Jasmin Full
ジャスミンの香り。
というと真っ先に思い浮かぶのはジャスミンティ。
次にエスニック雑貨店に漂うジャスミンオイル。
ジャスミンティとジャスミンオイルは
同じように「ジャスミン」と呼ばれているのに
全く印象が違う。

ジャスミンティに使われるのは茉莉花=マツリカ。
ピカケとかアラビアンジャスミンと呼ばれます。
学名:Jasminum-sambac

ジャスミンオイルや香水原料に使われるのはオオバナソケイ。
学名:Jasminum grandiflorum

…他にもジャスミンで検索すると何十種類もの花がヒットします。
モクセイ科、ガガイモ科など、全く種類が違っても◯◯ジャスミンって呼ばれているんですね。

私が育てているのは茉莉花です。
ジャスミンティの香りが大好きでこの花を選びました。
鼻を近づけて嗅ぐと陶酔するような白い花特有の甘さがあります。
そしてツンとくる青み。どことなく動物的な官能性。
多くの香水の成分として、ジャスミンは無くてはならない花のようです。
(シャネルNO.5に使われてますし、ゲランの名香と呼ばれる香水にも)
ジャスミンがメインの香りが欲しい。
しかしイメージ通りのジャスミンの香水を、となるとこれがなかなか難しい。
エスニックショップのジャスミンオイルのような香りはワイルドだけど野暮ったい。
一方、よく目にする『ジャスミン』と名のつく香りの多くは、青臭さや動物っぽさを慎重に取り除き、キレイだけど清潔すぎて石鹸かシャンプーの匂いのよう。
理想は…ジャスミンティのように軽やかで、生花のように青みがあり、もちろん
どことなく動物的な、仄昏さも隠し持った美しい香り。
大好きな茉莉花そのもののように。

私が選んだ『ジャスミンの香り』はMontaleのJusmin Fullです。
http://rumors.jp/fs/rumors/g002613
(*こちらのサイトから試香紙=ムェットを注文できるようです)
ボトルがユニーク。
成形したアルミで出来ていて中身は見えません。ちょっと未来的。
そっけないといえばそうですが(笑)紫外線の影響を受けにくい。
ワンプッシュすると細かい霧のようにふわっと広がる。
摘み取ったばかりの小さな白いジャスミンを籠いっぱい集めたような。
目の覚めるような新鮮な香り。
アクセントのオレンジの花が強い甘さを、スイカズラが爽やかさを添えていて、
暫く待つと体温で温まって淹れたてのジャスミンティの微かな渋みを感じ、
ラストはホワイトムスクが香る柔らかい石鹸ぽさへと落ち着きます。

Jusmin Full。
まさに「ジャスミンがいっぱい!」な香りです。

追記)
シャネルのNO.5とジャスミンの素敵な関係。
NO.5に使われるジャスミンは90年間シャネルと専属契約した同じ畑で栽培された花だそうです。http://slism.net/beauty/story-of-chanel-no5.html

*ただし文中にある白い花の写真…これは明らかにジャスミンではないです(汗)

コメント

nophoto
裕子
2015年7月3日13:52

HI様

マツリカってあの字なのですね、教えていただき
有難うございました!

実はわが庭にも香りマツリカが咲いてもう終わりました。
はじめは白く、やがて紫に変わって散ります。
父の入院していた病院からの帰りのバス停近くに
この花を大変見事に咲かせているお宅があり、その
香りと花の色に惹かれ、また父の思い出に私も買い
求めたものです。
あまり大きくなりませんが、毎年咲いてくれます。
でもHI様のマツリカと違って一重の花です。
八重もあるのですね。

ジャスミン茶は横浜の中華街にある〇發店のが一番
美味しくて行くたびに購入して来ます。
でもジャスミンが香水と関係しているとは思っていませんでした。
たしかにあのマツリカの香から真っ先に連想出来ますのにね。

Montale Jusmin Full、探してみます!

それから木村さんとカップルになった生きの良い若者?は
EXILEのAKIRAさんとか。地上波は木村さん関係のものしか
見ないので知りませんでした・・・

HT
2015年7月3日17:24

うちの茉莉花も白から紫に変わっていきますよ。
あの香り、大好きなんです。
ジャスミンの芳香成分にはスカールという化学物質が含まれていて(*花の香りそのものが複雑な化学物質の組み合わせなのですが)、高濃度では排泄物(!)低濃度では花(白い花)の香りと感じられるそうです。
匂いの作用って本当に不思議ですね。

MontaleのJasmin Full、URLを貼っておきました。
香りの感じ方は個人差があるので、できたらサンプルで試せるといのですが。

nophoto
茉莉花
2015年7月10日0:25

こんばんは(^^)
シャネルのNo.5は、フローラルアルデハイドの名作ですね。調香師は、初代専属調香師だった、エルネスト・ボー。
彼は初めて人工香料を加えた香水を作った人として知られています。
フローラルアルデハイドで名作に挙げられるのは、ランヴァンの『アルページュ』、エルメスの『カレーシュ』がありますが、No.5と双璧を成す名作が、前者のアルページュ。
構成はNo.5と似ていますが、香りが違います。
No.5はどっかりとアルデハイドが効いた香りですが、アルページュの方は、アルデハイドが弱めで、ジャスミンを前に出した、柔らかい香り。
因みにこのアルページュは、創始者、ジャンヌ・ランヴァンが、愛娘のお誕生日プレゼントとして、お抱えの調香師、アンドレ・フレースに作らせた香水なのだそうです。香水のタイトルは、娘が音楽に携わっていた事に因み、『分散和音』という意味のアルページュと名付けたそう。
愛娘の為に作った香水なだけあって、娘を見守る母親の様な優しく包み込む様な、美しい香りです(^^)
現在、日本では、新しく出た『エクラ・ドゥ・アルページュ(紫のボトル)』に取って代わられ、オリジナルは姿を消しましたが、海外では未だに根強い人気があり、今でも現行品として存在しています(^^)
私自身、オリジナルのアルページュを持ってます(^^)
アメリカでは人気香水のトップテンに入ってるとか。
ボトルは、黒い球体に、金でランヴァンと愛娘が手を取り合って、舞踏会に出掛ける様子が描かれ、蓋には『黄金のラズベリー』という、アールデコのデザインが施されています。

HT
2015年7月10日21:27

茉莉花様、こんばんは。

シャネルNO.5といえばアルデヒドですね。確か最初の予定より大量に投入したアルデヒドのおかげで、あの独特のふくよかさが生まれた…と読んだ記憶があります。
シャネルでジャスミンと言えばむしろCOCO(オリジナル)でしょうか。
甘くて陶酔するような香り…20代の頃、憧れていた素敵な先輩がこれを香らせていたのを思い出しました。
ランバンのアルページュ、ボトルは見たことがあるのですが、香りは嗅いだことがないです。アールデコっぽいアーティスティックな黒いボトル。
愛娘へのプレゼント。
素敵なエピソードですね。
エクラは優しく柔らかく、繊細な清潔感。日本人好みなのかもしれません。
今どきの香水は澄んだトーンで最初から最後まであまり印象の変わらないものが
多い気がします。
確かにその方が安心なんだろうな…とも思いますが、個人的には複雑で時間と共に変化する香りを楽しみたいです。

nophoto
茉莉花
2015年7月10日23:28

シャネルのCOCOは、1984年に、ジャック・ポルジュが、シャネルの三代目専属調香師に就任して初めての香水ですね(^^)
ジャック・ポルジュは、シャネルの専属調香師に就任する前の年には、エマニエル・ウンガロのファーストフレグランス、『ディーヴァ』を世に送り出しています(^^)
こちらはシプレー・ウッディー調ですが、シャネルの専属調香師が作っただけあり、華やかな香り立ち。
私自身、このディーヴァは、コレクションに入っていますが、初めてこの香りに出会った時は、香りのあまりの迫力に仰け反ってしまったのですが、使っている内、この香水の奥深い香りに魅了され、今や手放せない一本になっています。
ラストノートが、母から貰ったロベルトカプッチの香水『カプッチ・ド・カプッチ』の香りにソックリ。
バブル期直前の頃の香りですが、ランコムの『トレゾァ』やディオールの『プワゾン』といったトロピカルオリエンタル系に移行する時期を象徴する香水と私は位置付けています。
ジャック・ポルジュの話の辺りから横道に逸れてしまいましたが、ジャスミンは、オリエンタル系との相性が抜群ですね(^^)
ジャスミン系オリエンタルで有名といえば、ゲランの『サムサラ』。
あちらはジャスミンと白檀が軸になっているそう。
サムサラとは、サンスクリット語の『サンサーラ』で、『輪廻』を意味しているそうです(^^)
私も、イマドキの若者が好む香りよりも、クラシカルで奥深い香りが大好きです。
20歳の頃からお香を嗜んでいたせいか、そういうテイストの香水に惹かれます。
何よりも、『自分らしく在りたい』という思いも手伝って、誰もが好む香りよりも、一癖も二癖もある個性的な香りを選びます。
そもそも香水は、自分の個性を最大限に引き出すアイテムですから、誰もが使ってる香りでは面白くないのです。
何よりもクラシック香水は、香りの芸術性もさる事ながら、ボトルのデザインも凝っていて、香水そのものが美術品と思わせる物が多いです。
ある意味、クラシック香水は、『ファッションアイテム』というよりは、『美術品』に等しいものです。
その香りを纏う事は、『美術品を纏う事』だと私は思います(^^)

HT
2015年7月10日23:52

トレゾァもプワゾンも好きです。
ディーヴァは知らないのですが、シプレー・ウッディの香りなんですね。
いろいろ想像してます(笑)最近はシプレー系の香り少ないですよね。
サムサラ、大好きな香りです!
白檀とジャスミンとバニラ。シンプルな香調なのに奥深くて厚みがありますよね。
ボトルも素敵。寺院がモチーフになっているとか。
ゲランの香りは、ああ、ゲランかな?と分かる複雑さがあって、調香師のサインみたいなものなのかなぁと。

>>その香りを纏う事は、『美術品を纏う事』だと私は思います

素敵な言葉ですね!
エチケットの為に・他人のために、でなく自分が楽しむ為に纏う。
纏う、という言葉も好きです。
香りは、目に見えない一枚を肌に纏うようなものですよね。

nophoto
茉莉花
2015年7月11日1:50

そうですね〜(^^)
欧米では、香水を纏う事は、洋服を纏う事と同じ感覚なんだそうですよ(^^)
なので、おめかしの仕上げには必ず香水を纏うのは当たり前。
そして、その日の気分や、シチュエーションに合わせて使い分けるため、何本も揃えてあるのは当たり前。
私自身、香水に対する考え方は、海外の人と同じです(笑)
日本では、香水文化が根付いていないため、気に入った香りそれ一本だけで済ませてしまう事が多いです。
同じ香りばかり纏うので、結果、つけ過ぎて香害なんて事に…。
どんなに違う服を着てても、香りが同じだと、同じ服を着てるのと何ら変わらないです。
やはり、最低でも2種類か3種類くらいは揃えておきたいものです。
お香と同じで、同じお香を焚いてると、香りが分からなくなるもの。
なので、違う香りのお香を焚く事で、嗅覚をリフレッシュさせるのです。
香水の嗜み方は、お香の嗜み方と共通しているのですよ(^^)