A LIFE7 Back to the basics
2017年2月28日 TV コメント (2)沖田を演じる木村拓哉の涙のお芝居がちょっと話題になったようです。
6話ラストのひとしずくの涙がポロリとこぼれ落ちるのもとても美しかったけれど、
今回は喜びの涙・・・こぼれそうでこぼれない・・・大きな瞳がアップで映し出され
じわっと潤んでキラキラ光るのが強く印象に残ったのだと思います。
思えば木村はよく泣いているんですよね。
例えば。
ロンバケの瀬名。南が下手くそなピアノを弾いてみせるシーン。
透明な大つぶの涙がポロリと転がり落ちるかのような。
眠れる森ではラスト、心臓の止まった直季の閉じた瞼からツーっと流れる涙。
空⭐︎では優子に銃を向けられた涼の、幼子のような無垢の涙。
華麗の、父の言葉に絶望した鉄平の、光を喪った瞳の冷たい虚無の涙。
戻ってきた黎士が麻陽を抱きしめながら流す安堵と喜びの温かい涙。
アイムホーム、恵を抱きしめた久の流した涙も同じ色をしていた気がする。
そしてICWR。
幼子のようなアルカイックスマイルから一転、堪えきれず泣き出すShitao。
あの涙は特別でした。
永久に続くであろう苦痛の予感からの本能的な恐怖と、宿命を受け入れた人間の、
絶望的に深い諦念からくる涙。
一つ一つに細かく注釈をつけていくと限りがないのでこれで止めますが、
同じ涙は二つとない。
いや、それは当然のことかも知れません。
何故なら演じているのは木村拓哉一人でも、泣いているのはそれぞれ違う人で、
その気持ち・立場・シチュエーションが全く別なのだから。
木村はその人を生きている。
だから涙もそれぞれ役の数だけある。
それは、彼が敏感に非常に鋭く感じ、繊細に表現してきたということ。
そう、彼は前から変わらず、ずうっとそうしてきた。
今回、あの涙が話題になったのだとしたら、それは木村拓哉が役者として
余計なフィルターを外した目で見られるようになった、ということかもしれない。
なので余計残念だったんですよね、7話が。
細かく見ると良いシーンや興味深いところがいっぱいあるんです。
例えば、壮大はイライラするとよくナッツだかキャンディだかをガリッ!とちょっとサディスティックに噛み砕いてるんですが(今回も手術室のモニターを覗きながら
やってました)、榊原弁護士もバーで何かを同じ様な音をさせて噛み砕いている。
「手に入らないのなら壊してしまえ。」それがどういう感情なのかよく分かる。
壮大が強く沖田を抱きしめるシーン。
沖田の戸惑いと彼には見えない角度の壮大の笑顔とのコントラストが、本当に嬉しいんだか何かを企んでいるのか、不吉な明るさをはらんでいる。
ほんと、このドラマでの浅野忠信は考えてることが分かりやすい様でわからない。
自宅での朝食シーンもそうで、明るく振る舞うほど怖くなる。
底知れぬ不気味さをあんな風に表現するのってすごいなぁと。
なのに肝心なクライマックスの糸結びシーン。
深いブルーとオペルームのステンレスシルバーが何故か深い海を思わせる。
人間模様の渦巻く壇上病院で、そこだけ違う時空のエア・ポケットのような。
部屋に入ってくる瞬間から沖田がまるで神話の中の男神のよう。
この人なら不可能も可能にできると信じられる力を秘めた目をしている。
・・・のですが。
深冬がね、泣きすぎで冷めてしまったんですよね、私。
気持ちは分かるし涙が流れるのは自然なことだけど、あそこまで泣きじゃくるのは
正直、演出の失敗ではないかと思ってしまいました。
涙は、たくさん流せば感動が深まるんじゃないよね。
深冬、聖母マリアのような女性な設定だというけれど、特に対沖田に関しては
未練残しすぎで鬱陶しくて面倒くさい女性としか描ききれていない。
何となく昼メロっぽくない???と思ってしまうこともしばしば。
沖田の「大丈夫だよ。」がとっても心に沁みるトーンだったので、あそこで深冬が
ぽろっと涙する流れにしたらとても自然で最高に美しいシーンだったのではと。
今回、オペシーンが極端に短かったのも不完全燃焼の要因ですし、
オペ後に沖田先生がパチーンとゴム手袋を飛ばすところもアライフには欠かせない
ポイントだと思ってるんだけど、それもなし。
何だかね、演出が悉くツボを外してない?とすら思ってしまった。
・・・まぁ個人的な感想ですけれども。
アライフは医療の世界の厳しさと人の人生に関わっていくことの責任の重さと、
だからこそ味わう喜びを、たくさんの人に伝えたいと企画されたドラマですよね。
これを見て、若い人たちの中からこの道を選ぶ人が増えれば、とも。
ならば患者とまっすぐに向き合うこと、命を救うことを諦めない医師たちの生き様を
言葉でなく映像でしっかり描いて欲しいのです。
過去の愛憎に囚われて歪んだ男と女の気持ちよりも、ずっと大事なこと。
Back to the basics. 初心に戻れ。
あと3話。
アライフの原点回帰のドラマを見せて欲しいですよね。
6話ラストのひとしずくの涙がポロリとこぼれ落ちるのもとても美しかったけれど、
今回は喜びの涙・・・こぼれそうでこぼれない・・・大きな瞳がアップで映し出され
じわっと潤んでキラキラ光るのが強く印象に残ったのだと思います。
思えば木村はよく泣いているんですよね。
例えば。
ロンバケの瀬名。南が下手くそなピアノを弾いてみせるシーン。
透明な大つぶの涙がポロリと転がり落ちるかのような。
眠れる森ではラスト、心臓の止まった直季の閉じた瞼からツーっと流れる涙。
空⭐︎では優子に銃を向けられた涼の、幼子のような無垢の涙。
華麗の、父の言葉に絶望した鉄平の、光を喪った瞳の冷たい虚無の涙。
戻ってきた黎士が麻陽を抱きしめながら流す安堵と喜びの温かい涙。
アイムホーム、恵を抱きしめた久の流した涙も同じ色をしていた気がする。
そしてICWR。
幼子のようなアルカイックスマイルから一転、堪えきれず泣き出すShitao。
あの涙は特別でした。
永久に続くであろう苦痛の予感からの本能的な恐怖と、宿命を受け入れた人間の、
絶望的に深い諦念からくる涙。
一つ一つに細かく注釈をつけていくと限りがないのでこれで止めますが、
同じ涙は二つとない。
いや、それは当然のことかも知れません。
何故なら演じているのは木村拓哉一人でも、泣いているのはそれぞれ違う人で、
その気持ち・立場・シチュエーションが全く別なのだから。
木村はその人を生きている。
だから涙もそれぞれ役の数だけある。
それは、彼が敏感に非常に鋭く感じ、繊細に表現してきたということ。
そう、彼は前から変わらず、ずうっとそうしてきた。
今回、あの涙が話題になったのだとしたら、それは木村拓哉が役者として
余計なフィルターを外した目で見られるようになった、ということかもしれない。
なので余計残念だったんですよね、7話が。
細かく見ると良いシーンや興味深いところがいっぱいあるんです。
例えば、壮大はイライラするとよくナッツだかキャンディだかをガリッ!とちょっとサディスティックに噛み砕いてるんですが(今回も手術室のモニターを覗きながら
やってました)、榊原弁護士もバーで何かを同じ様な音をさせて噛み砕いている。
「手に入らないのなら壊してしまえ。」それがどういう感情なのかよく分かる。
壮大が強く沖田を抱きしめるシーン。
沖田の戸惑いと彼には見えない角度の壮大の笑顔とのコントラストが、本当に嬉しいんだか何かを企んでいるのか、不吉な明るさをはらんでいる。
ほんと、このドラマでの浅野忠信は考えてることが分かりやすい様でわからない。
自宅での朝食シーンもそうで、明るく振る舞うほど怖くなる。
底知れぬ不気味さをあんな風に表現するのってすごいなぁと。
なのに肝心なクライマックスの糸結びシーン。
深いブルーとオペルームのステンレスシルバーが何故か深い海を思わせる。
人間模様の渦巻く壇上病院で、そこだけ違う時空のエア・ポケットのような。
部屋に入ってくる瞬間から沖田がまるで神話の中の男神のよう。
この人なら不可能も可能にできると信じられる力を秘めた目をしている。
・・・のですが。
深冬がね、泣きすぎで冷めてしまったんですよね、私。
気持ちは分かるし涙が流れるのは自然なことだけど、あそこまで泣きじゃくるのは
正直、演出の失敗ではないかと思ってしまいました。
涙は、たくさん流せば感動が深まるんじゃないよね。
深冬、聖母マリアのような女性な設定だというけれど、特に対沖田に関しては
未練残しすぎで鬱陶しくて面倒くさい女性としか描ききれていない。
何となく昼メロっぽくない???と思ってしまうこともしばしば。
沖田の「大丈夫だよ。」がとっても心に沁みるトーンだったので、あそこで深冬が
ぽろっと涙する流れにしたらとても自然で最高に美しいシーンだったのではと。
今回、オペシーンが極端に短かったのも不完全燃焼の要因ですし、
オペ後に沖田先生がパチーンとゴム手袋を飛ばすところもアライフには欠かせない
ポイントだと思ってるんだけど、それもなし。
何だかね、演出が悉くツボを外してない?とすら思ってしまった。
・・・まぁ個人的な感想ですけれども。
アライフは医療の世界の厳しさと人の人生に関わっていくことの責任の重さと、
だからこそ味わう喜びを、たくさんの人に伝えたいと企画されたドラマですよね。
これを見て、若い人たちの中からこの道を選ぶ人が増えれば、とも。
ならば患者とまっすぐに向き合うこと、命を救うことを諦めない医師たちの生き様を
言葉でなく映像でしっかり描いて欲しいのです。
過去の愛憎に囚われて歪んだ男と女の気持ちよりも、ずっと大事なこと。
Back to the basics. 初心に戻れ。
あと3話。
アライフの原点回帰のドラマを見せて欲しいですよね。
コメント
>>彼は何事にも真摯に向き合い物事を深く深く考える
そうですよね。
涙一つとっても彼の洞察は深く鋭く、表現は繊細で静かに心に沁み入るようです。
必ずしもアップのカットは必要なくて、例えばアイムホームの#2、田中直樹演じる
親友との別れのシーン、傘をさして佇む引きのカットを思い出します。
一転、changeやロイドの演説シーンでは力強い眼差し、背筋の伸びた佇まいに
あの声が聴く者の耳目を捕らえて離しませんでしたね。
8話からの怒涛の展開、期待しちゃいます。
沖田にはどんどん追い詰められて苦悩していただきたい(笑)
コメントありがとうございます。
いろいろお気になさらずお気軽によろしくお願いします!