BIRD7号 きらめきのシルクロードへ (講談社 Mook(J))
2014年12月18日 読書
十代の頃、世界の国々の写真集を持っていた。
確か全部で12冊くらいあって異国の町並みや暮らしや
そこに住む人の風俗を眺めながら、あれこれ想像に浸っていた。
北の国、南の島、熱帯のジャングル、そして砂漠。
中でも一番強く惹かれた写真は、驚く程精密な文様の
タイルで彩られたイスラム寺院の内部だった。
明るいターコイズブルーと深い藍染めのようなネイビーブルー。
強烈な太陽を連想するレモンイエロー。オアシスの樹木のようなグリーン。
鮮やかで艶やかに描かれた複雑なアラベスク模様が、蒼穹の空から垂下がる不思議な蜂の巣のように重なり合い、じっと眺めているといつのまにか吸い込まれて、まるで
自分がその場で天上を見上げているような錯覚に陥ったものだ。
『イラクのイスファハーンにあるモスクの一部』だと解説がついていた。
…いつかここに行ってみたい! 子供心に強く思った。
しかし悲しいことに間もなくイランイラク戦争が始まってしまい、ニュースで激しい市街戦の様子を見た私は、もしかしたらあの美しいモスクは失われてしまったんじゃないかと思っていた。
雑誌『Bird』は前もアイスランド特集の感想を書いたけど、旅好きで人とは違う体験をしてみたい女子向けの雑誌らしく、内容も割とディープで視点が面白い。
何より写真がスタイリッシュで、紙質がよいので質感や色が気持ちいい。
で、シルクロードである。
買わなくてどうする(笑)
さて。
書店でぱらぱらとページをめくった私の目にいきなり飛び込んできた一枚。
それはまさに、あのイスファハーンのモスクだった。
昔の記憶どおりに。寸分たがわず。色褪せないまま。
激しい戦火に焼かれず、破壊されることなく、ずうっとそこにあったのだ。
なんだか胸がジーンと熱くなった。
よかった、戦争が終わって。
もしかしたら近い将来、ここに行くことができるかもしれないじゃないか。
それにしてもタイルって色褪せないんだなぁ。
あのまんま、記憶の中のままだなんて。
イスファハーンのモスクの他にも優美で荘厳なイスラム建築や、過酷な自然の中で
シンプルに力強く暮らす遊牧民、カラフルでおしゃれな衣装の女性たち、伝統的な
キリム絨毯、そして神秘的なトルコのパムッカレの自然など、非常に魅力的で充実した内容であります。
そしてとにかく ブルーが印象に残る。
キルギスの真っ白な砂漠にぽっかりと浮かぶ青い湖、そして壮大な砂漠の湖に映る
月の光のワン・ショットの素晴らしさ。
透き通るような深い紺碧に染上げられた空と大地に、月が放つ白銀の光が反射して
この世のものとは思えない。
ああ、生きてるうちに行ってみたい場所がまた増えてしまった…。
確か全部で12冊くらいあって異国の町並みや暮らしや
そこに住む人の風俗を眺めながら、あれこれ想像に浸っていた。
北の国、南の島、熱帯のジャングル、そして砂漠。
中でも一番強く惹かれた写真は、驚く程精密な文様の
タイルで彩られたイスラム寺院の内部だった。
明るいターコイズブルーと深い藍染めのようなネイビーブルー。
強烈な太陽を連想するレモンイエロー。オアシスの樹木のようなグリーン。
鮮やかで艶やかに描かれた複雑なアラベスク模様が、蒼穹の空から垂下がる不思議な蜂の巣のように重なり合い、じっと眺めているといつのまにか吸い込まれて、まるで
自分がその場で天上を見上げているような錯覚に陥ったものだ。
『イラクのイスファハーンにあるモスクの一部』だと解説がついていた。
…いつかここに行ってみたい! 子供心に強く思った。
しかし悲しいことに間もなくイランイラク戦争が始まってしまい、ニュースで激しい市街戦の様子を見た私は、もしかしたらあの美しいモスクは失われてしまったんじゃないかと思っていた。
雑誌『Bird』は前もアイスランド特集の感想を書いたけど、旅好きで人とは違う体験をしてみたい女子向けの雑誌らしく、内容も割とディープで視点が面白い。
何より写真がスタイリッシュで、紙質がよいので質感や色が気持ちいい。
で、シルクロードである。
買わなくてどうする(笑)
さて。
書店でぱらぱらとページをめくった私の目にいきなり飛び込んできた一枚。
それはまさに、あのイスファハーンのモスクだった。
昔の記憶どおりに。寸分たがわず。色褪せないまま。
激しい戦火に焼かれず、破壊されることなく、ずうっとそこにあったのだ。
なんだか胸がジーンと熱くなった。
よかった、戦争が終わって。
もしかしたら近い将来、ここに行くことができるかもしれないじゃないか。
それにしてもタイルって色褪せないんだなぁ。
あのまんま、記憶の中のままだなんて。
イスファハーンのモスクの他にも優美で荘厳なイスラム建築や、過酷な自然の中で
シンプルに力強く暮らす遊牧民、カラフルでおしゃれな衣装の女性たち、伝統的な
キリム絨毯、そして神秘的なトルコのパムッカレの自然など、非常に魅力的で充実した内容であります。
そしてとにかく ブルーが印象に残る。
キルギスの真っ白な砂漠にぽっかりと浮かぶ青い湖、そして壮大な砂漠の湖に映る
月の光のワン・ショットの素晴らしさ。
透き通るような深い紺碧に染上げられた空と大地に、月が放つ白銀の光が反射して
この世のものとは思えない。
ああ、生きてるうちに行ってみたい場所がまた増えてしまった…。
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