樹木希林さんと再共演。

ビストロに出演なさった希林さんの言葉の続き、聞きたいと思っていた。
以前からプライベートでも交流があるようなので(前回の出演で話していた記憶)
既に、あるいは近いうちに交わされるかもしれない。
自分の出演作はあまり人に勧めたりはしないけれど、石井監督・希林さんと共演した
Black Roomは別。
…ビストロでの希林さんの言葉「(キムタクを)求められるのが残念」。
彼はどう受け止め・何を考えただろうか。
キムラは常に「求められれば。」と口にする。
歌もダンスもコントもコンサートも、そしてお芝居の仕事も。
一見受身ににすら思える言葉だけれど、その<求め>へ彼がどう向き合うか。
結果を見れば、彼の<応える>姿勢が生易しいものではないと分かる。
私たちが目にするのは、<応える>ための壮絶な戦いの結果だけ。
希林さんは、そのことを知りながら敢えて投げかけた。
そんなふうに見えた。
希林さんの言葉に何を思ったか。
キムラが言うはずないと思ったし、やっぱり語ってはくれなかったけど、共演作への
愛情が全ての答えかもしれない。
「希林さんはパンクだから。」
パンクとは『反権威、不服従、アナキズムなど既存の価値観へのアンチテーゼ』を
意味する。
キムラの表現は樹木希林という女優さんの本質を見事に掴んでいる。
<ロックな女>の進化系の一つかもしれない。
人生の先輩の反骨精神溢れる強靭な人間性に強烈に惹かれる彼の心が透けて見える。
「また共演したいです。」
「僕の夢です。」
パンクな女と、負けず嫌いに細やかで深い感受性を兼ね備えた年下の男。
ユーモラスでスリリングでぶっ飛んでいて温かい。
そんな作品で、是非。

…やっぱりキムラの叶えたい夢は俳優としての場にあるんだなぁ。

ちょっと話はズレますが、『世にも奇妙な物語』のシリーズ。
キムラの出演作全てが完成度が高い。
比較的短い中で物語のコアに絞って濃密に作り込む手法が、キムラの持ち味に
ぴったりなのかもしれません。
ずいぶん長い間遠ざかっていますが、そろそろ新作なんて、どうかなぁ…。

コメント

nophoto
祐子
2015年6月1日20:41

ワッツはいつも文字にして下さる方のを読ませていただいています。
そうですか、希林さんと再共演したいのが夢なのですね。
中井貴一さんとも演じてほしいですけど。

「キムタクを求められるのが残念」と言われていたようですね。
私、以前に主人と文学座の会員になってほぼ隔月にお芝居を
見に行ってました。主として杉村春子さんがお目当てでした。
その杉村さんはとても個性の強い方でそれこそどんな役を
演じても杉村さんでした。
杉村さんの「欲望という名の電車」や「女の一生」、その他の役も
まずは杉村さんありき、でした。
だからこそそれを楽しみに見に行ったのです。
もしかしてもっと別の女優さんの方が上手かも知れないけど、
でも杉村さんがブランチをどう演じるのかそれが見たかった
のです。

こんな例は見当違いかもしれませんが、ルノワールの絵は何を
描こうとルノワールの絵です。これがある時はピカソ風に、
またある時はセザンヌ風だったら美術史には残らなかったでしょう。

だから木村氏がキムタク風に演ずるのは、それも魅力いっぱいに、
少しもおかしくないと思っているのです。
幸いに彼の演技力の幅はすごいです(プライドのハルとロイドと
家路の両久)。

これも以前に聴いたのですが、ある著名なドイツの俳優さんが
来日した際に役について「優れた役者とはどんな役を演じようとも
その役者自身の個性がそこに反映されている役者のことだ」
これは欧州の演技論らしいので、日本には当てはまらないのかと
ずこぶる残念なのです。

蛇足になりますが、私は随分前に亡くなった太地喜和子さんと
木村さんの組み合わせが見たかったです。
生きている女優さんならジャンヌ・モロー、メリル・ストリープ
かな(笑)

HT
2015年6月1日23:12

こんばんは祐子様。

私は杉村春子さんのお芝居を知らないのですが、祐子様の文章ですごく魅力的な方だったのは伝わってきました。
唯一無二の存在。だからこそ、たくさんの人が彼女(のお芝居)を見るために何度も何度も劇場に足を運んだのだろうと思います。

>>だから木村氏がキムタク風に演ずるのは、それも魅力いっぱいに、
少しもおかしくないと思っているのです。

そうですね。
たぶん樹木希林さんが<残念>なのは演技の幅でなく役の幅のことだと思うのです。むしろキムラの演技の幅が広いのを分かっているからこそ、の言葉だと。
キムタク風に演ずるのも魅力の一つだろうと思う。
しかし演じるキムラにとって、それほど高度な要求ではないかもしれない。
もっと言うと、キムタクに要求されるのは<ヒットする>お芝居であって、役者としての木村拓哉の表現力を生かし切れてないのでは…というような。
イメージが固定化されすぎて演じる側(つまりキムラ)としての面白みはどうなんだろう?…なんて考えてしまうんですよね。

>>「優れた役者とはどんな役を演じようとも
その役者自身の個性がそこに反映されている役者のことだ」

その通りだと思います。
希林さんがおっしゃりたかったのも、そこかなと。
様々なタイプの役を<生きて>居ながら、木村拓哉ならではの魅力を放つ。
力があるのに、演じる役の幅が狭いが故、能力の全てを開放できないなんて、本人
だけでなくファンにとっても不幸だと思うのです。

>>太地喜和子さんと
木村さんの組み合わせが見たかったです。

この二人なら色っぽく撮るしかないでしょう!
ジャンヌ・モローなんて共演できたら、泣くかも(笑)