やってみなはれ。

2014年10月28日 TV
マッサン見てます。

どうも私はエリーとマッサンの愛くるしいカップルにあんまり心が向かわなくて、
たぶんとっても的外れな見方をしてるような、ある種申し訳ない気もするのですが。
鴨居社長と住吉酒造の社長のやり取りにはなんかちょっとウルっとしました。
やー、まぁアレです、商売人同士の一見情に訴えながらもウラではしっかりそろばん
弾いてるんだよなぁってのは思うんですけど。
鴨居社長に「太陽ワインはウチで作らさせてください!」からの流れにはねー…。
で、最後に「でも日本初のウィスキーはウチが作りますから!」って言い切るとこ。
ああ、この社長さんは住吉酒造に残る決心をしたマッサンへの恩義だけで奔走してるんじゃーないんだな、と。
日本で初めて本格的なウィスキーを作って売り出すこと、への想いの深さというか。
大株主に総会を開いて議題に載せることすら拒否されてる事業。
つまり、大勢にとっては全くの未知数でリスクが大きすぎると判断されたとしても、
この人は『絶対にモノになる。我が社の命運を賭す価値がある』って確信してる訳じゃないですか。
そこのところのね、想いの深さに感動した…。
そうなんですよ。
マッサンの研究熱心さとか情熱もさること乍ら、彼はあくまでも夢を追う人。
(現時点では、ですが)
住吉酒造の社長さんは、夢のリスクを背負う人、なんですよね。
こういう人が居ないと本当に新しいモノ・コトは生まれないんじゃないか?と。
ぶっちゃけ何かを作り出すにはお金が要る。
少々クレイジーだけど、キラキラした直観を振りまくような人物(マッサン)が居たとして、その素晴らしさを世に知らしめ、役立てながら利益を産み出すには、
仕組みを作る人が絶対必要なんですよね。
この社長さんみたいな人、日本にどの位居るんだろうなぁと。
マッサンを見ながら、今の私たちの社会に欠けてるものがなんとなく炙り出されて
くるような…そんなことをぼんやり思ってます。

まぁ直観と資金力との両方を兼ね備えた鴨居社長みたいな、超魅力的な人物が対極に
居てこそ、住吉酒造の社長の泥臭さも生きるんでしょうけどね。

それにしても堤さんはいい。
ニコっと笑った時の笑顔がね、無邪気に見えちゃう。
絶対、そんなはずのない人物なのにさ(笑)
鴨居社長の魅力の7割は堤真一さんという役者さんの力だよね。

そうそう。
今日の回のラストシーンはなんだか象徴的だったのを思い出した。
「おなごは(仕事に)口出ししたらあかん。」
エリーという欧米人女性の目から見た大正時代の日本の姿。
封建的な空気が色濃く残り、女性が自分の夢や目標を持つのが珍しい時代。
しかし、嗜められても優子はめげない。
以前の彼女にはなかった積極性・自律性。
目覚めさせたのは、エリー。
本人は無自覚に振る舞っているのに、周りを変えていく。
社長とマッサンと優子が深く頭を下げている後ろで、半ば戸惑ったような表情ながら
凛として立つエリー。
彼女こそが住吉酒造の未来を切り拓いて行く鍵に違いないと思わせる画面構成。
エリーはマッサンの人生のパートナーであり、ウィスキーそのものである。

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