アイムホーム。
最終回、ちょっと駆け足な部分もありましたが。
ラストの久と恵の抱擁で全てが浄化されました。
看護師をはね除けながら、痛みで顔を歪めながら廊下を這いずる久。

僕は、僕には恵でないとダメなんです!!

叫び過ぎてもう、言葉が意味を失いかけて…執念、ほとんど狂気に近い。
ようやく恵の病室に辿りつく。
最初のカットでは、彼にはまだ仮面に見えている。
それは久の表情を見ればもう、一目瞭然で。
それが向き合って…指先で触れたとき、サラサラと崩れ落ち始める。
…お姫様にかかっていた呪いがついに解けた瞬間。
いや、恵はお姫様じゃなかったな。
初回と最終回の病室の窓辺にあった聖母子像。
恵こそ、久にとっての聖母マリア。
惜しみなく降り注ぐ愛。慈愛をめぐむ者。
監督が名前に拘ったって言ってたのは、この意味だったのか。
過去の久が心の底で求めていたのに、いつも指の先からサラサラ零れ落ちたもの。
欲しくて欲しくて、ぽつんと取り残された砂漠のような場所をぐるぐる回りながら、
天を仰いで呪いの言葉を吐きながら。
恵はいつも溢れるそれを、久の上に降り注ぎたいと願っていたのに。
愛は、降り注ぐ慈雨のようなもの。
でも、砂漠のように乾き切った場所では、喉を潤す前に蒸発してしまう。
過去の久は一度死んで生まれ変わるまで、それに気づけなかったんだな。

恵を演じた上戸さん。すっぴんに近い顔でしたが、本当に美しい。
久に抱きしめられたときの顔。輝いてました。
もしかしたらお腹に赤ちゃんがいるのも、良い方に作用したのかもしれません。
久を演じたキムラ。
びっくりするほど可愛らしく若く見えた(笑)前髪の威力か?
いやぁ、それだけじゃないでしょ。
彼は…キムラの魂はその瞬間、完全に家路久そのものになっていた。
聖母の慈雨を求める幼子に。
幼子として彼女の前に進み出た久。
仮面が外れた瞬間に、彼は再び一人の男として彼女を抱きしめた。
そう、二人で共に歩いていかなければ。
アイムホーム。
ただいま。と言い続ける為に。

良雄とすばるのシーンも良かったなあ。
すばるを演じた山口まゆちゃん、最高。声と笑顔が素晴らしい。

そして沢村一樹さん!!
木村拓哉を乙女にする男www
今日のWSでも素敵でしたな(笑)
久と社長。そして小机狸と黒木。
巨額損失隠しを巡る男たちの暗躍の物語りがめちゃくちゃ見たい!!
だって…ブラック久最高じゃなかったですか?あの悪そうな顔。
あと、黒木役の新井さんがすごく素敵なので、勿体なくて。
もっと絡んで欲しい。

ああ、早くリピしたい!!

コメント

nophoto
明石
2015年6月19日21:34

こんばんは。
久と恵が白い床で抱き合うシーンが美しかったですね…
仮面が、はずれるのではなく、空中に粒子が消えるように無くなったのが新鮮でした。
私は、真っ先に原作のマンガを読んでしまったクチなので、
最終回で仮面がどうなるのかとても気になっていたのですが、
実際に目の当たりにすると、仮面の消え方よりも、恵が涙を流す顔に、泣けてしょうがなかった。
久の思いのこもった指が、とてもやさしく、恵の顔の傷を避けるように動いているのが、
「ああ、久に恵の顔が見えているんだな」と実感させてくれました。
その前に、久の表情が、恵の顔が見えていることを充分伝えてくれていましたけど。
久の飛び散る涙も目に焼き付いています。
這いずる久さんは、なんとも言えない気持ちにさせてくれるし。

ブラック久とホワイト久が、ただ白い空間で対峙するのも、
非常にハードルの高いシーンだったと思います。
見ごたえあるシーンが多いですよね。

黒木さんと久さんが絡むシーンはもっと見たかった。
新井さんにとってまさに役不足だったと思います。
「アイムホーム」は仕事ができる人を描けるドラマだったのもよかった。
またどこかで続きを見たいです。

HT
2015年6月19日21:57

明石さんこんばんは!

>>久の思いのこもった指が、とてもやさしく、恵の顔の傷を避けるように動いているのが、
「ああ、久に恵の顔が見えているんだな」と実感させてくれました。

そう!
あの感じは本当に<顔が見えてない>期間があったからこそだと私は思っていて。
彼、わっつで語ってましたよね。超かわいい上戸さんの顔が目の前にあっても
見えてない、って。もちろんカメラが回ってないときは違うのでしょうけれど。
仮面が消えるところ、実に美しいシーンでした。
なんかね、魔法が解けるみたいじゃなかったですか?
ちょっとメルヘンチック(笑)

そして、黒木・久のシーン、物足りない!!!
新井さんいい感じだったのに。もっと絡みがあるかと思ってました。勿体ない!
テレ朝のHPにスピンオフお願いしようなかと真剣に考えています。
もっと見たいですよね。

nophoto
裕子
2015年6月20日12:08

HI様

本当に「美しい物語」だったと思います。
9本の鍵は最後の1本のためにあったと思えました。
他者を見ていない者は結局自己をも見ていないのだと
9話の久の仮面は言っているようでした。

ずっと他者によってしか自己を確認することが
出来なかった(しかもブラックの)ホワイト久の苦悩を
思うと本当に心が痛みました。
私だったらとっくの昔に自己破綻していたでしょう。
でも久はそれを耐えて耐えてブラックとホワイトとを
併せ持つ、これまでよりさらに大きな自分・自己へと
成長したと思いました。
人生とは遍歴の旅であると言われますが、久は10本の
鍵を元にして多様な初体験をたどって心の遍歴の旅を
して来たのだと思っています。

相田冬二さんがこれは実存をめぐる物語だといわれていた
ようですが、ラストを見てその意味が理解出来ました。

それにしても木村拓哉という役者は凄いです!
どんな役も自在に自家薬籠中の物にしてしまう。
そして自分ばかりでなく相手役をも輝かせることが
出来る。
本当に国宝級です!

ロイドも見たいです、その前にスピンオフ・ブラック久
をやってくれるといいですね。
公式BBSにも沢山のリクエストありましたね。
実現するとよいのですが。

日刊グランプリも応募が始まっていたので製作者の皆さんの
励みになればと思い、書いてきました。

次は木村さんそのもののような?HERO。
文部科学省とのタイアップらしいですね。
いいんだかどうか。。。

これから毎木曜日は1話から順に見ていきます。
だって寂しいんですもの。

HT
2015年6月20日23:07

裕子さんこんばんは。

>>相田冬二さんがこれは実存をめぐる物語だといわれていた
ようですが、ラストを見てその意味が理解出来ました。

そもそも<私が私である>ことを人はどのように認識しているか。
ほとんどが記憶と人間的繋がりによって構築され、日々更新されている。
久はその両方が曖昧になってしまうわけですからね。それを直接言葉で語らなかったけれど、言動から、彼のそれが不安定に揺れ動く様子が見て取れたと思います。
私が私であるかどうかよくわからない人が、手元の鍵で文字通り自らの過去の扉を
開き、人生の軌跡を辿って行く。
自己の再構築と新たな出発の物語だった、と。
今回、西田さんのおっしゃる<役者 木村拓哉>を十分に堪能できました。
ブラック久のスピンオフ、見たいですね!!
林さんお得意の企業もので。絶対に面白い。

HEROは…いきなりフジらしい企画でなんとも先行きが(ry.
キムラというより所謂キムタクそのもの、じゃないですかねー。
第二シーズンのノリの久利生ならちょっとなぁ←

私も1話からリピします。