三年目の月下美人
三年目の月下美人
三年目の月下美人
2014年4月27日の記事。
http://holidaze.diarynote.jp/201404272225297056/

この日九州から持ち帰った月下美人の、葉と芽から育てた苗が
花を咲かせました。

一枚一枚が白鳥の羽根のような色と質感を持つ花弁。
一見清楚に見える姿ですが、花開くに従って違う表情が見えて
きます。
イソギンチャクのような姿の雌しべとびっしり黄色い花粉を
つけた雄しべ。
その奥から強い芳香を辺り一面に放つ。
よく「どんな香りですか?」と尋ねられますが、身近な花で
似た香りがなく。
強い香りですが、ジャスミンやクチナシのような甘い
香りとは違う。
香水の原料にもなるイランイランという花があるのですが、
よく似ています。
イランイランはアロマを扱うお店なら大抵置いてあるのでぜひ
嗅いでみてください。
イランイランは少しツンとくるバナナのニュアンスのある花の匂いですが、
オリエンタルで官能的と表現される香りです・笑
月下美人は原産地ではコウモリや夜活動する昆虫、小動物を使って受粉します。
夜のいきものにとって色彩はあまり意味がありません。
つまり、官能的で濃厚な香りを放ち誘惑するわけです。
幻想的な姿と香りで人間をも幻惑するけれど、翌日の朝には萎れる。
たった一夜で醒めてく夢。
幻の美女。
だからこそ余計に人はこの花に夢中になるのかもしれません。

ところで。

この花が咲いた7月23日は木村ヲタにとって待ちに待った発表の日でした。
8月24日発売のUOMO、表紙&巻頭ファッション、そして
『木村拓哉連載スタート』
myojo終了して彼の生な言葉を知る手段が一つ減ってしまい、ずっと待っていた。
再開するなら今の木村にふさわしい場所で。
ほんと、まさに。
3月発売の篠山紀信さん撮影のUOMO、グラビア。
メンズファッション誌で増刷は珍しいそうで、反響の大きさが後押ししたのかも?
Switchもかなりの売れ行きのようですし、今年に入ってからの木村は、露出の量こそ
少ないけれど、クォリティが高い。
露出の媒体の選び方、仕掛けがターゲットにピタッとはまってる気持ちよさ。
そう、そうなんです。
木村拓哉を一番熱烈に愛する人たちが求めていたのはこの感じ。
マネージメントが変わったんだな、と実感する。
明日のスマスマ特別編もだけれど、やっぱりな<分かってる感>
UOMOとSwitchのグラビアを撮ったのが篠山紀信さんと操上和美さん。
木村とは20年来のお付き合いの方々。
木村らしさが自由に発揮できる環境が整いつつあるのは間違いない。
我が家の薔薇
我が家の薔薇
我が家の薔薇
5月なのに台風が来るなんて一体何ごと!?
と愚痴りながら昨日は薔薇を避難させた。

ようやく開いた粉粧楼。
椿のようなコロンと丸い形の可愛らしい花。
花弁は陽に透ける薄絹のようでごく淡い桃色。
中心ほど色がはっきりしてくる。
繊細な花弁が何枚も何枚も重なっているので、
つぼみが開くのも大変だ。
この時期、雨に当たると花弁がくっついて
開花できなくなったりもする。
力つき、固いてるてる坊主のような姿のまま
茶色く朽ちていく姿は見るに忍びない。
…なので居間に避難させることに。
うちへ来た当初はなんだか元気のない苗だったのだが
根にコガネムシの幼虫が取りついていたのが原因と判明。
退治したらしっかり根を張り逞しくなった。
結構邪魔なのだが、部屋の中にほんのり薔薇の香りが漂うのは
とても気持ちがいい。
直径はせいぜい5センチほどの小さな花だが、スパイシーで甘い強い香りを放つ。
この花はもう一つ面白い性質がある。
四季咲きといって条件が揃えば一年中花を咲かせるのだが、春の花は写真のように
全体的に白く淡い。それが秋が深まるにつれて赤みが強くなり、晩秋の花は
これが同じ木だろうか?と思うほど濃いピンク色になる。

ブルーバユー。
淡くグレイがかった藤色の花。青薔薇の中でもかなり青みが強い。
青薔薇らしい、清々しい香り。
葉が針葉樹のような深いグリーンで、儚げな藤色がよく映える。
花姿の割に逞しくて、ほうっておくと高さ1mほどになり、枝も葉も力強く茂る。
本来は地植えが相応しい花かもしれない。

前回写真を貼ったジュリアと粉粧楼、ブルーバユー。
ベージュやブルー、淡い桜のようなピンク。私はこんな色彩の薔薇が大好きだが、
亡き母が咲いた花を見てはなった一言。
「あなたは本当に病的な色の花が好きねぇ。赤とかピンクとか、もっとキレイな色の薔薇にしなさいよ。」
…つくづく私と趣味のあわない人であった。
そういえば私がキムラのファンと知ったときの反応も
「あなたらしくないわー。こんな若い子のどこがいいの?可愛い顔してるから?」
…当時30代半ばだった彼を、20代だと思い込んでいたらしい。
しかし車でかけていた彼のソロを聴いた時。
「この人、声がいいわね。誰?」
「木村拓哉だよ。」
「へぇー。顔に似合わないいい声してるのね。」
…珍しく褒めたのだった。
いや、お母さん。あの顔にあの声だから彼は素敵なんですけどね。
薔薇の季節。(追記しました)
薔薇の季節。(追記しました)
薔薇の季節。(追記しました)
ジュリアが咲きました。
蕾は濃い紅茶色。
開くとオレンジがかったベージュの濃淡に
ところどころピンクやパープルのニュアンス。
1970年代に作出されたこの花は元々青薔薇を
作る過程で産み出されたらしい。
開くと褪せたような色合いになっていくのが
鮮やかなカラー写真が時の流れに晒されてやがて色彩は
曖昧になり、シルエットも薄れていく感じに似ている。
アンティークの風合い。

近所に光フラワーという薔薇園がある。
ここはハイブリッド・ティーローズのように切り花向きな薔薇でなく、イングリッシュローズやどことなくアンティークな
雰囲気のある薔薇ばかり数十種類を扱う。

去年見つけて欲しくてたまらない花、ガブリエル。
混じりけのない純白でフリルのように波打つ花びら。
真ん中は微かにグレイッシュ・パープルのニュアンスがある。
天使の名前を持つ花。香りも清々しい。
赤や黄色、ピンクの華やかな薔薇たちの間にひっそりと咲く姿は決して派手ではないけれど、一目で釘付けになってしまった。
不思議な存在感のある花。
育ててみたいけど、どこに鉢を置く?と考えると踏み切れないでいる。

ナエマ。
名前は知っていたけれど実物をみるのは初めて。
香りの名門ゲランの、アラビアンナイトの姫君の名を冠した香水『ナエマ』
薔薇がメインの香水の名前のついた薔薇の花。ちょっとややこしい(笑)
澄みきったピンク色。丸みを帯びた花弁。スーッと立ち上がった姿はまさに
伝説の姫君という感じ。
香りは、ヴァニラのような甘さがあり、花の姿そのままに優しい。
香水の『ナエマ』は20代の頃、池袋西武の香水売り場で嗅いだことがある。
トップは甘酸っぱいフルーツの香る薔薇の印象だったような。
ずいぶん前のことなのではっきりとは思い出せない。

うちには冒頭のジュリアの他、青薔薇のブルーバユー、ころんと可愛らしい椿の花の形をした淡いピンクの粉粧楼がある。
明日にでも咲きそうに膨らんだつぼみたち。
しかし台風が近づいている。
無事に開いてくれるだろうか。

ひかりフラワー
http://www.hikarirose.com

クォーター咲き
http://newroses.sankei.co.jp/news/grow/photos/150225/grw0001-p1.html

さくら、さくら。
さくら、さくら。
満開のソメイヨシノ。
午後、風が出て一斉に散り始めた。
近所の小学校の校庭の桜が歩道の上に花のアーチを作っている。
透き通るような青い空に舞い上がる極薄い紅色の花弁。
狂ったようなその様子は壮絶に美しく、
暫し呆然と立ち尽くしていた。
向こうから白髪の男性が歩いて来る。
ふと目があうとにっこり笑った。
「美しいですなぁ。」
そうですね。そう返すのがやっとだった。
次に上品なこれも白髪の女性がやって来た。
「すばらしいわよねぇ、あなた。桜よ!やっぱりさくら。」
そうですね…本当に。素晴らしいです。
見ず知らずの人がまるで親しい人のように話しかけてくる。
向こうから自転車に乗って女の子がやってきた。
「プレステもってくればよかった。写真撮れるんだよ?」と独り言のように言う。
そうなんだ。 うん。 
歩道に散った花弁が風に煽られて小さないきもののように一斉に転がり出す。
「くまのプーさんに出て来るピグレットがたくさん走ってるみたい。」
ここの学校の子? うん。今はお休みで児童館の帰り。
「もうすぐ入学式なのにさくらは散っちゃうね。」
塀の隙間からいっしょに校庭を覗いた。
誰も居ない広い校庭一面に散った花びら。
さあっと風が吹いてくるくる舞い上がり、ざざっと地面を転がり始める。
その動きは無数の小人が走っているように見えないこともない。
「公園に行かなくちゃ。」と女の子は自転車で行ってしまった。

毎年桜を見るたびに、季節が一周したんだなぁと実感する。
あんまり見上げていると、美しすぎて魂が吸い取られそうな錯覚に陥る。
自分という存在がだんだん曖昧になって、桜の枝の重なり合い移ろう光と影の中に
吸い込まれていくような感じなのだ。
桜の花は俯いて咲くから、見上げるとちょうど目を合わせたような具合になって、
それで誘われているような気になってしまうのかもしれない。
あと何回桜を見上げるだろうか。
桜は新しい季節・命の始まり、燃え上がる喜びを告げるけれど、あまりに儚い。
桜を見ると生きてる自分を実感し、死について考える。
もしその時が来たら。
すーっと、花と空のあわいに溶け込んでいけたらいいなと思った。

よきかほり。

2015年3月15日 植物
よきかほり。
よきかほり。
よきかほり。
金曜日。
久々にお天気、自転車に乗って近所を走る。
空気はまだひんやり、だけど柔らかい。
日当りのよさそうな庭にきいろいミモザ。
水道の水もまだ冷たいのだけど切るような鋭さはない。

土曜日。
町田の薬師池公園に梅を見に行きました。
http://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/park/park01.html
満開の枝、蕾の目立つ枝があれば、
既に黄色くなった花びらもある。
純白、ほんのり薄い紅色、濃い桃色、紅梅色、いろいろ。
ふんわりとふくよかで清々しい梅の花の香り。
よきかほり。
この五文字の、ひらがなで書いたのがとてもよく似合う。
花の命は短い。
あと少しですっかり花は散ってしまうだろう。
そして、やがて桜の季節。
ジンジャーリリー。
ジンジャーリリー。
今日の夕暮れに開きました。(写真1)
真っ白い羽根を広げた胡蝶のような花。
春に咲くスイカズラのような香り。
ふんわりと華やかで甘く優しい。
クチナシやジャスミンの癖を和らげて瑞々しくしたような
イメージでしょうか。
実家の裏庭に1mほども生い茂り甘い香りを放っていた。
切り花にして玄関に飾ったら廊下から座敷までふんわり漂う。
(写真2)
一昨年、球根を持ち帰って、早速ベランダのプランターへ。
その年は小さな芽と葉っぱを伸ばしたところで寒くなって、
11月には枯れました。
二年目の去年はかなり順調に葉と茎を伸ばしたので、写真を撮って母に送信。
『まだ咲いてないの?』
『うん。葉っぱばっかり伸びるよ。』
電話での会話。
『そういえば、白花とオレンジの花があるけど、オレンジは香りがないんだよね。
…もしかして、持って帰ったのはオレンジの株だったりして?』と母。
(ちょっとこういう意地悪を言う人だった)

白い花だといいね。

去年も結局花芽が出たのが10月末。
またもや時間切れで花は見れず。
そして今年。
8月中にはついに、花芽は見えず。
今年もダメかなぁ?
…と半ば諦めていた。が、ふと見ると、育ち過ぎてベランダの庇の外側にはみ出した茎の先のほうが膨らんできた。
しかし屋根の下にある茎は一向に花芽をつけずひたすら葉を伸ばすばかり。
もしや? と、伸びた茎をわざと庇の外側に出すようにして様子を見た。
一週間後、外にはみ出した茎の先端が次々に膨らみ始めた。
何が違うんだろう?
ジンジャーリリーは高温と湿度を好む。
もしかしたら、葉や茎が雨に打たれる刺激が必要なのかもしれない。

ともあれ、今年ようやく私のジンジャーリリーは花を開いた。
待ちわびた純白の色、かたち、香り。

『お母さん。オレンジじゃなくて白い花が咲いたよ。いい匂い!』

母に届いたろうか。

GW初日の花。

2014年4月29日 植物
GW初日の花。
GW初日の花。
GW初日の花。
うっすら紫がかったピンク色のライラック(リラ)。
優しく清楚で飾らない香りは微かに甘く、
花屋の店先の匂いを思い出す。

真っ赤な艶のある緋牡丹。
チャイナ美人のイメージ。
ピッタリした真っ赤なチャイナドレスと
締まった足首、細いヒールの華奢な靴。
黒いアイラインに真っ赤な唇の。
毎年薔薇より早く満開になる。
辺りに立ちこめる香りは、甘いけど少しだけ
薬っぽく苦みを感じます。

牡丹も桃色だとまったく違う表情が見える。
こちらはどことなく少女の面影。

月下美人(の挿し木にチャレンジ)
月下美人(の挿し木にチャレンジ)
月下美人(の挿し木にチャレンジ)
亡き母が育てていた月下美人。
実家でしっかり生きていた。
葉(実は茎)から髭みたく伸びてるのは気根。
空気中の湿気を吸収するため必死。
切りとって東京へ連れて帰りました。
土に挿しておくとそこから根付いて上手くすれば
三年後に花をつけるそう。
二枚目が月下美人の花。
夜咲いて受粉の為コウモリや蛾を引き寄せるため
強い芳香を放つ。
その香りはジャスミンの妖艶とユリの清楚を併せ持つ。
月夜にぼんやり浮かび上がる姿はさぞ妖しいに違いない。

母はこの花をスパルタ式で育てていました。
余り水をやらず、ギリギリで頑張らせる。
そのせいか大輪の美しい花を咲かせ、
手入れする人の居なくなった冬を生き抜いた。
私が妙に逞しいのも同じ理由か…?(笑)

一番下は実家近くの谷にかかる橋のところに咲いていた野生の藤。
独特の粉っぽく少し青みのある甘い香りが辺りに漂う。
引き寄せられた蜂たちが夢中で蜜を集めていた。
この花もぐぐっと寄って眺めるとなかなかに艶めいた色と姿をしている。
植物の持つ生命力。
彼らは何も語らないけれど、とてもとても強い。

蝋梅

2014年1月26日 植物
蝋梅
今年もこれが咲く季節になったか…。
スイカズラ(金銀花)、クチナシ、オレンジの花、茉莉花。
そして、蝋梅。
私の大好きな香りを放つ花々です。
蝋梅以外は白い花です。
そして蝋梅も含め、全てがジャスミンの花と
よく似たニュアンスを感じる。
入浴剤とか柔軟剤や石けんの<ジャスミンの香り>じゃありません。
あれらは生花のジャスミンとは全く別もの。
生花のジャスミンは、よーく嗅ぐと少しだけガソリンとか有機溶剤みたいな、刺激臭に近い匂いも混ざってます。種類によってはかすかな動物臭(=悪臭)も(苦笑)
<ジャスミンの香り>は、それらをキレイさっぱり取り除いた清潔な、だけど
艶やかさの欠片もない、ペラッペラの香りに思えるんですよ。
魅力的じゃないんだよなぁ。
蝋梅はその生花のジャスミン様の香りに、熟したフルーツを連想する甘さと微かな
粉っぽさが混ざっています。
…この甘さ何かに似てる?と思ったら、イランイランのエッセンシャルオイルだ。
コレもよく香水に利用されるのですが、熟したバナナと花の甘さが入り交じった、
セクシーで濃厚な香りなんですよ。それとよく似たニュアンスが香りの中にある。

寒風の吹きすさぶ中、背中を丸めて歩いているとピンと張りつめた空気の中に何とも
言えない官能的な甘さが漂ってきたら、それは蝋梅の香りです。
花に顔を近づけて嗅ぐと、頭の芯がぼーっとして陶酔の境地に浸れます(笑)
…傍から見たら完全に変質者かもしれない。
夾竹桃の香り。
夾竹桃の香り。
九州の夏の花というとオシロイバナ(写真1)と
夾竹桃(写真2)を思い出します。

夏の夕暮れ少し涼しくなってきた風に乗って
どこからともなく懐かしい白粉の香り。
甘くノスタルジックなオシロイバナは、
夕暮れにひときわ匂い立つ。
花が終わって暫くすると、黒くて固く丸い実をつけます。
殻の表面には凸凹した溝があって、割ると中から
少し湿った白い粉が出てきます。
それが丁度白粉のようで、オシロイバナの名前が
ついたのでしょうね。

そして夾竹桃。
大気汚染に強いので昔は国道沿いに植えられて夏になると濃いピンクの花の並木が
いかにも南国のムードを醸し出していたのですが、毒性が強いせいか、いつのまにかアカシア科の樹木にとって変わられていました。
でもやっぱり九州ではまだまだ目にすることの多い夏の花です。
以前嗅いだ時は独特のパウダリーさに夕暮れ時のオシロイバナを思い出しました。
また同じ場所で見つけて花の香りを確かめる。
…甘い。白粉っぽいパウダリーな匂いの中からふわっとわき上がるような甘さ。
バニラに近い。
それも天然の少し渋みのある深いバニラではなく、カップアイスのバニラ。
白粉とカップアイスのバニラ、それと微かに苦みのある青っぽさ。
ちょっと美味しそうだけど、口に入れたら強い甘みに刺すような青苦さを
感じるに違いない。
いえいえ。
夾竹桃は茎も葉も花も、生えている土壌にまで毒を振りまくそうです。
甘い香りに誘われても決して口にしてはいけません。
そういえばオシロイバナも有毒植物だそうです。
茉莉花(編集しました)
茉莉花(編集しました)
春先から育てていた茉莉花が開花しました。
ジャスミンは夜開花するって聞いてましたけど、
暗い中にぼうっと純白の花。
なかなか妖しくてよろしい(笑)

まだ小さな木だからか、花も小さく直径2センチ位。
甘くてうっとりする、ずっと嗅ぐと酔ってしまいそうな
ホワイトフラワー特有の官能的な香り。
ジャスミンというと主に香水に使われる
Jasminum grandiflorumが有名ですが、
茉莉花はJasminum sambac(サンバックジャスミン)
と呼ばれ、ジャスミン茶の香り付けに使われます。
サンバックの方が香りが柔らかくて、前者のはエキゾティックでワイルド。

我が家のは茉莉花でも八重咲きなので、小さい可愛らしい
薔薇の花といった風情です。

ちなみに、ハワイの白いレイに使われるピカケ。
あれは一重咲きの茉莉花です。
ブルーバユー
ブルーバユー
ブルーバユー
神代植物園にて。

今日は土曜出勤でしたが、午後遅くからちょっとだけでも…
と薔薇園へ。
毎年ここへやってくるのはブルーバユーのコーナーがあるから。

1993年 コルデス(ドイツ)作の青薔薇。
といっても実際の色は灰色がかった淡い藤色ですが…。
でもむしろ青空のような色でなくていい。
少し寂しげな儚なさが好き。
深緑色の艶のある葉とのコントラストが
他にはない存在感を放つ。
昼間の燦々と輝く太陽よりむしろ、
柔らかい霧や弱い光が相応しい。
香りはそんなに強くなく、
青薔薇にありがちなフルーティなティ系。

この花をベランダで育てるのが夢(笑)
植物園には苗の販売所も併設されているんですが、
残念ながらブルーバユーは無し。
でもジュリアの苗を見つけました。
これも以前から憧れている薔薇です。
ミルクティ色と称されるベージュに、うっすらと藤色やオレンジのニュアンスのあるシックでとても繊細で複雑な色合いの花。
…なかなかデリケートで気難しいそうで。
ちゃんと育てられるかなぁ。

(ニセ)アカシアの花。
今日は朝からすっきり晴れ。
自転車で多摩川沿いのサイクリングロードを走りました。
日差しは強いけれど、吹く風はまだ肌寒い。
今年は寒いGWですね…いつもの年なら薔薇が盛りの頃なのに。
ようやく満開になったキモッコウがあちこちの庭先を明るい黄色に染めている。

多摩川沿いでは白い房状の花が垂れ下がった樹が見られます。
今、丁度アカシアの花の盛り。(写真)
背の高い樹も低い樹も、びっしり花をつけて、風にのってふわふわと香りが漂う。
アカシアの花の香り、嗅いだことはありますか?
藤の花の香りに独特の青臭さを加えたような、濃厚な蜜の匂いがします。
藤と同じくマメ科の植物だそうです。
ミツバチがたくさん集まって夢中で蜜を集めていました。
この花から採れる蜜が『アカシア蜂蜜』なんだそうです。
茶色っぽい百花蜜と比べてずっと明るい黄金色で、ふんわり優しい香りがします。

ところが調べてみてびっくり。
白い花のアカシアは実は、本来のアカシアではないそうで、区別するために
<ニセアカシア>と呼ばれているのだそう。
19世紀に日本へ導入される際、間違って<アカシア>の名前がついたとか。
本来のアカシアは所謂<ミモザ>の仲間の総称らしく、海外のサイトで調べたら、
確かにacasiaの項には黄色いミモザのポンポンの花がずらりと並んでました。
<ニセアカシア>はBlack Locustと呼ばれているみたいです。
ううむ。なんだかややこしい。

Frederic MalleというメゾンにUne fleur de Cassieという香水があります。
アカシア(=ニセアカシア)の青臭くてパウダリーな匂いがする。
…と思っていたんですが、実はミモザの香りだったんだなぁ。
(*Cassie=アカシア)

アカシア=ニセアカシアの花の青さ、何かに似てると思ったら栗の花だ。
藤の花の濃厚な甘さに栗の花独特の青臭さ。
梅雨の頃、しとしと降る雨にぴったりのもわもわ〜っと漂ってくるあの匂い。
好きになれないんだけど、頭の中で梅雨のイメージを思い浮かべると、湿った空気とワンセットで必ず鼻先に蘇ってくるのです。
もうあとひと月もすれば梅雨…一年の半分まで来ちゃうんだなぁ。←気が早い。

透明な光、風。

2012年10月19日 植物
透明な光、風。
透明な光、風。
透明な光、風。
台風の風と雨で東京の空はシャワーで洗い流したように
澄んでいる。
今日の気温と湿度はまさに理想的。
風は少し肌寒くさらさらして、日差しは湧き水のように
新鮮で透明。
窓をいっぱいに開けると風にのってキンモクセイの
香りが流れ込んでくる。
それが高い空の淡いブルーによく似合う。
遠くのほうから電車の音…チェーンソーの音…
ヘリのプロペラ音が風にのって近くなったり遠くなったりする。
秋だ。
自転車で走り出すと、強烈な青草と樹木の匂いがした。
団地の欅並木の枝を剪定する作業をしている。
回転するチェーンソーに切り落とされた切り口から
最後のため息のように立ち上る匂い。

秋になって、薔薇が一層綺麗に咲いてます。
挿し木から育てたサンクチュアリも、初夏の花とは全く違う。
気温が高いと一気に膨らんですぐ咲いて散ってしまう花も、
気温が低くなるにつれ、ゆっくりとゆっくりと豊かに育っていく。
開くときもゆっくりで、いつまでも綺麗なままに咲いている。
朝の薔薇(写真1)
夕暮れの、西日の中の花(写真2)
太陽の高さでがらりと表情が変わる。

10代、20代の頃は花を育てようなんて考えたこともなかった。
今はそれを楽しんでる自分がいる。
前にも書いたけれど、花を育てることは自分も自然のサイクルの一部だと
再確認させてくれる体験だと思う。

D.ジャーマンが最晩年にダンジェネスに自分の理想の庭を作った気持ち。
当時はイギリス人らしい趣味だなと思った程度だったが、今は凄くわかる気がする。
アパートのベランダの、小さな庭だけど。

ギンモクセイ

2012年10月3日 植物
ギンモクセイ
ギンモクセイ
いつもより一つ手前のバス停で降りる。
曇りだけどまだ空は明るく鈍い銀色。
ふんわりと甘く浮き立つような花の香り。
…キンモクセイ?
周りを見回してもあの黄金色の花の姿はない。
歩道沿いのコンクリート塀の向こうに数本、こんもりと
緑の茂った木が並んでいる。
近寄ってよく見ると、キンモクセイによく似た
白っぽい花が咲いている。
あ、ギンモクセイ。
純白でなく極々薄いくすんだ黄緑色をしている。
遠くまで金色の輝きを振りまくようなキンモクセイより、
香りも慎ましやか。
ひっそりと、誰かが気づいて振り返るのを待っているような。

植物の力

2012年8月7日 植物
植物の力
植物の力
植物の力
おはようございます。
今日は土曜の代休でお休みです♪
さすがに立秋の声を聞くとね、と思うくらい涼しい朝。
でも日中はまた猛暑が襲ってくるようです。
人間はぐったりすっかり参っている暑さですが、
植物にとっては光合成し放題。体力作りの夏(笑)
ベランダの鉢植の薔薇はまたもや蕾をつけてます。
粉粧楼も、10年以上うちにいるミニバラも。
四季咲きの薔薇はほんっとに真夏でも咲くのですね。
育ててわかる驚異のパワー。
中でも一番びっくりしたのが『サンクチュアリ』。
去年の11月、いただいた切り花の茎を土に挿したのが、
5月の終わりにはしっかり葉を出し(写真1)
先週辺りからシューッと芽が伸びてつぼみがつき(写真2)
今朝見ると今にも咲きそうです(写真3)
鼻を近づけるとほんのり甘い香り。
まだ株が小さいので本来の大輪は望めそうもありませんが、
香りは楽しめそうです。
一本の切り花の茎から9ヶ月で初めての花をつけるなんて
想像もしてませんでした。
凄い再生能力だ。
これに気をよくして、その後別の方に頂いたブルームーンも挿してみたのですが、
こっちは残念ながら枯れてしまいました。
薔薇といっても生命力の強いもの、弱いもの、また個体差もあるんでしょうね。

ゆうべのすますま。
実はまだちゃんとみてません。
最初でめげちゃって(笑)
後で録画を見て、また書きます。


くちなしの花

2012年6月27日 植物
くちなしの花
くちなしの花
くちなしの花
今年も咲き始めました…くちなしの花(写真1)
クリーミーで熟れたバナナやココナッツを思い出す甘さと
わずかな動物ぽさ。
清楚さと艶やかさを併せ持った香りが大好きです。
ほころびかけの蕾の姿も美しく、エレガント(写真2)
固い緑の蕾が開くに従って純白へと変わっていく。
それとともに、あの魅惑的な香りがふんわりと漂い始める。
春先の桜の詩情豊かな儚げな美しさとは違う。
春爛漫に咲く薔薇の、夢幻とも思える色彩や
重なり合った繊細な花弁の完璧な造形の妙とも違う。
梅雨の時期にふさわしいしっとりとどこか昏さを含んだ白さ。
ちょっと野暮ったいほどに厚みのある花弁。
薔薇も桜も目に愉しく優雅で華麗な存在ですが、
香りならくちなしが一番。
この時期は紫陽花も花盛りですが、香りがないので
どーも惹かれないのです(笑)

一番下の黄色い花、なんだと思います?
苦瓜(ゴーヤ)の花です。
友達に頂いた苗がどんどん伸びてぽつぽつ花がさいてます。
実は独特な青っぽい匂いがしますが、茎や葉もまさにあの匂い。
花は、意外なほどさっぱりとしてほんのり甘く、青みのある優しい香りがします。

粉粧楼
粉粧楼
粉粧楼
ついに買ってしまいました。
オールド・ローズ、粉粧楼。
中国名でフェンツァンロ。
ここ3年くらい迷ってたんですよ…
もし枯らせてしまったら可哀想だとか、
夏休み、酷暑の中、家族で留守にしちゃったら
ベランダでどうやって過ごさせたらいいのか、とか。
ペットを飼うのと同じくらい悩みました(笑)
好きすぎてなかなか踏み切れなかったんですけど、
思い切って。

薄絹を重ねたような繊細な花弁の重なり。
中心部ほどピンクが濃く、
外へいくほど薄く白っぽい色をしています。
つぼみも開きかけた花も、ぷっくり膨らんだ鈴のような形。
開いてもモダンローズのように誇らしげではなく、
やや俯き加減なのは、茎が細くて花を支えきれないから。
触れるとしっとりと柔らかく・ふかふかしていて、
妙に艶かしい。
意味深な名前もこの花に独特の魅力を添えていると思います。
ずっと中国原産だと言われていたのですが、近年、19世紀末にフランスで作出された
薔薇(クロチルド・スーペール)の子孫だと判明したそう。

しかし日本では、この粉粧楼という名前の方が知られていますし、
何より花姿にぴったりではありませんか?

満開でも直径5㌢程度にしかならない小ぶりな花ですが、結構香ります。
所謂薔薇の香りに、クローヴ(丁字)のニュアンスがある、と解説にはありました。
スパイシーですが、その名の通り、微かにパウダリーな甘い香りです。

今ちょうど満開のスイカズラの、甘くて青くて酔わせるような香りと入り交じって、
ベランダの窓から、夕暮れの風に乗って漂ってくる。
夢心地。


今年初めてのスイカズラ。
昨夜は日付が変わった頃から突然の雷雨だった。
早朝はまだ小雨が残って路面が濡れていたけど、
6時すぎくらいから明るくなってすっかり晴れた。
しかしTVでは上空に強力な寒気が流れ込んでいるので、
突然のお天気の急変に注意を、と促している。

とにかく洗濯物を干さないと。
お休みの日くらいゆっくり寝ていたいけれど元々二度寝ができない体質…。

ベランダの窓を開けると、昨夜の雨で冷やされた少し湿った空気が流れ込む。
さぁっと気持ちのよい風が吹き抜けた。
そのとき白い花特有の、ふわっと甘くて柔らかい香りが肌に触れた。
…ジャスミン?近所に咲いてたっけ?
よく見るとベランダのスイカズラが咲いている。
3センチにも満たない小さな白い花がこんなに香るなんて凄い。
今にも開きそうな細長いつぼみがぽつぽつと。

元々野山に自生する逞しい草花である。
2年前、近所の道ばたの茂った蔓から失敬してきた3本の枝が、
今年はたくさんの花を咲かせそうです。

幸せだ…。
馥郁。
一年で一番忙しい時期。
今日も残業。
バスを降りてとぼとぼと家路を行く。
最高気温16℃じゃなかったっけ?絶対そこまで暖かくはないな。
曇り空。
今年は春一番が観測されなかったらしい。
明日は雨。
8℃だって?
...春はいずこへ。

一陣の風。
ふんわりとまぁるく温かく柔かい感触に包まれてはっとした。
まるで吉祥天女の羽衣が触れたような、幸せな感じ。
数秒後、それが梅の香りであると気付いた。

どんなに厳しい冬も必ず終わる。
春が来たのだ。

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