僕が演じた役は他の人でもよかったと思うし。

まぁそういう役も中にはあるでしょうが…。
今考えても、数える程しかない。

例えば再放送中のロンバケ。
他の俳優さんだったら、どうでしょうかね?
や、上手い下手とは別の…瀬名っていう人物造詣に置いて彼のセンスが果たした役割は相当デカいと思います。
今日、ちょうど昔のCUTを引っ張りだして読み返したんですよ。ロンバケ直後の。
彼は瀬名というキャラクターを
「(女性にとって)一歩間違えたらただの便利屋さんみたいな人になっちゃうけど」と分析し、脚本を読む中で、ちょっと違うなあ、って部分に*をつけておいて、
「このページの撮影になったらちょっと気をつけないと自分の周りに花畑が広がりそうだから、それを隅田川であったりピアノ教室にしないといけないな」
と特に気をつけて撮影に臨んでいた、と。

その直感の鋭さとセンスのよさ、バランス感覚。
これを23歳で既に身に付けていたからこその、超ファンタジックにしてきっちり
リアリティを持ち合わせた瀬名像だったに違いない。
(それは彼以外の俳優さんでキタガワ女史が担当したドラマを見れば明かと思う)
その辺りはTVガイド(通常版のほうね)の『木村拓哉月9伝説』、演出された方々の
思い出話も合わせて読むと面白いです。

もし彼でなかったら、大好きな早坂由紀夫もShitaoも心に残る、というか記憶に刻み付けられる存在にはなり得なかっただろうな。

冒頭、彼がリスナーの質問に対し「職業というくくりでなく、人間だと思う」
と語ったのも本質はそういうことではないだろうか。
この人はどういう人間か?
職業という一面的な部分のみでなく、人間としての丸ごとを(例え脚本には書かれておらず、映像として撮られることは一切なかったとしても)そのまんま考え・感じる
作業を通してのみ、実体化する表現があるのでしょうな。

「他の人でもいい」
まぁ一見謙遜にも見えるけど、たぶんこの人はホンキで言ってるんだと思う。
そこが凄いんだけど…もーちょい不遜になれよとも思う部分でもあり(笑)

おまつさん。
重箱に風呂敷。
や〜…やっぱ育ちって見せびらかすんじゃなく自然に滲み出るよねぇ…。

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