仮面の家族、感情の記憶
2015年4月25日 TV コメント (2)風邪をひいて体調最悪な時にHDD編集しようとしてアイムホーム#2を削除…。
あまりのショックに昨日はわっつを聞くや否や寝てしまいました。
頭がぼーっとしてるときに編集作業なんかやっちゃダメですね。
師匠がダビングしてすぐ送ってくれそうで良かった。持つべきは妖怪の友(違)
凄かったですねアイムホーム#2。
#1でざざっと現在の久の人となりと過去・現在の家族との距離感を見せておいて、
冒頭からいきなり本題へ突っ込んでいく。
顔の見えない女との情事の後、女のタバコを失敬して火を着ける久。
いかにも慣れた仕草が、不実な関係の日常化を匂わせる。
狡猾で冷たい男。でもどうしようもなく色っぽい、退廃の匂い。
はっと怯えた表情で夢から醒める久。
ここで彼が「また変な夢を見た。」と語るのが興味深い。
今の久は、あれが過去の自分とは思っていない。
過去と現在は分断され、唯一、細い細い夢の糸で繋がっている。
目覚めている時の久に、それは存在しないも同じこと。
しかし夢に絡まる感情に久は怯える。
『感情の記憶』
ミッチー演じる脳神経外科医がこんな話をする。
『Aが記憶障害のあるBの頬をつねったとする。暫く時間を置くとBはAにされた行為を忘れてしまうが、Aに対して何となく<嫌な感じ>を覚える』
具体的な出来事は忘れても感情の記憶は消えない。
久は借りっ放しのDVDで大学時代からの親友、山野辺を思い出した。
記憶の中の山野辺は映画監督を夢見る青年。
久は山野辺の夢を応援する理解者だった(少なくとも今の久の記憶では)
過去を知る人との再会で有頂天になり、甲斐甲斐しく食事の支度をする久。
しかし山野辺の表情は冴えない。
やがて久は空白の5年間に何が起きたのかをはっきりと理解する。
雨の中、山野辺との別れに涙する久の、胸が震えるような涙。
彼は過去の自分が<どんなに嫌なやつだったか>知り始める。
しかし過去の記憶を<取り戻した>わけではない。
他人から見た久の話を聞き、理解しただけ。
そこには懺悔や後悔の念はあるけれど、犯した過ちの数々は、ある意味他人事。
かもしれない。
#1で久は竹田専務に「僕は一度死んだんです。」と語った。
生まれ変わった久は、過去の久の良心が産み出した人格かもしれない。
鬼社長の会社を何度も訪問し、説得を重ね、新たな事業の提案まで漕ぎ着けた
見事な手腕は、料理の腕前同様、知識と肉体の記憶の産物なのは納得できる。
だったら5年間の記憶を曖昧にしている原因は何だろう。
そして一番の謎。どうして妻と子供の顔が仮面に見えるんだろう。
そこであの脳神経外科医の話を思い出す。
『感情の記憶は消えない』
罪は忘れても、後悔、自己嫌悪、罪悪感ははっきりと残っているのかもしれない。
親友から奪っても手にいれた妻と可愛い子供を裏切り続けた久の、感情の記憶。
しかし良心の作った人格である今の久には罪を犯した記憶はない。
覚えはないけれど、自分は二人に取り返しのつかない酷いことをし続けていた。
とすると、妻と子供が仮面に見えるのは<感情の記憶>のせいかもしれない。
仮面に見える=『顔が見えない』のはむしろ『顔を見れない』から。
二人としっかり向き合うには過去の自分を理解するだけでは足りない。
玉手箱を開けて失われた時間とあるべき姿を取り戻すように、過去と現在が繋がって
統合された人格の家路久となって、妻と子に向き合うこと。
そして二人が久を赦し受け入れられた時、仮面の向こうの顔に向き合える気がする。
素晴らしいですよね、木村拓哉のお芝居。
冒頭のベッドでのシーン。女のタバコを失敬したちょっとした仕草。
あるのとないのじゃ全く違う。
圧巻は山野辺との別れのシークエンス。
夜、雨。
闇に溶け込む黒っぽい衣装。表情だけがぽっかりと浮かび上がる。
淡々と胸のうちを語る久、その瞳はいつか潤み、親友への懺悔の言葉につれ
キラキラ輝く。
…お芝居とは思えなかった。
じわっと、だんだん瞳が濡れていくあの感じ。
久の感情の昂りがまんま木村拓哉という役者さんの感情とシンクロしてた。
あのとき泣こうとして泣いたんじゃなく、堪えてたから瞳が濡れたんじゃないかと。
そう思えた。
彼のお芝居を受ける山野辺役の田中さんもとーってもよい役者さんですよねぇ。
木村との間もばっちり。
芸人さんって仕事柄ああいう呼吸を読むのはとっても上手ですけど、田中さんのは
そういう域じゃなく彼もまた役と同化するタイプだなぁと。
ああ、これ一回じゃ勿体ない。また二人が絡むシークエンスないかなぁ。
そして七高監督、素晴らしい。
MAYUKO様がとっても的確に書いてらしたので割愛いたします(笑)
あまりのショックに昨日はわっつを聞くや否や寝てしまいました。
頭がぼーっとしてるときに編集作業なんかやっちゃダメですね。
師匠がダビングしてすぐ送ってくれそうで良かった。持つべきは妖怪の友(違)
凄かったですねアイムホーム#2。
#1でざざっと現在の久の人となりと過去・現在の家族との距離感を見せておいて、
冒頭からいきなり本題へ突っ込んでいく。
顔の見えない女との情事の後、女のタバコを失敬して火を着ける久。
いかにも慣れた仕草が、不実な関係の日常化を匂わせる。
狡猾で冷たい男。でもどうしようもなく色っぽい、退廃の匂い。
はっと怯えた表情で夢から醒める久。
ここで彼が「また変な夢を見た。」と語るのが興味深い。
今の久は、あれが過去の自分とは思っていない。
過去と現在は分断され、唯一、細い細い夢の糸で繋がっている。
目覚めている時の久に、それは存在しないも同じこと。
しかし夢に絡まる感情に久は怯える。
『感情の記憶』
ミッチー演じる脳神経外科医がこんな話をする。
『Aが記憶障害のあるBの頬をつねったとする。暫く時間を置くとBはAにされた行為を忘れてしまうが、Aに対して何となく<嫌な感じ>を覚える』
具体的な出来事は忘れても感情の記憶は消えない。
久は借りっ放しのDVDで大学時代からの親友、山野辺を思い出した。
記憶の中の山野辺は映画監督を夢見る青年。
久は山野辺の夢を応援する理解者だった(少なくとも今の久の記憶では)
過去を知る人との再会で有頂天になり、甲斐甲斐しく食事の支度をする久。
しかし山野辺の表情は冴えない。
やがて久は空白の5年間に何が起きたのかをはっきりと理解する。
雨の中、山野辺との別れに涙する久の、胸が震えるような涙。
彼は過去の自分が<どんなに嫌なやつだったか>知り始める。
しかし過去の記憶を<取り戻した>わけではない。
他人から見た久の話を聞き、理解しただけ。
そこには懺悔や後悔の念はあるけれど、犯した過ちの数々は、ある意味他人事。
かもしれない。
#1で久は竹田専務に「僕は一度死んだんです。」と語った。
生まれ変わった久は、過去の久の良心が産み出した人格かもしれない。
鬼社長の会社を何度も訪問し、説得を重ね、新たな事業の提案まで漕ぎ着けた
見事な手腕は、料理の腕前同様、知識と肉体の記憶の産物なのは納得できる。
だったら5年間の記憶を曖昧にしている原因は何だろう。
そして一番の謎。どうして妻と子供の顔が仮面に見えるんだろう。
そこであの脳神経外科医の話を思い出す。
『感情の記憶は消えない』
罪は忘れても、後悔、自己嫌悪、罪悪感ははっきりと残っているのかもしれない。
親友から奪っても手にいれた妻と可愛い子供を裏切り続けた久の、感情の記憶。
しかし良心の作った人格である今の久には罪を犯した記憶はない。
覚えはないけれど、自分は二人に取り返しのつかない酷いことをし続けていた。
とすると、妻と子供が仮面に見えるのは<感情の記憶>のせいかもしれない。
仮面に見える=『顔が見えない』のはむしろ『顔を見れない』から。
二人としっかり向き合うには過去の自分を理解するだけでは足りない。
玉手箱を開けて失われた時間とあるべき姿を取り戻すように、過去と現在が繋がって
統合された人格の家路久となって、妻と子に向き合うこと。
そして二人が久を赦し受け入れられた時、仮面の向こうの顔に向き合える気がする。
素晴らしいですよね、木村拓哉のお芝居。
冒頭のベッドでのシーン。女のタバコを失敬したちょっとした仕草。
あるのとないのじゃ全く違う。
圧巻は山野辺との別れのシークエンス。
夜、雨。
闇に溶け込む黒っぽい衣装。表情だけがぽっかりと浮かび上がる。
淡々と胸のうちを語る久、その瞳はいつか潤み、親友への懺悔の言葉につれ
キラキラ輝く。
…お芝居とは思えなかった。
じわっと、だんだん瞳が濡れていくあの感じ。
久の感情の昂りがまんま木村拓哉という役者さんの感情とシンクロしてた。
あのとき泣こうとして泣いたんじゃなく、堪えてたから瞳が濡れたんじゃないかと。
そう思えた。
彼のお芝居を受ける山野辺役の田中さんもとーってもよい役者さんですよねぇ。
木村との間もばっちり。
芸人さんって仕事柄ああいう呼吸を読むのはとっても上手ですけど、田中さんのは
そういう域じゃなく彼もまた役と同化するタイプだなぁと。
ああ、これ一回じゃ勿体ない。また二人が絡むシークエンスないかなぁ。
そして七高監督、素晴らしい。
MAYUKO様がとっても的確に書いてらしたので割愛いたします(笑)
コメント
昨晩は帰りが遅くなったので
まさかそんなことになっていたとは…。
私はもう、アイムホーム中毒です。
非常にまずい…
ロイド終わりも大変でしたが、
2話でこれですから…どうなってしまうかわからないw
お返事遅れて申し訳ありません!!
…そうなんです。わたくし、一生の不覚。よりによって。ううううっ。
たぬきん師匠がヘルプの手を差し伸べてくれました(嬉)
アイムホームはリピートするたびに発見があって「あ、あそこどうだっけ?」って
また見たくなる中毒性、ありますよね。
久ロス、結構怖いです。私も。
でも、どーんと来い!ですよね。
この先も今のテンションで突っ走っていただきたい!