何故かこっちを思い出した@anan
たぶん『もっとも危険な遊戯』だと思う。
故・松田優作。

タクシー・ドライバーのトラヴィスはベトナム帰還兵。
トラウマとどうしようもない虚無感を抱えた男。
昏い目が狂気で徐々にギラギラ輝きを増していくのがこの映画のデ・ニーロの凄さ。
トラヴィス(*祐真さんがコッチ表記だったので)の役を生きるキムラ。
コーディネートは完璧に映画のポスターのまんまで、めちゃくちゃ似合ってる。
ただし。
瞳のどこまでも透徹した理性を感じる輝きは、トラヴィスのそれとは全く別物。
むしろ彼は漂う夜霧の中、闇に佇みながら顔を上げ、何かを待っている。
見えない<何か>に目をこらし、向こう側を見通そうとしている。
全体の色調といい質感といい、とても映画的…。

もう一枚のTシャツ姿のショット。
見た瞬間「あ。これ知ってる!」と思い出し、画像を検索して探し出しました。
ポーズやなんかは違うのだけど、なんだろうなー。
発する空気感が同じなんだよな。
サングラスで隠れた瞳は、たぶんこちら側を見透かしている。
値踏みしている。
撃つのに相応しいかどうか。

アクションでも現代劇と時代劇では全く違う。難しい。だから、楽しい。
彼の<楽しい>って、つまりはそういうことか。
「何をやりたいかは三大欲並みに、ある」
…これを聞きたかったんだよ。
口に出さなくても彼の中に<ある>んだよなー、って。
ちょっと嬉しかったです。
あと、<感じる>って言葉ね。キムラらしい。
彼にトラヴィスを、とチョイスしてくださった祐真さんに感謝!
祐真さんの言葉もすごく頷けるもので、こっちも嬉しい。

あとシンゴのクラーク・ケント、いいねぇ。
バッチリだね。
彼は舞台をやって何かを掴んだんじゃないかなぁと、この写真を見て実感。
表現することにとても貪欲な顔してる。
ほんと、コッチの方向でもっともっと隙間無くカッコいい感じを追求してください。

今回の企画、ちょっと残念だったのはレザボア・ドッグスが期待はずれだったこと。
なんかユルくないっすか?温いというか。
すますまコントの『裏切り者』の頃の、緊張感と距離感が感じられなくて。
レザボアのメンツがカッコいいのは、全員がお互いにお互いを完全に信用してなくて
「コイツは裏切り者じゃないのか?」と疑心暗鬼に陥りながらも、目的のために
仕方なく協力関係を結ぶっていう、いわばタイトロープのスリリングさがあるから。
計らずも今のsまpに欠けてる<何か>を炙り出してしまったような気がする。

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