涼と優子

2013年4月2日 キムラさん
空☆4〜6話まで見た。
ひたすら涼と優子のシーンを拾いながら、時々涼と完三。たまに美羽。
邪道かもだが、このドラマに限ってはこれが正しい見方@自分内w

涼と優子の関係性がシーンによってどんどん変化していく。
最初、無表情で感情を出さない涼に翻弄されていたかのような優子が、ラーメン屋の
シーン辺りからどんどん涼に近づき、言葉も行動もストレートさを増して、
美しく澄んだ目線はしっかりと相手の昏い目を捉えて離さない。
涼は、張り巡らした有刺鉄線の隙間からまっすぐに差し出された優子の、
華奢で白い腕に誘われて、少しずつ距離を詰めていく。
自分で張り巡らした棘のある柵の内側でじっとしていれば傷つかずに済む。
今までここからたくさんの女を誘導し思い通りに操って飽きたら消した。
優子の手を握ってみたい。
でも、うかつに近寄れば、棘は自分を傷つけるかもしれない。

「ほんとは誰が好きなの?」
「あんた。 でもいいけど。」

真後ろから撮られたこのカットの絶妙な間が、冗談のようで本音のよう。

優子は強い。
恐れを知らないのではなく、恐れの正体を無意識に見破る強さ。
逃げ出した白いインコを上着の下に隠し、動揺する涼の前に現れた姿。
すっくと立った彼女の目は澄みきって輝いている。
後ろに輝くネオンサインが、彼女が何者であるのかこっそりと語っている。
『Angel』
ただし二人の位置だと裏側なので、文字は逆に見える。裏返しのAngel。

その後にやってくるキスシーンは美しく・感動的でさえあっても、美羽の思いを
優子が知っている限り、どこか後ろめたい。
自分の目と心だけを信じるという優子の、誘うようなキスに、抑えていた感情が
溢れ出し、貪るようにキスを交わす涼。
欲情というより差し出された腕に縋り付くかのよう。
柵に寄りかかってキスを交わす二人の、不安定な姿勢とほの暗い色調が、
胸がざわめくような、ぼんやりした不安感をかきたてる。

キムラと深津ちゃんは役を演じている感じがしない。
涼と優子が剥き出しのままそこに居るようだ。

コメント