3話、オンエアの時「ん?」と思いリピしてみた。
ロイドというキャラクターがキムラタクヤと完全に一体化した、と思った。
例えばウージングアウト。
消える寸前にふっと眼鏡に触れるんだけど、そのちょっとした仕草がものすごく
ロイドっぽいって感じるんだよね。
それから麻陽がチェーンソー振り上げてロイドに迫るシーン。
直前に電気ショックで麻痺させたときの痙攣や吹っ飛ぶ動きは完璧な不随意運動に
見えて<電気ショックで感電して動けないアンドロイドの動き>だった。
関節と筋肉のコントロールが素晴らしい。
些細に思えるかもしれないけど、拘って肉体をコントロールする・しないでは
全く印象が違ってくるはず。
これはロイドの非情な殺戮機械側面。
その一方、収監された麻陽にそっと毛布を掛けるときの、腕の動きの優しさ。
「闘わなくて良くなったら、どうするの?」「でも悲しんでるんだよ。」と
麻陽に言われたときの、不意を突かれて戸惑うような表情は、任務に従っているだけ
という頑な言葉を裏切っていた。
2話までのロイドとは明らかに違う…ロイドという人物(アンドロイドだけど)が
勝手に動き始めた感じ。
ロイドがキムラタクヤの肌から入り込み、身体の内側から隅々まで行き渡り、
神経と筋肉まで到達して意志を持って動かし始める瞬間。
キムラタクヤが組み立てたキャラクターが存在し始める感じがたまらない。

黎士との演じ分けも鮮やかで感心する。
一切無駄の無い美しいロイドの動きは、常に緊張の糸を張りつめた武士のよう。
黎士はとにかく細かくて無駄にたくさん動く。
気分が高揚すると特に、脚の先や腕。
将棋のシーンで、細かく細かく黎士らしさを組み立てているのがよくわかった。

やっぱ後ろから黎氏をぎゅうっと抱きしめるシーン、良いねぇ。
言葉じゃないんだよね、好きって。
これこれ。この感じなんだよ!好きって!!
…って思った。

コメント

nophoto
ともりん
2013年10月31日9:43

こんにちわ。
HTさんの観察眼と文章力、感服です。
で、それから勝手に会得したのは。
・・・彼、つくづく(一言で括るのは失礼とは思いますが)完璧に「右脳人間」だと。。。
膨大な台詞をビジュアル化して高速記憶できる(ハウルエピ)ことや、本を読まない、とか。左脳(ロジック)でなく右脳(イメージ)。。
ロイドや黎士の動きも、徐々に、ていうあたりがいかにも裏付けていて。
理解して演じる、んじゃなくて役に生き始めた時(=大量な情報がインプットされ始め)必要な微細なパーツが揃った時、「理解」を超えた無意識領域に至る大量処理能力がその表現=体現となる。。それはもはや筋肉、皮膚レベルの演技だし、同時にリラックスできてるんだろうなと。
彼は所謂「天才肌」ですが、それにビジュアルと「人好き」というのが伴ってるという、ほぼあり得ない確率で存在してるヒトなんだと。。同時に軛を背負いながら。。
いやー、3話であの表現。素晴らしい。映画、映画、映画!!!、やって欲しいです。。。

HT
2013年10月31日22:41

ともりんさん、こんばんは。

>>必要な微細なパーツが揃った時、「理解」を超えた無意識領域に至る大量処理能力がその表現=体現となる。。それはもはや筋肉、皮膚レベルの演技

わかります。
まるでヴェールを一枚被ったような不思議な感じなんですよね。
外側だけでなく内側から変わっちゃってるみたいな。
おっしゃるとおりあの感じは彼ならではですよね。
唯一無二でありながら<その人>としてそこに居る。
素晴らしいです…。