やまのふもとのすそもよう。
やまのふもとのすそもよう。
東京、奥多摩。
さらにその奥、山梨県に入ったところに丹波山という村が
ありまして、そこの温泉によく行くんですけど、
下界よりやっぱり季節の移り変わりが早い。
紅葉が始まっていて、桜でいうとたぶん七分咲きくらい。

まつをいろどる かえでやつたは 
            やまのふもとの すそもよう

真っ赤なもみじ。オレンジのかえで。
黄色いいちょう。金茶色のけやき。
そしてところどころに常緑樹の濃く黒っぽい緑が混じる。
青梅辺りまでの山は、戦後の植林政策の名残で杉林ばかり。
重たい深緑の杉の単調な山が多いのですが、
奥多摩辺りまでくると様相が違う。
金茶色と鈍い金色を貴重に、赤やオレンジや黄色で構成されたこんもりした雑木林が
見えてくる。
山が深くなるほど、色も鮮やかになっていく。
遠くから眺めるとその色合いは、まさに金襴緞子。
そういえば着物の柄って自然をモチーフにしたものが多いよなぁ。
薄曇りのいぶし銀も、時々覗くうす水色の空も、深い水の色も。
早春の梅の紅白、春の桜色。初夏の若葉、真夏の夜の黒。冬の灰色、雪の白。

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