日本ファッションの未来性展
日本ファッションの未来性展
東京現代美術館に行ってきました。
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/136/

’80年代。
川久保玲のコム・デ・ギャルソン。
山本耀司のワイズ。
<黒の衝撃>と呼ばれたパリコレデビューから始まって、
90年代から今。
ファッションとアートの境界線上の<服>の展覧会。

社会生活を営む人間は裸体を隠さなければならない。
だから、私たちは<服>を纏う。
<着る>という行為に、その土地の気候や宗教上の慣習から
様々なバリエーションが生まれ、さらに社会構造の複雑化に連れてTPOに合わせた
決まり事や(制服や礼服、仕事着など)、更に個人的好みまで生まれ、
無限のバリエーションへと発展したわけですが。
どんなに変化しても、<服>は人間の身体に沿った形に裁断され、縫製された布で
できているのだなぁと。当たり前の事を再確認。
例えば身体を傷つける素材で服は作れません。
着れなければどんなに美しくても、それはオブジェであってもはや<服>ではない。
その制約の中で、独自の哲学・美学を表現しようと悪戦苦闘しているデザイナー。
そのイマジネーションの豊かさには、なにか崇高なものさえ感じました。
可愛かったり、セクシーだったり。
攻撃的だったり、内省的だったり。
すっぽり包み込んでボディラインをすっかり隠してしまう服があれば、
頭のてっぺんからつま先までぴったりフィットする、ストッキング素材のレースで
できたボンテージっぽいボディスーツもある。
それを纏うか・纏わないかは、私たち次第。

一番印象的だったのは、やはり川久保玲のコム・デ・ギャルソンの、初期の作品群。
アシンメトリーなオーバーブラウスやジャケットに、不定形な穴がたくさん空いた
それらは<ボロルック>と呼ばれ、賛否両論巻き起こしたのですが。
当時、皆が適当に空けた穴だと思っていた部分は、改めてみると、直感的かつ精密な計算の上で作られたもので…私にはレースの服に見えたんです。
麻や綿のごく素朴な素材感の布で作られた、大胆でどこか民族衣装的な香りのする
レースのブラウス。
藍や生成りや墨染めの黒のそれらは、日本の農夫の作業着のようでもありました。
作業着でありながら、レースのブラウス。
…やっぱり凄い発想ですよね(笑)


少し遅めのお昼は美術館内のベトナムレストラン『Cafe Hai』で。
ベトナム風混ぜご飯プレート。
テーブルクロスもトレイもキッチュですごく可愛くて、薄味で辛くはないです。
野菜たっぷりでヘルシーでしたが、17歳の息子にはもの足りなかったようです(笑)

私たちはファッション展のみの観覧でしたが、同時開催中なのが『特撮展』
こっちは大人気で、ファッション展の数十倍の人たちが並んでいました(笑)
館内はほぼ撮影禁止なんですが、ミュージアムショップの奥で巨神兵の頭部発見!
凄いリアルで精巧にできてます。
質感といい色といい、かなり気に入ったのでパチリ。
早速師匠にメールで送ったのですが、
「怖い写真いらない〜〜〜〜!!!」と返事がきました(笑)

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