もどりました。

2012年3月19日 日常
もどりました。
もどりました。
大阪から戻ってまいりました。
義母のお墓参りです。

ちょうどタイミングよく国立国際美術館で草間彌生展を見ました。

おなじみの巨大水玉パンプキン(写真1.)
赤白水玉のチューリップ(写真2.)

今回はドローイングが8割。
比較的最近の作品が多く、手持ちのイラスト集
『I LIKE MYSELF』に収録されていたものも多数。
しかし...大きい。
160×130のキャンバス一杯に描かれた、分解し拡散する人の顔、
目線のイメージは印刷物とは全く違う迫力でぐぐっとこちらへせり出してくる。
じーっと見ていると、筋肉繊維や単細胞生物の分裂・増殖を、顕微鏡の中で
じーっと見ているような錯覚に陥ってしまう。
手元にあるのはモノクロの線画のみですが、今回はカラーの作品も多数展示。
赤・青・黄・ピンク・グリーン・金・銀。
チューブから絞り出されたまんまの、濁りのない強い色彩。
一見無造作に描かれた線、塗られた色ですが、リズムと動きがあるんですよ。
なんとなくアフリカン・プリントを思い出す。
黒い肌の女性達が腰に巻く、あのカラフルでパワフルでパンチの効いた模様の布。

でもどっちかというと↑の写真のような立体が好き。
ものすごく力強くて、徹底的に女性的。
女性にしか作れないと思う...生理的な部分と根底で深く繋がっている。
大地にドーンと腰を据えた強さで、理屈での解釈をぜんぶはねのけてしまう。
彼女の立体を前にしたときの圧倒される感じが、ちょっと怖いんですけど、
すごく好きなんです。

今回は『魂の灯』という作品がとてもよかったなぁ...。
200×400位の小部屋に入って体験するんですけど、中は暗くて全面鏡張りなんです。
そこに数十個のLEDの電灯が細い線で天井からぶら下がっていて、赤、緑、青、黄色...
と色を変えながら輝く。
無数の灯りと自分の姿が鏡と鏡に反射して延々遠くまで連続して見えるのです。
それはそれは美しく、同時に<無限>というとんでもないものに吸い込まれるような、
形容し難い恐怖感に襲われます。
入れ替え制なのでせいぜい1分くらいでしょうか?
出てきたときは船酔いしたみたいに床がぐらぐら揺れてました。

彼女の作品は『自己消滅』とか『無限増殖』とか、そういうテーマが多いのです。
言葉はちょっととっつきにくいですよね。
でも決してネガティヴな意味でそれらの語を用いてるのではないんだな、と。
『自己消滅』は自意識を消してもっと大きな存在に身を任せて同化すること。
『無限増殖』はどこまでも続いていく自分の生命を表現しているのだと、
そう思いました。

翌日はたぬきん師匠と大阪をぶらぶら。
ガンガン飲んで食べて喋った...つもりだけどなんかまだ全然喋りたりない(笑)
あれも喋りたかった!これも言い忘れた!ってことだらけです。
すっごく気の合う人間同士ってそうなのかなー...。

しっかし大阪はいつ行ってもパワフルですねー。
東京と空気が違うんだよね。
駅に降りた途端に551の肉まんの匂いがしたもん←(違)

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