ふと思い出して確か2000年の、BOAOの写真を見る。
上田義彦氏の撮ったキムラ。
上田氏は精緻で端正な作風の写真家で、静寂に耳を傾けるようにして見つめているとしんとした空気の底から、被写体が頭の中に直截語りかけてくるような、静寂の饒舌とでも言いたくなるような写真を撮る。
タイトルは『木村拓哉という癒しの存在 ミレニアム・スペシャル・ショット』。
ライトグレイの究極にニュートラルな空間に、黒或いは深紅の、極シンプルな服を
身につけたキムラ。
静かで・逞しく・しなやかで・野生の匂いのする。
人を寄せ付けないような、或は挑むような、顔つき。
「俺、優しい人は嫌い。」
…およそタイトルとは真逆の、挑戦的とも言えることば。
このときの写真家と被写体の間にあるものを想像する。
限界までぴんと張りつめた楽器の弦のよう。
指で弾くと周りの空間が共鳴し、震え、掻き乱されてしまうような危ういバランス。
スリリング。
この撮影の様子の記述。
…写真家の上田氏が、狙い撃ちの殺し屋のようにドスンと重くシャッターを切っていくと、木村拓哉は不死鳥のようにレンズをまっすぐに見据える。
「すごいね、彼は。少しも媚びがない。」
ふだんはもの静かな上田氏が、いささか興奮気味にポツリと言った。そして撮影終了後には、「もう1枚撮ってみたい」と言い出し、木村拓哉は軽くうなずいてみせたのだった。
狙撃者とターゲット。
狙い撃ちの写真家の放つ気を、正面から受けて立つ被写体の男。
真剣勝負の、切結ぶ刃のような時間。
とても、とてもドラマチック。
上田義彦氏の撮ったキムラ。
上田氏は精緻で端正な作風の写真家で、静寂に耳を傾けるようにして見つめているとしんとした空気の底から、被写体が頭の中に直截語りかけてくるような、静寂の饒舌とでも言いたくなるような写真を撮る。
タイトルは『木村拓哉という癒しの存在 ミレニアム・スペシャル・ショット』。
ライトグレイの究極にニュートラルな空間に、黒或いは深紅の、極シンプルな服を
身につけたキムラ。
静かで・逞しく・しなやかで・野生の匂いのする。
人を寄せ付けないような、或は挑むような、顔つき。
「俺、優しい人は嫌い。」
…およそタイトルとは真逆の、挑戦的とも言えることば。
このときの写真家と被写体の間にあるものを想像する。
限界までぴんと張りつめた楽器の弦のよう。
指で弾くと周りの空間が共鳴し、震え、掻き乱されてしまうような危ういバランス。
スリリング。
この撮影の様子の記述。
…写真家の上田氏が、狙い撃ちの殺し屋のようにドスンと重くシャッターを切っていくと、木村拓哉は不死鳥のようにレンズをまっすぐに見据える。
「すごいね、彼は。少しも媚びがない。」
ふだんはもの静かな上田氏が、いささか興奮気味にポツリと言った。そして撮影終了後には、「もう1枚撮ってみたい」と言い出し、木村拓哉は軽くうなずいてみせたのだった。
狙撃者とターゲット。
狙い撃ちの写真家の放つ気を、正面から受けて立つ被写体の男。
真剣勝負の、切結ぶ刃のような時間。
とても、とてもドラマチック。
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