『HEROを作った男たち』を友だちにダビングしてもらって見ました。
監督の鈴木さん、脚本の福田さん、音楽の服部さん、美術の森田さん。
ファーストシーズンからHEROに関わった4人の主要スタッフの対談です。
これがとっても面白かったんです。
絵面的にはおじ様4人が語り合ってるだけなんですけどね。
特にファーストシーズンの企画から製作、放映までのギリギリ感のお話は凄かった。
…何となく予想はしてたんですけど、やっぱり。なぁるほど。
と思ったことをいくつか。

『木村くんでドラマをやるのは決まってたけど、何をやるかがなかなか決まらない』
こんなドラマを作るから、木村さんで。…じゃないんだよね。
まぁそこは予想通り。ただし、
『木村ドラマは毎回局全体で大掛かりになるけど、HEROはそうじゃなかった』
…まぁ結婚直後で世の中的には「キムタク終了。」の空気もありましたし。
ここからは私の推測なんですけど、だからこそHEROは面白かった、のかも。
トップダウンでなく現場で、スタッフの智慧を結集した企画だったからこそ、鮮度のあるドラマがたくさんの人を惹きつけたのかもしれません。
ファーストシーズンをオンエアに漕ぎ着けるまでのギリギリ感のお話はまさに産みの
苦しみだなぁと思いました。
で、鈴木監督って人の意見を取り入れる柔軟性と人を動かす力のある方だなぁと。
脚本家の方にも音楽家にも美術さんにもどんどん提案してもらう。
妥協はないけれど意見は聞く。
何度も直して最終的にいちばんいい場所へ着地する。
鈴木監督への信頼度の高さが会話から垣間見えました。
続編をやらなかった木村の例外がHEROなのは監督への信頼感もあると思う。
その木村については、目力が凄いとか会話するときに目を逸らさないとか、
セットの中でどう動けばいいか完全に理解しているとか(ダンスをやってるから?)
さもありなんなエピソードだったのですが、一番興味深かったのが福田さんの言葉。
「その日、たまたま撮影の現場に居てモニターを見ていた」そうです。
9話の、久利生の部屋のソファで雨宮が久利生の肩に頭を凭せて眠ってしまうシーンのお芝居。久利生は雨宮を起こさないよう不自然な姿勢でコップを後ろの棚に置き、雨宮の手の中のコップをそっと取って同じように後ろへ置く。
そのお芝居を見て驚いたと。「そんなこと台本には一言も書いてないんです。」
で、とってもお芝居が上手いなぁとおっしゃっていました。
…福田さんの言葉のニュアンスを伝えるのは難しいのですが、文字で書かれた台本と
身体で表現するお芝居との間にあるものの大きさを実感されたのかもしれません。
4人の中でその部分に言及したのは福田さんだけだったので、余計に印象的でした。
今、映画HEROが公開中です。
セカンドシーズンのメンバーにプラス、雨宮の存在がある。
雨宮と久利生はお互いの心の内をさらけ出さない大人の関係。
二人のシーンでは、お松も木村も細やかな表情の変化や佇まいで、台詞以上の感情を表現している。
脚本家の福田さんも監督の鈴木さんも、二人の表現力と呼吸に信頼感があるからこそ託せた演出だった気がします。
そうだ。
鈴木監督は吉田羊さんと北川景子ちゃんを<手練(てだれ)>と大絶賛でした。
とりわけ北川さんのいい表情は撮らずにいられないそう。
木村にも同じことを言ってたなぁ。目力が凄い、撮らずにいられないと。

もう一つのHEROに関わった男たち(と女たち)
オールナイトニッポン、起きてられなくて翌日ファイルからDLで聞きました。
もう最高!面白い!
セカンドシーズンの城西支部のあの空気感は作りものじゃなかったんですね。
役柄と役者さんのもつ個性が、まんまではないけど絶妙にシンクロしてる。
木村は、長くわっつをやってるだけあって仕切りが上手い。
声もいいし、機転が効くし、なにより声だけなのに表情がよくわかる。
やっしーに誘われてLINEを始めたくだりなんて可愛くて(笑)
スタンプを大量買いしてるって話は前にわっつで聞いた気がするけど、とにかく
やっしーが突っ込むwそして時々悪魔になるコヒさんw
…これは現場は楽しいだろうなー。
ファーストシーズンに思い入れがあったろう木村が、セカンドシーズン参加を決めたのは、鈴木監督との絆もあり、そして以前からのメンバー…コヒさんとやっしーが
居てくれたからってのも大きいに違いない。
亡くなられた児玉さんのことを懐かしむような角野さんの言葉にホロリとなり。
木村と、お芝居で深く繋がっている感のある松重さんと。

そうだ、思い出した。
脚本家の福田さんが、日本映画ナビの松重さんのインタビューと同じことを言ってたのに驚きました。
「木村さんの、リアリティを追求するお芝居」と。
やっぱり福田さん、すごく深く木村を見てらっしゃるんだなぁ…。

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