『アイムホーム』最終回、炎と煙に巻かれ意識を失った久。
夢の中、ブラック久とホワイト久が邂逅する。
「恵ももうダメみたいだぜ?」「また一人になるか…」
恐ろしい予感に怯えるホワイト久。
ブラック久がすーっとその背後に近寄り、重なる。
ホワイト久が目を閉じびくっと体を震わせた瞬間、目が覚める。
ブラック久とホワイト久…過去と現在を象徴する二つの自我が同化し溶け合った。
目覚めた彼は、記憶の裂け目で分断された不安定な存在ではない。
ブラックとホワイトと色分けできるような男でもない。
冷酷非情でも純真無垢でもない<僕>…家路久として再生した。
恵じゃないとダメなんです!
狂ったように恵の名前を呼びながら、痛みに耐え、這いずりながら進む。
母と引き離され不安に泣き叫びながら探し求める幼い子供のように。
仮面でもいいんです!一緒に生きたいんです!
私はここに居るから。大丈夫。
久の目に仮面が映る。でももう彼は恐れない。まっすぐ仮面の妻と向き合う。
そして頬に触れたとたん仮面は魔法が解けるように風化し消滅する。
久は小さな声で「ごめんね。」と言った。
これを言うために、彼は2度意識を失って生まれ変わった。
1度目は記憶の消失=過去の自分の死。
2度目は過去の亡霊=記憶との再会。
過去の久は空虚な内面を攻撃的な鎧で覆って孤独を誤摩化しながら生きていた。
立ち止まって自分の心の中を覗くのが怖かったから?
(夢の中で過去の久が、家族に会いたい、一人で死ぬのは嫌だと告白している)
今の久は家族も記憶も曖昧で自信なさげだが、失うもののない人特有の強さがある。
過去傷つけて来た一人一人に「ごめんね。」を言ってきた彼は、ようやく、最後に、
一番伝えたかった人の目を見つめながら言うことができた。
恵の美しさ。ほとんど感動的だった。
あたかも皮膚の下から柔らかい光が透けてるようだ。
美しい女であり、妻であり、母。
初回の病室の窓辺にあった聖母子像がこの病室に置かれているのは偶然ではない。
それが暗示する二人…母は恵で子供は久である。
久に抱きしめられながら抱きしめている恵…空から降る一億の星のあのシーン…
涼を抱きしめる優子の姿に重なる。
優子は涼がどんな悪いヤツでも私は味方だよ、と言って彼を抱きしめた。
恵も過去の久にきっと同じことを言って同じように抱きしめただろう。
彼女の名前が<恵>なのは彼女が母なる大地のような女だから。
夢の中、ブラック久とホワイト久が邂逅する。
「恵ももうダメみたいだぜ?」「また一人になるか…」
恐ろしい予感に怯えるホワイト久。
ブラック久がすーっとその背後に近寄り、重なる。
ホワイト久が目を閉じびくっと体を震わせた瞬間、目が覚める。
ブラック久とホワイト久…過去と現在を象徴する二つの自我が同化し溶け合った。
目覚めた彼は、記憶の裂け目で分断された不安定な存在ではない。
ブラックとホワイトと色分けできるような男でもない。
冷酷非情でも純真無垢でもない<僕>…家路久として再生した。
恵じゃないとダメなんです!
狂ったように恵の名前を呼びながら、痛みに耐え、這いずりながら進む。
母と引き離され不安に泣き叫びながら探し求める幼い子供のように。
仮面でもいいんです!一緒に生きたいんです!
私はここに居るから。大丈夫。
久の目に仮面が映る。でももう彼は恐れない。まっすぐ仮面の妻と向き合う。
そして頬に触れたとたん仮面は魔法が解けるように風化し消滅する。
久は小さな声で「ごめんね。」と言った。
これを言うために、彼は2度意識を失って生まれ変わった。
1度目は記憶の消失=過去の自分の死。
2度目は過去の亡霊=記憶との再会。
過去の久は空虚な内面を攻撃的な鎧で覆って孤独を誤摩化しながら生きていた。
立ち止まって自分の心の中を覗くのが怖かったから?
(夢の中で過去の久が、家族に会いたい、一人で死ぬのは嫌だと告白している)
今の久は家族も記憶も曖昧で自信なさげだが、失うもののない人特有の強さがある。
過去傷つけて来た一人一人に「ごめんね。」を言ってきた彼は、ようやく、最後に、
一番伝えたかった人の目を見つめながら言うことができた。
恵の美しさ。ほとんど感動的だった。
あたかも皮膚の下から柔らかい光が透けてるようだ。
美しい女であり、妻であり、母。
初回の病室の窓辺にあった聖母子像がこの病室に置かれているのは偶然ではない。
それが暗示する二人…母は恵で子供は久である。
久に抱きしめられながら抱きしめている恵…空から降る一億の星のあのシーン…
涼を抱きしめる優子の姿に重なる。
優子は涼がどんな悪いヤツでも私は味方だよ、と言って彼を抱きしめた。
恵も過去の久にきっと同じことを言って同じように抱きしめただろう。
彼女の名前が<恵>なのは彼女が母なる大地のような女だから。
コメント
毎週木曜日の楽しみが無くなって寂しい限りですが、改めて
1話から見直すと、全編の筋がきちんと通っていることに気付きます。
原作があるのとないのとでは揺るぎの幅が違いますよね。
それにやはり脚本家の原作への理解度もすごく大きな要素だと
思いました。
二人の久、あのふたつの対峙シーンは原作にあるのでしょうか。
バックを白にしての全く違う表情の二人、CGの技術もさること
ながら木村さんの、いうならば二重人格の演じ方に何度見ても
驚かされます。
ロイドの時もあの繊細な黎士(優秀なのにあまりひとと目も合わせられず、
近寄ると後ずさりをするような研究者を実際に知っているだけに、
あの黎士の演技にはすごく驚かされました)とニコリともしないロイドに
しびれましたが、あの醍醐味をアイムホームでも味わうことが出来て至福の
3か月でした。
先日も友人と話したのですが、上戸彩さんは、今の時期(結婚してやがて
ママになる)に木村さんと共演してくれて良かったでした。
恵もやはり久と共に成長して行ったのではないかと思えるのです。
本当に母性だけの女性だったら、ブラック久との離婚は考えなかった
でしょうから。そしてもし久が事故に合わなかったら、昔の恋人と
どうなっていたかわかりません。
あの微妙な関係の時期での久の事故、私には神様の計らいだった
ような気がしてなりません。ふたりに試練を与えたのでは、と。
母子像はマリアと子供(久でもあり恵でもある)のような気がするの
ですが・・・
HI様の素晴らしい考察力に支えられて、いろいろのことを考えつつ
楽しめたアイムホームでした。
心から御礼申し上げます。
次はいよいよHERO、これもやはり楽しみです、楽しまなくては
木村さんに悪い(笑)!
これからもよろしくお願いします!
二人の久のシーンは原作にもあったようです。
人伝えで聞いたので確実ではないけれど、あのシーンを放映してくれて感謝です。
彼の目線やタイミングの合わせ方。CGももちろんだけど、カンの良さも大切。
黎士/ロイドもでしたが、声色から細かい仕草まで変化する彼のアレ。
なんだろうな…役作りという言葉からもちょっと異質な気がします、いつも。
>>原作があるのとないのとでは揺るぎの幅が違いますよね。
それにやはり脚本家の原作への理解度もすごく大きな要素だと
思いました。
一本筋が揺るぎなく通ってましたね。
おっしゃる通り脚本家の林さんの力も大きいかと思います。
特に言葉が。浮ついた感じが一切ないのが素敵です。
また木村とお仕事していただきたいですね。
上戸さんは、お腹に赤ちゃんが居る事実が上手くプラスに働きましたね。
不思議な透明感と強さを感じる。今まで彼女はTVで見かける程度だったのですが、
180度イメージが変わりました。素晴らしいことです。
母子像は恵と久。
ファンはここから容易に優子と涼を連想するのではないかと(笑)
木村の今までのキャリアへのオマージュすら感じた演出でした。
テレ朝の程よい距離感。
今後も期待です。
HEROですね…(笑)
どっから馴染んでいったもんかと思っていたのですが、雨宮を見、お松さんのインタビューを読んで、コレはいけるかも?って。
(未だに前売り券買ってないんだけど)
ああ、もう7月は目の前ですね。
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。