密林のひみつの花
密林のひみつの花
密林のひみつの花
今年も梅雨がやってきた。
雨が嫌いな者にとっては一年中で一番憂鬱な季節である。
秋から春先にかけて出番の多かった香りを
クローゼットの奥にしまいこむ。
こういう季節にぴったりな香りはやはり、どことなく
雨の空気を漂わせている。
Fluer de Lianeは、まさにそんな香り。
シュッとスプレイすると、目の前に水辺の光景が現れる。
流れる清らかな水ではなく、青く陽気な海辺でもない。
鬱蒼と生い茂った樹々に囲まれた、深い碧色の湖の岸辺。
水面には真っ白い熱帯睡蓮が浮かんでいる。
空気は湿ってひんやりと肌に張り付くよう。
やがてそれは幻のように消えてゆき、
薄暗いジャングルを思わせる香りへ移ろう。
蔓草と柔らかい下草。足下の白い花の茎をポキリと折ってみる。
フリージアのような瑞々しさと、したたる緑の鮮烈な匂い。
頭上に茂った葉から、熱帯の雨の雫がぽつぽつ落ちてくる。

この香りは、昔愛用していたある香水の匂いを思い出させる。
Calvin KleinのESCAPE。
Fleur de LianeとESCAPEは、よく似たアクア・ノートの香りで始まる。
このアクア・ノートは瓜系のフルーツの匂いを連想させる。
海辺でスイカ割りをしたことのある人なら、潮風とスイカの入り交じった、
甘くて青くてしょっぱい夏の気分を思い出すだろう。
ただ、ESCAPEが1990年代らしいパワフルなムスクとホワイト・フラワーの、
あくまでも明るい人工の楽園のイメージなのに比べ、
Fleur de Lianeは、ずっとナチュラルで程よく薄暗く、内省的な印象を与える。
こちらは調香師がパナマ諸島を旅して感銘を受けた熱帯雨林のイメージの
スケッチだという。
http://www.artisanparfumeur.jp/store/fragrance/collection/fleurdeliane.html

どちらも楽園への逃避行がテーマのようだが、この違い。
時代の流れなのかもしれない。

写真2枚目と3枚目はESCAPE MANのイメージフォト。
1995年のもので、女性のモデルは若き日のミラ・ジョヴォヴィッチ。
…バイオ・ハザードシリーズ出演よりずっと以前のもの。
撮影はセレブリティのポートレイトで有名なハーブ・リッツ。
TVCMもあります。すっごいエロティックw
こんなの子供には見せられません(笑)

http://www.youtube.com/watch?v=Ma8a5u3pfHQ&feature=related

…ミラは綺麗だけれども、相手の男性モデルはちょっと日本人的には???かもw

そしてこの構図といいコンセプトといい、’98年の『SEXできれいになる!』
というセンセーショナルなananの、キムラの写真によく似ていませんか?

コメント

nophoto
さくら
2012年6月13日10:30

HTさま、おはようございます。

むー、朝からこないな官能的な絵を見せしまうと仕事ができませぬ・・・へへ。

おっしゃる通り、すぐにananが思い浮かびました。あっ!って。
あと、映画2046でのフェィ・ウォンとのシーンも。

ananは無精髭もインパクトがありましたが、
女性のバストに触れた指先のエロティックさに魂もってかれました~。

あああ・・・・

いかん、仕事仕事!
では、また(笑)


HT
2012年6月13日20:49

さくらさん、こんばんは。
お仕事、大丈夫でした?(笑)
ラブシーンがロマンティックかつ不潔っぽくなくちゃんとエロい。
まぎれもなくキムラの美点だと思ってます。
臆することなく堂々と、きちっと魅せつつかつ作為を感じさせない…素晴らしい。
もちろんあのビジュアルと細部まで感情の行き届いたからだの動き、
さくら様の言うエロスを感じさせる指先までが雄弁に語ると言いますか。
また、そうでなくては滲み出るようなあの感じは、表現できないに違いありません。