こういうムック誌にありがちなのですが
やっぱり一冊目ほどインパクトは無いです。
といっても他のナチュラル系ファッション
提案マガジン(ナリュリラとかその周辺)
とは一線を画すいい写真と味わいのあるコーディネート。

冒頭の町田康氏のエッセイというか書き下ろしというか、
すっとぼけた、いかにもな感じの文章がとっても好きです。
すっ飛ばさずに読んでみてください。

戎 康友氏の撮る、海と真っ白い服。
青と純白の眩しさに突然そそり立つ灰色の岩肌のバランスが清々しい。
コーディネートはねじったり結んだり巻いたりか、あっさりそのままを着るかで、
アシンメトリーなバランスが何となく和の発想。
大好きだったころのコムデギャルソンを思い出し懐かしくなりました。
ああいう服、最近はとんと着ないなぁ。
P75のコーディネートが、まさにあの時代のギャルソンまんまでちょっとびっくり。

全体的に大人しい写真が多い中で目を引いたのが
ソニア・パークのARTS&SCIENCEのページ。
深紅のワンピースの美しさに目がクギヅケになりました。
珊瑚でも朱色でも、暗紅色でも薔薇色でもない、本当の真っ赤。
説明を読んでビックリ。
カイガラムシの一種「ラック」の染料を使い京都で染めたものだそう。
つい最近勧められて『完璧な赤』という本を読んだばかりなので感慨もひとしお。
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/112162.html
おお!!!これが16世紀のヨーロッパの人々が血眼になって探し求めた赤か!
他には本藍染めのブラウスが素敵だったなぁ。少しグリーン味を帯びた藍色。
ソニア・パークのモノ作りは一つ一つにストーリーがありますな(蘊蓄とも云うw)
撮影はホンマタカシ氏。

Ku:nel本誌を見ても思うのですが、こういう雑誌ってもちろん洋服や小物や
ライフスタイルの提案も大事ですけど、カタログ的な見せ方じゃないので、
全体のイメージ作りに写真の果たす役割はかなり大きい。
たぶんモデルやロケーション選びの段階から、フォトグラファーも企画に参加して
一緒に作り上げてるんだろうな。

あれ?
なんだかんだ言って結局結構気に入ってるような(笑)
三冊目が出たらきっと買ってしまうだろうなぁ…。


話変わりまして。

最近フランシス・ベーコンのインタビュー集を読んでいるのですが、これがとても
残念な本で。
インタビュー内容はとてもエキサイティングで興味深いんだけど、読み辛い。
たぶん翻訳がダメダメなんだろうな…。
1996年出版なんですが、どっかの大学の研究者さんで、うーむ。
この手の方々の翻訳にありがちな。
英語力は満点でも日本語力が…(ry.
読み終わったら美術手帖を読みます。
こっちはかなり面白そう。

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