アライフから間を置かず無限の住人で、怒涛の雑誌攻勢。
切り抜きはしたもののきちんと分類せずとっておいたものをざっと整理した。
これだけたくさんのインタビューを受け、ほぼ同じような質問に終始しながらも、
どこか一つ、他とは違うエピソードを交えて語るのが木村らしい。
昔、インタビューしたライター氏が
「以前のインタビュー内容を覚えていて、同じ話を繰り返すことがない。」
と彼の驚異的な記憶力に驚いた経験を書いてらっしゃったのを思い出す。

アライフ関連では、やはりタッドこと浅野忠信さんとの対談が面白い。
映画の世界を極めた男とドラマの世界を極めた男。
気楽でありながらお互いにちょっと腹の中を探り合うような、褒めあいながらも
ライバル心がじわりと滲み出る感じがなかなかスリリングで、いい。
ライオンの本当の強さを知ってるのはやはり同じライオンなのだろう。

無限の住人ではMIYAVIさんと木村拓哉というフォトジェニック同士が同じ画角に
収まっているのは見て嬉しいし、MIYAV Iさんの真っ直ぐ切り込んでくる言葉、
生ぬるさのないやり取りは、木村にとって気持ちいいものだったろう。
彼もまた、別の種類の猛獣と思う。
群れで暮らすライオンとはまた違う、黒豹のような男。

・・・なぁんて思いながら、UOMOの連載に取り掛かる。
01から、今発売中の号で15回目。
順に並べて眺めてみる。
蜷川実花さんとの初session、01。
彼女のプライベートな空間で撮った02。
・・・そして、03。 水のないプール。
この辺りを久々に見て、ハッとする。
今と、顔つきが違う。
次の04で髪をバッサリ切ったのもあるだろうけど、ガラリと変わっているのだ。
それはもう、劇的な変化で。 端的に言うと『甘さが抜けた』感じ。
SMAP時代を象徴するキラッキラで中性的でどこか夢の中のような存在から、
どっしりとした、目つきの鋭い、紛れもなく40代半ばの男へと劇的に変化した。
04のテーマは「旅」。
誰かを演じるのは、知らない誰かを旅すること。
アイドルという役から降りて、役者であり等身大の40代の男として生きる。
それはより自然に近い木村拓哉であり続けることの決意表明であり、
新たな旅立ちの宣言でもあったのかもしれない。

レギュラー番組がラジオだけになって動く木村の姿を見れるのは、もしかしたら
来年のさんタクまでお預けかもしれない。
でも、UOMOがある。
彼がいま、何を考え、どんな姿で日々撮影に臨んでいるのか。
UOMOの写真にはリアルタイムじゃないのに不思議と「いま」の木村の息吹を
伝えてくれる気がする。
もちろん彼がとびっきりのフォトジェニックであることは言うまでもない。
だけどそれだけじゃない、たぶん。
彼の、「伝えたい」気持ちが数枚の写真から伝わってくる。
(彼自身が写した一枚が必ず添えられているのも素敵だし)

安定して、どっしりと構え、研ぎ澄まされた空気感をまとっている木村。
その姿とよく考えながら書かれたであろう文章を読んでいると、
彼自身の平穏と幸せについて考えてしまう。
ファンの欲望は果てしがない。
その全てを叶えるのは、木村拓哉にだって不可能だ。
だから彼は、いつも最大公約数の「ファンの幸せ」を考えつつ、
ファン以外の、自分の仕事を楽しんでくれる人たちのことを考え、
そして陰に日向に自分を支えてくれる人たちへの感謝を思い、
たぶん最後に自分自身の幸せについて考えるはずだ。
彼自身の幸せと、彼が背負った期待値とが、できるだけ近いものでありますように。

ちなみに。
無限の住人のインタビューで「無限の時間があったら何をしますか?」との質問に
木村は「自分のためじゃなく誰かのために使いたい。」と答えていた。

コメント

nophoto
yukie♪♪♪
2017年10月28日12:23

HTさま、読ませていただきました。ありがとうございます。
まさに、変化した等身大の木村拓哉を今楽しめるのは嬉しいことです。キラキラ夢の様なオーラを纏ったあの頃の木村拓哉への惜別より、これから彼がもたらしてくれるであろう唯一無二の木村拓哉の魅力を受け取れることを期待したいです。最後の無限の時間の使い方には泣きました。

HT
2017年11月1日21:35

yukie様、お返事遅れてごめんなさい。

SMAP解散からドラマティックに変化した木村の様子を輝きが失せたと表現する
ファンもいますので、人それぞれですよね。
SMAPであった時、彼らしくパーフェクトに近い形でアイドルの役を全うしようと、
ある意味「キムタク役」を演じていたのではないかと思っています。
私は木村拓哉が長く望んでいた役者道を邁進する環境がようやく!!実現したと。
そう思っています。

無限の時間があったら・・・の答え、彼らしいですね。
彼の目指すところは「エンタメで人を幸せにする」ではないだろうかと。
平凡に生きる私たちに、ひとときの夢を見せる。
その道の追求に身を捧げる覚悟を、感じました。

nophoto
トマト
2017年11月3日8:20

HT様いつも読ませていただいてます。木村さんの事を的確に書かれていて素晴らしいです。今回の騒動で一番打撃を受けたのは木村さん以外プロではなかったということでした。もしかすると四人は歌やダンスがさほど好きではなかったのかもしれません。木村さんは今、新人として歩き出して、俳優の顔になってきたと思っています。アイドルの顔も同等に好きなのですが、保留して、さんタクでどんな顔になっているか楽しみです。邪魔して欲しくないですよね。これからも木村さんの事沢山書いて下さい。待っています。

HT
2017年11月5日23:05

トマトさま、こんばんは。

連休中のコンテンツの様子を見ても、もう彼らと木村とは全く別の道を歩み始めたんだなぁと実感いたしました。
TVでも映画でも舞台でもネットでも、結局「人」なんですよね。
そこに気づけるかどうか。

さんタク楽しみです!