鑑定士と顔のない依頼人 [DVD]〜編集しました。
2015年1月29日 映画
タイトルから想像したのと全然違う。
…ってこと、結構あります。この作品もまさに。
だけど、とってもよい意味で、裏切られました。
http://www.cinematoday.jp/page/A0003931
主人公は高名な古美術の鑑定士。
高い美意識、お金持ち相手のオークション、贅沢な生活。
しかし孤独で人生の晩年にさしかかっている。
ある日彼にかかってきた謎の女の電話。
死んだ両親の残した屋敷の古美術品を鑑定し売りさばいて欲しいとの申し出。
断るつもりだった彼が、謎めいた女の言葉に興味を持ち仕事を引き受けたところから
話が動き出すのですが、まぁ見事に意外な展開の連続で二転三転。
ミステリーかと思って見始めたらさにあらず。
敢えて分類するなら、恋愛ドラマだと思います。それもファムファタールもの。
とにかく面白くてぐんぐん引込まれて、最後にあっ!というラストなんです。
…是非見て頂きたいので、書きませんけど。
細部まで作り込まれたセットと小道具、光と影を巧みに操る演出、カメラワーク。
そして、何より役者さんが素敵。
気難しくやり手で人間嫌いの主人公:ヴァージルを演じたジェフリー・ラッシュ。
どっ…かで見たぞ?としらべたところ、パイレーツオブカリビアンのバルボッサ。
英国王のスピーチでは言語聴覚士の先生役でしたな。
特別ハンサムとかじゃないんですが、声がよくて佇まいが素敵。
不思議な色気があるんですよねー…。
空の青の瞳が印象的。
服装も振舞いも完璧なヴァージルが、顔の見えない女に振り回され、柄にもなく走り回ったりこっそり覗きをしたり、ペースを乱されて泥沼のような片想いにずぶずぶとはまり込んでゆく様は、クスッと笑えてとっても悲哀があって素晴らしい。
そして人生の大半を人との関わりを避けながら暮らし、地位も財産も築いた男が、
<顔の見えない女>の、意味深長な言葉に翻弄されていく様の巧みな描写。
声は聞こえど姿は見えず。
「見ること」への欲望が一人の頑な男の人生を一変させてしまう。
実際には彼女は、変哲もないつまらない女かもしれない。
でもやっぱり一目見たい。
ギリギリの心理的駆け引き。見てる私もいつの間にかヴァージル目線。
この辺の持っていき方が本当に上手い。手練の仕事って感じ。
まぁ考えてみればネット上のやり取りも似たようなものかもしれません。
今、私の日記を読んでくださってる方々のほとんどがお会いしたこともなく(笑)
手を伸ばせばそこに相手がいるんじゃもどかしさもひとしおでしょう。
さて、彼には美女の肖像画を収集する趣味があって、自分のオークションで友達に
絵を高値で落札させて裏で買い取るという詐欺紛いのことをやってるんだけど、
友達の自称:芸術家を演じるのがドナルド・サザーランド。豪華。
そして機械仕掛けなら何でも手作りしてしまう天才肌の青年:ロバート。
彼のお店のセットがそれはそれは素敵。
怪しげな金属部品や歯車や工具なんかが所狭しと並べられていて、謎のおもちゃ箱をひっくり返したような、どことなくファンタジックな場所。
そこへヴァージルが18世紀のからくり人形の部品を少しずつ持ち込んで、ロバートが組み立てていくんだけど、このからくり人形と歯車が、映画のラストを暗示する
象徴的な存在なんですよ。
また恋愛経験のないヴァージルが<経験豊富>なロバートに「次の一手」のための
アドバイスを依頼するので、その心の動きが手に取るようにわかってしまう。
このことが実は後々とっても重要な意味を持ってくるんですけど。
ロバートを演じる俳優さんがまたセクシーなんだよねー…。
ハンサムでとても器用で、天使のように気まぐれで無邪気(少なくとも見た目は)
痛々しい展開だし確かに残酷でもある。
だけど見終わった後嫌な気分にはならないですし、救いのないラストではない。
女の言葉はどこまで真実なのか?
途中ヴァージルが女の様子を物陰から覗き見るシーンで、見られてると知らない女は電話でちらっと違和感のある言葉を発するんですけど…ヴァージルは気づかない。
その時点で、彼はすでに恋の魔法にかかってしまってるなとわかるカット。
これ以上はネタバレになるので、書きません(笑)
結論は敢えて出さないラスト。
いかにもヨーロッパ映画らしい映画を見たな、って気分になりました。
…ってこと、結構あります。この作品もまさに。
だけど、とってもよい意味で、裏切られました。
http://www.cinematoday.jp/page/A0003931
主人公は高名な古美術の鑑定士。
高い美意識、お金持ち相手のオークション、贅沢な生活。
しかし孤独で人生の晩年にさしかかっている。
ある日彼にかかってきた謎の女の電話。
死んだ両親の残した屋敷の古美術品を鑑定し売りさばいて欲しいとの申し出。
断るつもりだった彼が、謎めいた女の言葉に興味を持ち仕事を引き受けたところから
話が動き出すのですが、まぁ見事に意外な展開の連続で二転三転。
ミステリーかと思って見始めたらさにあらず。
敢えて分類するなら、恋愛ドラマだと思います。それもファムファタールもの。
とにかく面白くてぐんぐん引込まれて、最後にあっ!というラストなんです。
…是非見て頂きたいので、書きませんけど。
細部まで作り込まれたセットと小道具、光と影を巧みに操る演出、カメラワーク。
そして、何より役者さんが素敵。
気難しくやり手で人間嫌いの主人公:ヴァージルを演じたジェフリー・ラッシュ。
どっ…かで見たぞ?としらべたところ、パイレーツオブカリビアンのバルボッサ。
英国王のスピーチでは言語聴覚士の先生役でしたな。
特別ハンサムとかじゃないんですが、声がよくて佇まいが素敵。
不思議な色気があるんですよねー…。
空の青の瞳が印象的。
服装も振舞いも完璧なヴァージルが、顔の見えない女に振り回され、柄にもなく走り回ったりこっそり覗きをしたり、ペースを乱されて泥沼のような片想いにずぶずぶとはまり込んでゆく様は、クスッと笑えてとっても悲哀があって素晴らしい。
そして人生の大半を人との関わりを避けながら暮らし、地位も財産も築いた男が、
<顔の見えない女>の、意味深長な言葉に翻弄されていく様の巧みな描写。
声は聞こえど姿は見えず。
「見ること」への欲望が一人の頑な男の人生を一変させてしまう。
実際には彼女は、変哲もないつまらない女かもしれない。
でもやっぱり一目見たい。
ギリギリの心理的駆け引き。見てる私もいつの間にかヴァージル目線。
この辺の持っていき方が本当に上手い。手練の仕事って感じ。
まぁ考えてみればネット上のやり取りも似たようなものかもしれません。
今、私の日記を読んでくださってる方々のほとんどがお会いしたこともなく(笑)
手を伸ばせばそこに相手がいるんじゃもどかしさもひとしおでしょう。
さて、彼には美女の肖像画を収集する趣味があって、自分のオークションで友達に
絵を高値で落札させて裏で買い取るという詐欺紛いのことをやってるんだけど、
友達の自称:芸術家を演じるのがドナルド・サザーランド。豪華。
そして機械仕掛けなら何でも手作りしてしまう天才肌の青年:ロバート。
彼のお店のセットがそれはそれは素敵。
怪しげな金属部品や歯車や工具なんかが所狭しと並べられていて、謎のおもちゃ箱をひっくり返したような、どことなくファンタジックな場所。
そこへヴァージルが18世紀のからくり人形の部品を少しずつ持ち込んで、ロバートが組み立てていくんだけど、このからくり人形と歯車が、映画のラストを暗示する
象徴的な存在なんですよ。
また恋愛経験のないヴァージルが<経験豊富>なロバートに「次の一手」のための
アドバイスを依頼するので、その心の動きが手に取るようにわかってしまう。
このことが実は後々とっても重要な意味を持ってくるんですけど。
ロバートを演じる俳優さんがまたセクシーなんだよねー…。
ハンサムでとても器用で、天使のように気まぐれで無邪気(少なくとも見た目は)
痛々しい展開だし確かに残酷でもある。
だけど見終わった後嫌な気分にはならないですし、救いのないラストではない。
女の言葉はどこまで真実なのか?
途中ヴァージルが女の様子を物陰から覗き見るシーンで、見られてると知らない女は電話でちらっと違和感のある言葉を発するんですけど…ヴァージルは気づかない。
その時点で、彼はすでに恋の魔法にかかってしまってるなとわかるカット。
これ以上はネタバレになるので、書きません(笑)
結論は敢えて出さないラスト。
いかにもヨーロッパ映画らしい映画を見たな、って気分になりました。
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