A Life with Camera

2015年5月4日 趣味
上田義彦さんの写真って意識してなくても『無印良品』とか『サントリー烏龍茶』
のポスターを撮ってらっしゃるといえば結構な割合の方が「ああ!」って思うんじゃ
ないでしょうか。
木村ファンならTOYOTA ReBORNやUOMO、ananでのコラボが思い浮かぶはず。
その上田義彦さんが35年間の軌跡を自ら選んだ写真で辿る展覧会に行きました。
http://gallery916.com/exhibition/alifewithcamera/
上田さんの写真を一言で表現するなら<端正>でしょうか。
被写体、構図、色彩。
写真集を開くとき、オリジナルプリントに対面するとき。
なんだか背筋を伸ばし、衿を正さなきゃいけない気分になるのです。

シャッターを切る。

その一瞬に辿り着くまでの、気が遠くなるような瞬間の積み重ね。
被写体と写真家。ギリギリまで突き詰め向かい合う緊張感。
被写体は人物、情景、風景、生物と様々ですが一貫した上田さんの視線を感じる。
糸井重里氏の『ほぼ日』でギャラリーの様子と上田さんのインタビューを連載中。
http://www.1101.com/ueda_yoshihiko2/2015-05-04.html

A Life with Camera=カメラと共に在る人生。タイトル通りの構成です。

個人的に一番印象に残ったのはM.Seaのシリーズ、夜の海。
http://shooting-mag.jp/news/image/2014M.Sea.jpg
真っ暗闇に微かに浮き上がる白い飛沫。
それが何なのか理解する前に直観的に感じ取るエネルギーの噴出。
闇夜に波を見て・撮っているのは上田義彦という写真家の目であり、写っているのは彼が感じた<その>瞬間。ずっとずっと見つめ続けるうち、自分と対象の境が曖昧になっていく、その瞬間に切られたシャッター。
その写真を見る私は、映っているのが波であると理解するより早く、写真家の
<視る目線>と同化している感覚。
自分じゃない人の目で何かを視る、隅々まで端正な、カメラと共にある目線で。
その体験はとっても…スリリングでした。

キムラさんの写真、2枚あります。
1枚はReBORNの一番最初のやつ。
もう一枚は明るいスカイブルーをバックに同じ色のスーツに身を包んだ彼。
上田さんの視た彼は、端正で強固、しなやか。

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