌いじゃないでしょ?」
「優しくしてよ」
と何度も問いかけ、尽くし、愛されようとするディル。
ことあるごとに『それが女ってものよ』『女はそれに耐えられないの』と口にし、
その度にファーガスに「君は女じゃないだろ。」と否定されるけれど、全然めげない(笑)
男の体を持つディルをどうしても受け入れられないけれど、優しく真摯に接するファーガスに
心底惚れこんで仔猫のように纏わりつくディルがひたすらいじらしく可愛い。
最初はただ義務感と罪悪感からディルの身を案じていたファーガスが、少しずつ
ディルのひたむきさに心を開き、人として惹かれていくさまがスリリングでロマンティック。
面白いなぁと思ったのが、ファーガスを追ってくる元仲間のテロリストの女が、
ディルとは対照的に計算ずくの色仕掛けで彼を操ろうとするところ。
女の体に生まれ、当然のようにそれを武器として利用しようとする女。
男の体に生まれ、心と体のギャップに何度も傷つきながら、
女としてひたすら男を愛し尽くそうとする女。
二人の女に惑わされ翻弄される男。
その生い立ちや体がどうあれ、女の心はしなやかで逞しい。
ラストの意外などんでん返しも気持ちのいい終わり方。
タイトルであり、ディルが妖しく歌う【Crying Game】の歌詞。
♪ふと気づくと去っていくあなたの後ろ姿
涙のゲームはもういやだわ
涙のゲームはいらないの・・・♪
うたかたの恋のゲームで何度も涙を流した彼女。
ただ一人、ありのままの自分を愛してくれたジョディを失った嘆きと諦めとが
象徴的に歌われています。
http://www.youtube.com/watch?v=xF59nPVCUsw
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